地目が畑の土地は地盤が不安?地盤調査で安全な家を建てる!

土地の地目と聞いても、あまり馴染みのない方も多いのではないでしょうか。

しかし、家を建てる際にはこの地目が重要となるため、土地を選ぶ判断材料としても押さえておきたいものです。

また、家を建てる際には土地の地盤調査も必須となりますが、特に地目が畑の場合、それに関する注意点もあります。

今回は、地目が畑の土地に家を建てる際の地盤調査に関する事柄についてご説明していきます。

地盤が不安視される地目「畑」

私たちが目にする土地には、地目がそれぞれに定められています。

特に土地を購入して家を建てようと考える際、その地目が何であるかも重要となるでしょう。

地目によって地盤が弱いなどの特徴もあるため、慎重に土地を選ぶ必要があります。

例えば、池沼など名前からして「水」を連想させる地目は要注意です。

水分を多く含む土地は、それだけで地盤を不安視する声もあるため、できれば購入を避けたいと考えるのが一般的です。

しかし、地盤が弱いとされる地目はそれだけではありません。

例えば、地目が畑である土地は土が軟らかく、水分を多く含んでいることがあります。

畑はご存知の通り、作物の成長に必要不可欠なこれらの条件を多く持っており、それが家を建てる際には懸念材料となってしまうことがあるのです。

また、畑・田などの農地は農業従事者でなければそのまま購入することができませんので、農地転用が必要になります。

「地目が畑の土地は地盤が弱い」は昔の話?まずは地盤調査で判断

地目が畑である土地は、価格の割に広さがあるものも多く、家を建てる際に候補として挙がることが多いものです。

一方で、前項で述べた通り地盤に不安があるものが多いと聞くと、今一歩購入に踏み出せないという方もいるのではないでしょうか。

また、土地の地盤の強さを確認するために地盤調査がありますが、昔はそれほど重要視されていなかったという実情があります。

地盤調査の方法も今ほどの精度ではなかったため、地盤の強さがきちんと判断されず、本来地盤改良が必要な土地であってもそれが行われないということも珍しくはありませんでした。

そのような経緯もあり、地目が畑の土地は地盤が弱いと言われる傾向があるようです。

しかし、昨今では高度な地盤調査を重要視するようになり、それに合わせてより精度の高い判断ができる方法も取り入れられています。

そのため、地目が畑だからと言って、すぐに地盤が弱いと判断するのは時期尚早と言えます。

気に入った土地の地目が畑だった場合、まずは地盤調査を受けてから購入するか否か検討することをおすすめします。

土地の地盤調査方法は2つ!どちらを用いるかは建物の規模による

地目が畑か宅地かなどにかかわらず、土地の地盤調査には主に2つの方法が用いられます。

ここでは、それぞれの方法の特徴をご説明しましょう。

・スウェーデン式サウンディング試験

地面にねじのような形状の機械を挿入し、地盤の強さを調べる方法です。

機械に付ける重しは最軽量の5kgから始まり、15kg、25kgと段階を踏んで負荷をかけていき、最重量になると100kgになります。

それぞれの重しを増すごとに機械の地面への沈み具合を確認し、記録を付けていきます。

また、この方法は比較的コストを抑えて地盤の強さを判断するものですが、一方で畑などの土の質までは測れません。

私たちが家を建てる際に行う地盤調査は、この方法を用いることが一般的です。

・ボーリング調査

地盤の強さを図ることに特化したスウェーデン式サウンディング試験に比べ、土の質なども測れるのがこの方法の特徴です。

ただし、コストに関しては高い傾向があります。

そのため、より地盤の質や強さをが求められるマンションなどの大型建物を建てる際に多く用いられます。

地目が畑の土地は地盤調査の結果により工期が遅れることも

地目が畑の土地であっても、きちんと地盤調査を行えば家を建てた後にも安全を確保できるということが分かりました。

また、地目が畑の土地の地盤調査には、2つの難点があることも把握しておく必要があるでしょう。

まず、一つめの難点は、地盤調査及び地盤改良に多くの時間を要するということです。

地目が宅地などであれば地盤調査のみで済むことが多い一方、それが畑となると地盤を強くするために地盤改良を行う必要も出てきます。

家を建てることを施工会社に依頼する際、当初の話し合いの中で大まかな作業の流れが説明されるものですよね。

どの作業にどのくらいの時間がかかるかなどの説明をあらかじめ受けておくことで、家がいつ頃の時期に建つかの判断材料にもなります。

しかし、地盤調査を行った際に地盤改良が必要と判断された場合、それに要する時間によっては当初の説明より工期が遅れる可能性も出てくるのです。

地盤改良が高額になるケースも!地盤状況サイトを参考に

地盤調査の結果によって、地目が畑の土地に地盤改良が必要と判断された場合、かかるのは時間だけではありません。

行う工事が増えるということは、つまりそれにかかる費用も発生するということです。

まず、土地の地盤調査を行うだけで、一般的に10万円前後の費用がかかると言われています。

それに、数十万から、場合により100万円前後の地盤改良費用がかかることもあります。

この地盤改良費用は、特に弱い地盤の深さが深いほど高くなる傾向にあるようです。

これまで述べた通り、地盤の強さに関しては地盤調査をしないと判断できないため、地目が畑の土地を選んだ際には100万円前後の地盤改良費用を想定しておくべきといえます。

また、これらにかかる費用を判断する材料として、土地の地盤状況を確認できるサイトを利用することもおすすめです。

地目の入力などはいらず、住所入力のみで結果が出ますので作業も簡単です。

的確な地盤の強さを調べるには地盤調査が最も正確ですが、参考としてこのようなサイトを利用するのもひとつの方法です。

地目が畑の土地の地盤改良は見積もりを!身近な意見も取り入れて

家を建てる際には、自分に合った施工会社に依頼することが大切です。

特に、地目が畑の土地に家を建てようと考えている方は、地盤改良が必要になることを見込んで、その費用についても確認しておくことが望ましいでしょう。

それには、施工会社から地盤改良の見積もりを取ることが重要です。

その際、1、2社だけでなく、より多くの会社からも見積もりを取るようにしてください。

その中で、見積もりの費用が著しく高い施工会社があれば、費用を引き上げるために余分な作業を行おうとしている可能性が見えます。

反対に、見積もり費用は低いものの、簡単な作業のみで地盤改良を終えてしまうような施工会社では信頼性に欠けます。

より多くの施工会社から地盤改良の見積もりを取ることで、このような様々な点を考慮して判断できるでしょう。

また、知り合いに地目が畑の土地を地盤改良して家を建てた経験のある方などがいる場合、意見を仰ぐのもおすすめです。

地盤改良の際の資料が保管してあれば、それを確認させてもらうのも良いでしょう。

地目が畑の場合は土地の総費用算出で購入を判断しよう

地目が畑の土地は、のどかな雰囲気に囲まれていることも多く、土地を探している方にとっても印象が良いため人気のようです。

また、土地自体の価格も宅地などに比べると安い傾向にあることも、その人気に拍車をかけていると言えます。

しかし、地目が畑の土地に地盤改良が必要と判断された場合には、その費用にも注意しなければなりません。

施工会社から地盤改良の見積もりを取って、土地の購入費用と併せて算出してみるのも良いでしょう。