キッチンやお風呂場、トイレなど、湿気や臭いが発生しやすい空間には換気扇が不可欠です。
しかし、長い間換気扇を使っていると、異音が聞こえるようになることもあるでしょう。
また、その異音の種類によって、隠れている原因には違いがあります。
では、どのような異音にどのような原因が隠れているのか、詳しくご説明していきましょう。
トイレの換気扇に不具合を感じる場合
トイレは、住宅の各スペースの中でも狭いことが多いです。
狭い空間は空気が滞りやすいため、換気扇を使って効率よく空気の循環を行うことが大切です。
しかし、普段と同じようにトイレの換気扇を使おうとした際、不具合を感じることもあるようです。
それには、どのようなものが挙げられるのでしょうか。
・空気の循環が行われていないように感じる
トイレに入った際、換気扇を使っているにも関わらず臭いを感じる場合や、水周り特有の湿っぽさを感じる場合には、換気扇が空気を循環する役割を果たしていない可能性があります。
また、トイレで使っている芳香剤の臭いを著しく強く感じるなども、空気の循環が行われていない可能性を示しています。
・換気扇の振動が気になる
換気扇は、通常であれば目に余るほど振動することはありません。
カタカタと異音が聞こえるほどの振動が見られる場合には、換気扇に何らかの不具合がある可能性があります。
・異音が聞こえる
換気扇の動作音以外の、明らかに異音と感じる音が聞こえることもあります。
またその異音は、原因によって音に違いがあります。
では、換気扇のどのような原因により、どのような異音が聞こえるのでしょうか。
トイレの換気扇の異音は何が原因?①ファンなどの汚れ
前項でご紹介した、トイレで感じる換気扇の不具合の中でも、注目したいのが異音です。
トイレはリラックスする空間でもあるため、異音がしては気になってしまい落ち着いていられませんよね。
また、述べた通り異音の種類により換気扇の不具合の原因が異なるため、原因ごとの異音の種類をご紹介しましょう。
まず、換気扇から「ゴー」という異音が聞こえることがあります。
そのような異音が聞こえる場合、換気扇の羽根に汚れが溜まっている可能性があります。
トイレは水周りのため、湿気が発生しやすい空間です。
ホコリなどの汚れがその湿気を吸収すると、重量のある汚れに変化します。
羽根にその汚れが溜まると、その分の重力がのしかかり、回転を阻害するのです。
すると、そのうち重量により回転のバランスを失い、結果として「ゴー」という異音を発するようになるのです。
トイレの換気扇の異音は何が原因?②オイルが足りない
トイレの換気扇から、「キュキュキュ」という異音が聞こえることもあります。
何か滑りが悪いような、擦れたようなその異音は、羽根の軸の部分に塗られたオイルが足りなくなっていることが原因で聞こえます。
このオイルは、羽根をスムーズに回転させるために重要な役割を担っています。
オイルがなければ、接続部分とこすれてしまい、回転は阻害されます。
トイレはもちろん、換気扇は高い位置に取り付けられていることが多く、意識することが少ないことから、オイルが足りているかなどの確認はしないことがほとんどでしょう。
それは致し方ないとしても、このような異音が聞こえる場合には、オイルを塗って回転をスムーズにする必要があります。
トイレの換気扇の異音は何が原因?③軸の劣化や汚れ
トイレの換気扇でもう一つ気になる異音が、「カラカラ」と聞こえる音です。
この異音は、換気扇のモーターに何らかの不具合が起こっている場合に聞こえます。
モーターには、それを支える軸がありますが、年月の経過とともに劣化は避けられません。
軸が歪んでいたりすると、モーターとの間に隙間ができ、しっかりとモーターを支えられなくなります。
このような状態で換気扇を使用すると、モーターと軸がぶつかるようになり、「カラカラ」という異音が聞こえるようになるのです。
また、軸に汚れが溜まることもこのような異音を発する原因になります。
溜まった汚れは年月を経ると、次第に固まるようになります。
固まった汚れが軸の邪魔をして、本来あるべき場所から軸がすれてしまうことがあるのです。
そのため、軸の掃除をすることが大切になりますが、それにはモーターを分解しなければなりません。
換気扇はそれ以外にも細かい部品により構成されているため、分解することは労力を要します。
そのような、細かい作業をするのが得意な方であればまだしも、多くの方は難しく感じるでしょう。
また、もし分解して軸を掃除できたとしても、使うためには元の状態に換気扇をもどさなければなりません。
その際、しっかりと部品の接続ができていないと、故障の原因となる心配もあります。
そのため、軸の掃除は業者に依頼することをおすすめします。
自分でトイレの換気扇の異音を対処①ファンやプロペラの掃除
ここまでご紹介してきた異音の中には、自分で対処できるものもあります。
最初にご説明した、「ゴー」という汚れが溜まっていることによる異音も自分で対処できます。
以下の手順で掃除を行って対処しましょう。
【用意するもの】
・掃除機
・ウェットティッシュ
・住宅用中性洗剤
・使い古した歯ブラシ
・ゴム手袋
・マスク
・メガネ
・大きな紙やビニール袋
・ドライバー
【換気扇のファンやプロペラの掃除方法】
①換気扇のカバーを掃除する
マスクとゴム手袋を装着したら、換気扇のカバーに付着したほこりなどを掃除機で取り除きましょう。
これを行うだけでも、トイレの空気の循環が良くなることがあります。
換気扇が天井などに取り付けられている場合には、椅子などがあると楽に手が届き便利です。
②カバーの裏表を掃除する
カバーを取り外したら、新聞紙などの大きな紙や、ゴミ袋などのビニール袋を敷いてその上に置きます。
トイレの換気扇の多くは、ネジなどで固定されておらず、指先に力を入れて端を引っ張れば簡単に取り外すことができます。
カバーの裏表をウェットティッシュでおおまかに拭き取りましょう。
細かい部分は、使い古した歯ブラシを使って掃除します。
子供用の歯ブラシであれば、ヘッドも小さいためより細かい部分の掃除に適しているでしょう。
③換気扇の内部を掃除する
住宅用中性洗剤を使い、換気扇の内部を掃除します。
洗剤が顔などに飛び散ることを防ぐため、メガネやゴーグルなどを装着するようにしてください。
使い古した歯ブラシに適量を取り、掃除しましょう。
④羽根を掃除する
ドライバーを使ってネジを取り外し、羽根を取り出します。
後は、換気扇の内部と同様の要領で掃除しましょう。
自分でトイレの異音を対処!②オイルを軸に塗る
軸のオイルが足りないことによる「キュキュキュ」という異音には、オイルを塗ることにより対処できます。
換気扇とはいえ、オイルと聞くと専門的に感じて、手を出しにくいと思うかもしれません。
しかし、換気扇のオイルは、ホームセンターなどでも売られています。
ただ、ホームセンターは多くの商品を取り扱っているため、素人が換気扇のオイルをすぐに見つけることは難しいでしょう。
そのため、店員さんに換気扇の不具合の症状を伝え、オイルを探してもらうのも良いですね。
また、オイルを塗る際にはゴム手袋やマスクを装着してください。
ゴム手袋は手が汚れるのを防ぎ、また臭いに敏感な方はマスクを装着すると安心です。
オイルを塗る量は、したたるほど多く塗らないことがポイントです。
また、オイルが足りなくなることを考えると多めに塗りたくもなりますが、多く塗ったところで回転する際に余分なものは飛び散ってしまうため意味はありません。
トイレが汚れる原因にもなるため、余分なオイルは最後に軸に馴染ませるように拭きとりましょう。
トイレの換気扇は異音に合わせて対処を!定期的な掃除も大切
トイレの換気扇の不具合は、異音の種類により原因を特定できることがあることがわかりました。
異音をよく確認し、必要な対処をすることが大切です。
また、軸の歪みなどの劣化は年月の経過とともに致し方ないとも言えますが、汚れを付着させないようにすることは日常でもできます。
定期的に掃除機で換気扇に付着したほこりなどを取り除くだけでも、その違いは大きいでしょう。
床などのホコリを掃除機で取り除くついでに、トイレの換気扇のホコリも取り除く習慣がつけられると良いですね。