地目が山林の土地に住宅を建築!?それ以外の活用法も必見!

土地は、活用法によって様々な価値を生み出すと言われています。

土地にはそれぞれ地目があるため、それに合わせて活用することが望ましいでしょう。

地目の中には山林も挙げられますが、その土地を住宅の建築に活用する場合にはいくつかの注意が必要です。

今回は、地目が山林の土地に住宅を建築する場合の注意点に加え、それ以外の活用法についてもご説明していきます。

住宅建築には地目も重要

土地を所有している方の場合、そこに住宅を建築することがあります。

たとえばその方の子供が結婚し、新居の建築を検討している場合などは、所有している土地が大いに役立つでしょう。

住宅を建築するためには土地の存在が不可欠ですが、それをすでに親が所有し譲り受けることができれば、子供はその購入費用を抑えることができます。

それだけでなく、抑えた土地購入費用を住宅の建築費用にまわすことができるというメリットもあります。

とは言え、住宅の建築に重要なのはただ土地を所有しているという事実だけではありません。

その土地がどのような地目であるかによって、状況は大きく左右されることになります。

たとえば地目がもともと宅地の場合、そこに住宅を建築するためにかかる諸費用などが少ない傾向があります。

宅地は住宅を建てるための土地なので、地盤の強度などを見ても、住宅の建築に適していることでしょう。

しかし、地目は宅地だけなく他にも多くの種類があります。

その中でも地目が山林の土地に住宅の建築を検討している場合、注意が必要な点がいくつかあります。

災害と隣り合わせ?地目が山林の土地に建築された住宅

地目が山林の土地は、もちろん山が多いので、台風などにより大量の雨が降った場合、土砂崩れなどをが心配です。

そこに建築されていた住宅が埋もれてしまうような痛ましいニュースも、時折見かけることがあるでしょう。

また、山林に降った雨が小雨などであっても、大きな災害を発生させたケースがあることも事実です。

地目が山林の土地すべてがそれに当てはまるとは言えませんが、土砂災害警戒区域や急傾斜地崩壊危険区域に指定されていることも珍しくありません。

これらの指定区域に当てはまるか否かに限らず、地目が山林の土地に住宅を建築することを検討している方は、そこが災害と隣り合わせであることを理解しておく必要があります。

地目が山林の土地に住宅を建築するには多くの法制限を満たす必要がある

地目が山林の土地に住宅を建築する場合、いくつもの法の制限を満たすことが求められます。

まず挙げられるのが山林法ですが、住宅の建築における工事面積によっては林地開発行為における許可を得る必要があります。

また、地目が山林の土地は都市開発が規制された地域として位置づけられていることも多く、都市計画法によりさまざまな制限がかかります。

そして、建物を建てるには当然建築基準法による制限もあります。

たとえば建築基準法では、「道路」に接した土地でなければ建物が建てられませんが、地目が山林の土地は隣接した道路が無い場合もあり、新しくそれを造らなければならないことがあります。

その場合、都市計画法で定められた開発許可を得ることが必須です。

また、この場合の「道路」は「建築基準法上の道路」である必要があります。

これら以外にも、多くの法制限が山林には定められています。

地目が山林の土地は土木工事費用に注意

親が土地を所有していれば、それを譲り受けるなどして土地購入費用は抑えられるでしょう。

しかし、その土地の地目が山林の場合、購入費用は抑えられるにしても、工事費用が多くかかることが予想されます。

地目が山林の土地の場合、そこの地盤が軟らかく、強度が足りないなどの理由から住宅を建築するための地盤改良工事を行うことが多いです。

土の材質はもちろん、降水量が多い山林では、この地盤改良工事は一般的と言えます。

中でも、地目が山林の土地でよく行われる地盤改良工事として挙げられるのが切土や盛り土です。

これらは、傾斜が著しい土地に対して行われます。

切土が傾斜のある部分を削り取って地盤を低くする工事に対し、盛土は傾斜のある部分をなだらかにするために土を盛って地盤を高くする工事です。

そのため、もともとある地盤を利用する切土に対して、盛土は新しく持ってきた土と元の地盤との間が滑りやすいなどのリスクがあります。

また、地目が山林の土地に住宅を建築する場合、これらに加え擁壁の設置が求められることもあります。

それにも多くの費用がかかかることが予想されるため、地目が山林の土地に住宅を建築することを検討している方は、これらの費用についても把握しておくことが大切です。

地目が山林の土地は宝の山?林産物販売による活用法

ここまでは、地目が山林の土地に住宅を建築する際の注意点についてご説明してきました。

それらを見ると、地目が山林の土地を所有している方は、「必ずしもそれを住宅の建築に活用する必要は無いのでは?」という考えもできます。

そこで、ここからは地目が山林の土地を住宅の建築以外に活用する方法についてご説明していきます。

まず挙げられるのが、地目が山林ならではの林産物の販売です。

山林といえば多くの木が生い茂っていることが一般的ですが、それを商品として販売するのです。

林業を経営してその木を木材として売る方法もありますが、高く売れる一方、素人にとっては至難の業です。

そのため、もし山林の木を商品として売るのであれば、薪や炭などに加工してから売るのがおすすめです。

これらはアウトドアなどに欠かせないアイテムのため、消費者にとっても需要があります。

また、地目が山林の土地ならでは林産物としては山菜やきのこなどもあります。

それだけでなく、季節によっては栗などを収穫できることもあり、地目が山林の土地は林産物の幅が思っているよりも広いと言えます。

地目が山林の土地は広さにも価値がある

山林が地目の土地は比較的面積が広いことが多く、それを有効に活用することもおすすめです。

たとえば、昨今注目されている太陽光発電の設置場所として活用するのも良い方法でしょう。

太陽光発電には高い初期費用が懸念材料として挙げられますが、補助金などが国から支給される制度も定められています。

太陽光発電は管理の手軽さも特徴のため、その土地が遠方にある方などでも、長い時間をかけて様子を見に行く必要もあまり無いでしょう。

それに加え、自然の太陽光をエネルギーとして利用する太陽光発電であれば、当然その調達費用もかかりません。

また、中には「地目が山林の土地を自分の手で活用することが難しい」と感じる方もいるでしょう。

そのような場合、山林が地目の土地を民間の企業などに貸すことも良い方法です。

地目が山林の場合、固定資産税が安いなどの理由からその購入を求める企業も多いです。

実際、地目が山林の土地に大手企業の工場などが建築されていることも多く、場合によって活用価値が高いことに気づかされます。

住宅の建築だけじゃない!地目が山林の土地は幅広い活用法が魅力

山林ならではの自然に囲まれた生活を求めて、住宅や別荘などを建築する方も多いです。

しかし、地目が山林の土地に住宅を建築するには様々な注意点があるため、それぞれを把握することも大切です。

また、住宅の建築以外に活用することで、地目が山林の土地の価値を改めて実感することもあります。

どの活用法が自分に合っているのか、よく考えてから決めるようにしましょう。

せっかく所有している土地であれば、自分にとってより有効なものに活用したいですよね。