木造の三階建ての耐震性は低い?耐震性を左右する要素とは

「木造住宅は火事や地震に弱そう」というイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

特に三階建てともなると、「耐震性が低いのでは…」と不安を感じることがあるかもしれません。

火災保険の保険料を調べると、大きさや環境など条件が同じ場合、木造は鉄筋コンクリートや鉄骨と比べて2倍近くの保険料がかかるようです。

しかし、木造住宅ならではのメリットもあります。

実は、木造三階建ては二階建てよりも安心して住めるとも考えられます。

一体どういうことなのかご説明していきましょう。

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木造住宅のメリット!

最初に、木造住宅の利点についてご紹介させてください。

木造住宅は、木の温かみを感じられる、日本の気候に合った構造です。

木材特有の香り、質感は人をリラックスさせてくれます。

調湿効果もありますから、湿気によるカビや結露を防ぎ、快適に暮らすことができるでしょう。

間取りの自由度が高く、リフォームしやすいというのもメリットのひとつです。

基礎部分と柱、梁が頑丈であれば、壁や窓のリフォーム・リノベーションの融通が利くので、デザインや間取りを変身させて楽しむことができます。

コストのかからない木造住宅や、自然素材の質にこだわったものなど、建築会社ごとにさまざまな商品をアピールしていて、幅広い選択肢の中から選ぶことができます。

気になるのが耐火性、耐震性ですが、木造三階建てであっても耐震性が高い住宅にすることは可能です。

コストがかかり工期が伸びることは考えられますが、木造という構造だけで耐震性が著しく低いと決まったわけではありません。

「軽い」という構造上の特徴を考えれば、他の構造と比べて一番揺れにくいとも言えるのです。

木造三階建ては耐震性が低い?構造計算で厳しくチェックされる

「木造三階建ては二階建てよりも安心して住めると考えられる」と書いた根拠ですが、実は「構造計算」が関係しています。

木造住宅の二階建ては、壁量計算で耐震性が決まります。

一方、三階建てになると構造計算が必要になります。

構造計算は、鉄筋コンクリート造りや鉄骨造りの住宅を建てる際に行われる耐震性計算ですが、木造三階建てでも義務付けられています。

構造計算によって寸法など細かい点に制約が発生するため、現在は耐震性の低い木造三階建ての住宅が建つというのは考えにくいことなのです。

燃えやすいということは認めざるを得ませんが、防火サイディングや防火戸などを取り入れた木造住宅もあります。

木材は、完全に燃え尽きるまでには時間がかかりますので、火の勢いや気付くタイミングによっては消火できる可能性もありますし、避難する時間を稼げるとも考えられます。

鉄筋コンクリート造りや鉄骨構造でも、火がつけばもちろん燃えますので、木造住宅だけが火災に弱いということはありません。

木造三階建てでも安心の耐震性!耐震性を左右する要素

住宅において、耐震性を左右する要素はどこにあるのでしょうか。

木造三階建ての住宅の場合には、構造計算によって確かめられるとご説明しましたが、耐震性を見極めるためにはたくさんのポイントがあります。

まずは「地盤」です。

どんなに頑丈な住宅を建てようとしても、そもそも地盤が弱い状態であれば耐震性は期待できません。

過去の大地震のデータを確認しても、建物が倒壊しやすい地域の地盤の弱さが指摘されています。

地盤が弱ければ、「べた基礎」や表層の改良などが対策として行われ、その分の費用もかかります。

べた基礎とは、鉄筋コンクリート造りで採用される工法のひとつです。

鉄筋コンクリート造りの基礎を一階の底板すべてに作る工法で、一階の壁下だけ鉄筋コンクリート造りにする「布基礎」工法よりも耐震性が高くなります。

次に、建物の「重さ」です。

軽いと揺れにくいことは上記で申し上げましたが、同じ木造住宅でも軽量なサイディングをうまく使って、より軽い木造住宅にすることができます。

屋根の材質も、日本瓦ではなく軽量瓦、スレートなどが採用されています。

耐震性の高い木造住宅とは?壁や金物、直下率に注目

木造住宅の場合、「壁」も重要な要素です。

耐震性についての意識が高まっている現在、木造住宅に採用されるのは耐震壁(耐力壁)と呼ばれるものです。

地震で倒壊しにくくなる強度の高い壁を、全体のバランスを考えて配置することによって、三階建ての木造住宅でも強く建てることができます。

また、「金物」でも耐震性は変わってきます。

木材同士をつなぐ部分を補強したり、基礎と骨組みをつなぐ役目がある金物がしっかりと機能することが大切です。

耐震壁や金物の配置、バランスを計算しつくされた日本の木造住宅は、世界に誇る技術だと言えるでしょう。

その他にも、耐震性を左右するポイントとしては「直下率」が挙げられます。

二階の壁の真下に一回の壁がある割合を「直下率」で表します。

上から下までしっかりと壁がつながっていれば、二階や三階の重みを下で受け止めやすくなりますから、より倒壊しにくい住宅であると判断できます。

直下率については基準が定められていないため、開放感を重要視して、一階の壁を少なくする間取りで建築されることも多いようです。

家を建てた後で耐震診断を行い、壁を増やすことを検討する方も多いのです。

耐震等級とは?地震対策には建物の管理・メンテナンスが大切

建物の耐震性を判断するために、耐震等級に注目してみましょう。

耐震等級には等級1、等級2、等級3があり、数字が大きくなるほど耐震性が高いことを示しています。

等級1は建築基準法の規定に従った耐震性の高さで、等級2はその1,25倍、そして等級3は1,5倍になります。

等級1は壁量計算で確認しますが、等級2や等級3として認められるためには、壁量のバランスなど細かい部分をクリアすることが必要です。

すべての構造が耐震等級で比較できるわけではありません。

耐震等級3の木造住宅よりも、等級2の鉄筋コンクリート造りのほうが強い場合も多いでしょう。

耐震等級というのは、「より地震に強い」ということを証明できる目安であり、一種の保険のようなものであると考えられます。

木造住宅の資産価値を高める要素だと言ってもいいでしょう。

建物の耐震性は昔よりも格段に向上したのは間違いありませんが、それでも「絶対に倒れない」という保障はありません。

2016年の熊本地震では、建築基準法を守って建てられた住宅も倒壊したことが明らかになっています。

地震大国日本では、地震対策はこれからも大きな課題であり続けることでしょう。

地盤を整備して強い建物を建てることとあわせて、建築後の耐震チェックや、メンテナンスも大切です。

木造三階建てにお住まいなら害虫対策も忘れずに行い、台風などで傷んだ部分の補修は徹底的に行うこと、そして定期的に専門家に状態を確認してもらうなど、日頃の心がけが重要になります。

木造三階建て住宅を建てるのは大変!?

最後に、木造三階建てならではの制限について触れておきます。

木造三階建ての住宅は構造計算書の提出が義務付けられているのはご説明した通りですが、その他にも注意すべき点があります。

建築確認申請の際に必要になる図面も、木造二階建てと比べて多く、いくつもの確認事項をクリアしないといけません。

構造計算ともかかわる部分ですが、高さについては厳しくチェックされます。

高さ10mをこえる住宅は、日影規制(近隣の日照を妨げないようにするための規制)の対象となります。

電波障害なども考慮すべき問題のひとつです。

三階には非常用進入口を設けなくてはいけません。

これは掃き出し窓で代用されることもありますが、避難するという目的から、雨戸の設置を許可しない行政もあります。

また、「階段は一階から二階まで連続させて、避難しやすい間取りにする」、「容積率がオーバーしないようにする」など、三階建ての制限については、数多くの事柄が挙げられます。

木造三階建て住宅を建てようと検討している方は、検査機関や市役所、建築設計事務所などで専門家に事前に相談することをおすすめします。

耐震性についても、そうした場所でチェックして保障されれば安心ですね。

木造三階建ての建築を安心して任せられる建築会社を選ぶ

木造三階建ての住宅は、木造二階建ての建物より厳しい基準をクリアする必要があります。

防災意識の高まりによって現在は、耐震壁や非常用進入口を取り入れたり地盤のチェックをするなど、いかに地震に強い建物か、ということが大きな価値になっています。

木造住宅は品質にばらつきがあることが、よく指摘されています。

慎重に建築会社などを選び、建築後もメンテナンスをお願いできるような信頼関係を築くことができれば、耐震性を長く維持することができるのではないでしょうか。