賃料の値上げに応じる必要はある?納得した上で更新しよう

数年暮らしたアパートやマンションの更新時期に、賃料値上げの連絡がくることがあります。

毎月支払いが必要な賃料の値上がりは、家計に多少なりとも打撃があります。

そのため、納得しないまま更新したくはないでしょう。

この記事では、賃料の値上げに関する疑問を解決していきます。

賃料が値上げされる理由

アパートやマンションの更新時期になると、賃料値上げの連絡が入ることがあります。

契約時に双方で合意した賃料から、なぜ値上げされてしまうことになるのでしょうか。

その理由は、大きく分けて三つあります。

●地価の上昇

地価は、さまざまな理由で大きく変動する場合があります。

地価が上昇すると、貸主側が支払っている固定資産税が増税されることになります。

そのため、貸主側が賃料の値上げに踏み切るということになります。

●経済情勢の変化

経済情勢の変化により、物価が上昇することがあります。

それに合わせる形で、賃料も値上げする場合があります。

●近隣の類似物件と比較して賃料が安い

築年数が経過し、物件周辺に多くの類似物件が建設され、それらの物件の賃料と比較してかなり家賃が安いという場合は、値上げすることがあります。

これら三つの理由に該当するのであれば、法律的に賃料の値上げは認められることになっています。

しかし、周辺相場よりかなり開きがあるような金額であればその限りではありません。

また、これら三つ以外が値上げの理由であれば、借家借地法に定められている「賃料値上げの条件」を満たしていないことになりますので、値上げは認められないということになります。

それでは、このような賃料の値上げのタイミングはどうして更新時期に多いのでしょうか。

次項で見てまいりましょう。

賃料の値上げが更新時期に多い理由とは?

一般的に、アパートやマンションの賃料が値上げされるタイミングは更新時期が多いです。

例えば、ある日急に賃料の値上げを勧告されたと想像してみてはどうでしょう。

どのような方でも、納得がいかず、言われるがまま支払いしたくはないと考えるのではないでしょうか。

そのため、賃貸物件は2年ごとに更新することが多いですから、このタイミングを機に賃料値上げの連絡をする貸主が多いのです。

賃貸物件の更新は区切りがいいですから、貸主側からしても申し出しやすいのだと思います。

しかし、場合によっては更新時期ではなくても賃料が値上げされることもあります。

それは、前項で述べたような状況になったときなどです。

例えば、近隣に駅や大きな商業施設などができた場合、地価が上昇することがあります。

そのタイミングが更新直後というような場合であれば、次回の更新時期を待たずに値上げされる可能性も否定できません。

賃料値上げには必ず応じなくてはならないの?

もしも、アパートやマンションの更新時期などに貸主側から賃料を値上げしますという連絡がきたら、必ず応じなくてはならないのでしょうか?

物件を借りている側からすると、「家賃を値上げすると言われたら拒否できないでは…」と思うかもしれません。

しかし、賃料が値上がりすることについては、貸主・借主双方の合意がなければ行うことはできないとされているのです。

つまり、貸主側の一存で賃料の値上げはできないということになります。

ただし、頑なに値上げを拒否することは避けた方が無難です。

貸主側としては、何かの理由があって値上げ交渉に踏み切っているのです。

ですから、最初から拒否するのではなく、まずは値上げの理由について聞いてみるようにすることをおすすめします。

このとき、賃料値上げの必要性がわかる資料を貸主の方から見せてもらうとさらにいいでしょう。

話し合いの場を持って、貸主側の事情も察しつつ平和的に解決していきたいものです。

話し合いがうまくいかないときの家賃の支払いはどうしたらいい?

場合によっては、賃料値上げの話し合いがスムーズにいかないこともあるでしょう。

その間、家賃の支払いはどうしたらいいかと疑問に思う方もいらっしゃるかと思います。

「このまま更新していきたいものの、値上げには到底賛成できないから話し合いの決着がつくまで支払いはしない」とお考えになる方も、中にはいらっしゃるかもしれません。

しかし、家賃の支払いをきちんと行わないと、契約解除されてしまう可能性もあります。

あくまでも物件を借りていますから、これまでのままの金額の家賃の支払いは滞りなく行うようにします。

借家借地法では、家賃の支払い等、さまざまな決まりごとがあります。

この借家借地法でも、貸主・借主お互いが納得して賃料が決まるまでは、借主はこれまでの金額を支払い続ける義務があると定められているのです。

賃料値上げに仕方なく応じる場合更新料の減額はできる?

交渉次第では、賃料値上げに仕方なく応じることもあるでしょう。

毎月の固定費の増額は、家計には多少なりとも打撃があります。

そのため、住居にかかる費用は少しでも抑えておきたいというのが、多くの方の心情ではないでしょうか。

この場合、アパートやマンションの更新時に支払う更新料を減額してはもらえないか交渉してみるのも一つの方法です。

ただし、更新料については当初締結している賃貸借契約書にその内容について記載があることが多く、その時点では合意に至ってますので、減額してもらえるかどうかは交渉してみないとわかりません。

また、賃貸借契約書に更新料について記載がない場合は別ですが、しっかりと記載がある場合は貸主側が更新料の減額に応じないケースも多いそうです。

しかしながら、賃料値上げに応じる代わりに、更新料を値下げしてほしいという交渉も行ってみる価値はあるかもしれません。

賃料値上げのタイミングが更新時期であれば引っ越しも一つの手!

先述しましたように、貸主側から賃料の値上げ連絡がきましたら、頑なに拒否はせず、できるだけ話し合いの場を持って交渉を進めていきたいものです。

しかし、そのタイミングがもしもアパートやマンションの更新時期であれば、思い切って引っ越してしまうのも手です。

もちろん、交渉の末、新賃料に納得できるということであればそれはそれで何も問題はありません。

しかしながら、話し合いがお互いの希望通りに進まないということもあるかと思います。

更新時には更新料がかかる物件も多く、その金額も賃料の1~2か月分であることが多いです。

さらに、賃料も上がるということであれば、結構な出費にもなります。

ですから、話し合いがお互いの希望通りに進まなさそうであれば、引っ越してしまうのも一つの手段として捉えておくといいかもしれません。

ただし、引っ越しの際は新居になる物件では敷金や礼金、初月の前家賃の支払いが必要になることでしょう。

また、引っ越し業者へ支払う費用も必要です。

特に、2月~4月の繁忙期には引っ越し料金が高額になりがちですから、これらの点を念頭に置いておくようにしましょう。

納得したうえで賃料の値上げに応じよう

賃料値上げは、貸主側の立場からすると致し方ない理由であることがあります。

ですから、貸主側から賃料値上げの連絡があった場合には、その理由をしっかりと聞き、納得したうえで値上げに応じることをおすすめします。

また、賃料値上げのタイミングがもしも更新時期であれば、引っ越すというのも一つの手です。

兎にも角にも、賃料の値上げの連絡があった場合には、最初から拒否することなく、これまでの賃料と同額分を支払いつつ交渉するようにしましょう。