木造住宅で生活をしていて床から「ギシっギシっ」ときしむことはありませんか。
一度気づくと、気になってしまう床のきしみですが、一体なぜそのようになってしまうのでしょうか。
また、床がきしみ始めたらできる対策などはあるのでしょうか。
床がきしむ原因と対策についてご紹介していきます。
木造住宅の床はなぜきしみが?
昼間でも床がきしむと気になるものですが、夜間に床を歩くたびに床のきしみを気にしなければならないのは、不愉快なことでしょう。
床のきしみは古い木造住宅で起こりそうなイメージがあるかもしれませんが、新築の木造住宅でも起こりえます。
その原因としては大きく2つがあげられます。
・構造
・木材や施工の問題
それぞれ詳しくみていきましょう。
まずは、構造が問題になっている場合です。
木造住宅の床には、「根太」や「大引き」などと呼ばれるものを使って作られています。
根太は、床下に設置されているもので、床板を支える役割があります。
大引きは根太の下に配置されているもので、その両端は「床束」「束石」と呼ばれるもの土台によって止められています。
根太は横木で、大引きは縦木になります。
これらの木材の強度が十分でない場合、床板がしっかりと支えられていないことになりますので、床のきしみの原因になるのです。
また、大引きを固定している「床束」「束石」の数が足りていない場合も、床がきしむ原因となります。
十分な強度がなく、しっかりと床板を支えられていない状態で人が生活を始めると、床板を水平に保つことができなくなり、結果として床が傾いてしまうのです。
木造住宅の木材や施工が原因?床のきしみのわけ
木造住宅の床のきしみの原因に、床の構造が原因として考えられることをお伝えしましたが、住宅の木材や施工が問題であることも考えられます。
原因としてあげられることは以下の通りです。
①根太と床材を接着剤で貼り付けた時に、上手く接着ができていない。
②経年劣化によって、床下に使われている木材が痩せてしまい、支えられなくなっている。
③フローリング材同士やフローリングの接合部が、膨張・収縮のために床がきしむ。
④床材の下地が乾燥してしまい、隙間ができてしまう。
⑤大引きと床束の間が浮いてしまう。
⑥床材に使われているクギが根太などの木材に擦れている。
しかし、これがすべてというわけではありません。
湿気のたまりやすい水周りで床がきしむ時には、白アリが原因として考えられることもあります。
新築木造住宅の床がきしむ!きしみの原因は?
ここまで、木造住宅の床のきしみの原因についてご説明してきました。
先述の通り、床のきしみは何も築年数が多い住宅だけに限ったことではなく、木造住宅であれば新築の住宅でも十分に考えられることです。
新築の住宅で、床のきしみの原因として考えられるのは、施工に関してでしょう。
新築では、木材の劣化などは原因として考えにくいです。
一般的に住宅の床にフローリングを採用している場合、フローリングと根太を接着剤を用いて接着しています。
この作業はもちろん、人の手よって行われますので、若干の隙間ができてしまうことがあります。
この隙間が床のきしみの原因になってしまうこともあります。
隙間はわずか1mmでも床のきしみを引き起こすのです。
とはいっても、多少のきしみであれば、湿度が原因であることも考えられるため、大きな問題はないでしょう。
また、住宅に使われている木材がまだ新しいことから、十分に木材が乾燥しきっていないことも原因として考えられます。
新築の住宅できしむ場合には、少し様子を見てみてもいいかもしれません。
床のきしみに普段からできる対策とは?
普段の生活から木造住宅の床のきしみを防止することができる対策があります。
この対策は日常的にでき、住宅自体をきれいに長持ちさせることにもつながります。
定期的に行うことは換気と湿度のコントロールです。
部屋の中の湿度というのは、1年を通して変化します。
そのため、窓を開けたり、除湿器を使って部屋を乾燥させたり、加湿器などで湿度を上げたりといったことが大切になります。
これらによって、部屋の湿度を一定に保つのです。
ただし、「湿度も上がるだろうから、床を水拭きしよう」という考えはやめましょう。
これは住宅を腐食させる原因にもなってしまうかもしれません。
とはいえ、水拭きを行ったら水気が残らないようにしっかりと拭き取れば問題ありません。
水気が残っていると、床にその水分が吸い込まれ、腐食してしまう原因になるのです。
また、定期的にワックスがけを行うこともきしみ対策になります。
1か月に1度くらいが理想です。
床のきしみを自分で修理するにはどうしたらいい?
木造住宅の床がのきしみが気になるために、自分で修理を行うことを考える方もいらっしゃることでしょう。
このような場合には、どのような方法で修理を行えばいいのでしょうか。
修理方法は大きく2つあります。
①補修剤を使う
床のきしみは、使っているフローリングやその接合部が膨張・収縮をすることが原因となっていることもあります。
そのため、フローリング材の下に置く土台となる木材が変形してしまうことによってできる隙間や、変形したために浮いてしまったクギを補修剤で直していくのです。
このような補修専用の補修剤は市販されています。
市販されている補修剤の一般的な使い方としては、フローリング材に流し込むという方法です。
②隠しクギ
一般的なクギよりも細い「隠しクギ」というものを使って補修を行います。
これは、クギにクッション材が付けられており、クギを打ったらこのクッション材とクギの頭の部分を飛ばすことができる物になります。
ホームセンターなどでも購入することが可能で、100円ショップでも販売されています。
隠しクギをきしみが気になっている部分を押さえてから打っていくことで、補修することができます。
ただし、これらの作業自体は、DIYが得意な人であれば簡単に行うことのできる作業ですが、きしむ場所を素人が特定するのはなかなか難しいかもしれません。
木造住宅の床のきしみがひどい!そんな時には業者に依頼を
木造住宅の床のきしみは自分で補修することが可能ですが、中には原因がわからないことや、自分で補修することが困難なこともあるでしょう。
このような場合には、専門の業者に依頼してしまうのも一つの手段です。
また、新築の住宅の場合には、住宅の保証期間を確認してみてください。
期間内であれば、保証で直すことができる可能性があります。
このような、床のきしみの補修を行ってくれる業者はリフォーム会社になります。
リフォーム会社は以前よりも数は少なくなってきているものの、それでも多くの会社が存在しています。
業者を選ぶ基準としては以下のことがあげられます。
・会社の詳細がホームページなどに記載がある
・建設業許可一般建設業許可がある
・施工業績がある
・見積もりが無料
・希望している補修を行ってくれるか
・自宅のある地域に該当している
床のきしみをきっちり直すためにも、業者選びは慎重に行うことをおすすめします。
床のきしみが気になったら
床のきしみは古い木造住宅に限らず、新築でも起こりうることです。
素人目では、その原因が分からないことの方が多いですが、それを理由に放置していて「実は原因が白アリだった」などということがあれば、床が抜けるなど、とても困ることになります。
多少のきしみであれば、部屋の環境が原因であることが考えられますが、あまりにひどいきしみであれば、業者に補修を依頼することをおすすめします。