地目が田の土地を駐車場として使いたい!何か手続きは必要?

土地には一つ一つ地目が決められています。

家などが建っている土地であれば地目は「宅地」、用水を利用して耕作する農耕地の場合は「田」となるでしょう。

しかし中には、地目が田の土地を駐車場として使いたいという方もいます。

それは実際に可能なのでしょうか?

可能な場合、何か手続きは必要なのでしょうか?

この記事で解説していきます。

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地目が「田」の土地はどんな土地?

土地には一つ一つ地目が定められていて、土地の登記簿にそれは記載されています。

では、この地目とはどのようなものなのでしょうか。

地目は、土地をその利用状況によって区分したものを指します。

冒頭でもお伝えしたように、家などの建物が建っている土地であれば「宅地」、農地として利用している土地には「田」または「畑」と、登記簿に記載されています。

この記事では、「田」の土地を駐車場として利用したい場合についてお話をしますので、この章では「田」の土地についてお話をしていきましょう。

法律上における田は、「農耕地で用水を利用して耕作する土地」とされています(不動産登記事務取扱手続準則第68条1号)。

田で栽培される作物の種類には制限がなく、以下のような土地は田に当てはまります。

・稲を栽培する水田

・わさびやはす、じゅんさいなどの用水を利用して栽培する土地

・水田内に設けられた畦畔(けいはん)

・用水の調節管理を行う施設

基本的にはこれらに当てはまる土地は田となるわけですが、中には田の土地を駐車場として利用したいと考える方もいるのです。

これが可能なのかについては次項でお伝えします。

地目が田の土地を駐車場として使うことはできるの?

地目が田の土地を、今後は駐車場として使用したいと考える方に向けて、この章ではこれが可能なのかどうかをお伝えしていきます。

先に答えを申し上げてしまえば、田を駐車場として使うことはできます。

しかし、「使おう!」と思ったらすぐ使えるわけではなく、いくつかの手続きをふまなくてはなりません。

地目が田の土地を駐車場として使うための手続きは、以下のとおりです。

①農業委員会に農地転用の許可をもらいます(市街化区域に位置する場合は原則、届出で大丈夫です)

②現況が田の場合、水利組合に脱退届を提出します

③全ての準備が整い次第、造成工事に着手します

④地目変更を行います

⑤駐車場として利用を開始します

これらについては、次項からくわしくお話ししていきます。

地目が田の土地を駐車場として使うための手続き①許可・届け出

それではこの章から、地目が田の土地を駐車場として使うまでの流れをみていきましょう。

①農業委員会に農地転用の許可をもらいます

もし、市街化区域内に土地がある場合は、農業委員会に農地転用の届けを出します。

反対に、市街化区域外にある土地の場合は、農業委員会に農地転用の許可を申請することになります。

地域によっては、この手続きに時間がかかることもありますので、ご注意ください。

②現況が田の場合、水利組合に脱退届を提出します

田として土地を利用している場合は、水利組合に脱退届(用水などの利用を停止する届け出)を出さなくてはなりません。

このとき、水利権者とトラブルになることもあり、最悪の場合、原状回復を求められることもありますので、しっかりとした対応をとるようにしましょう。

ここまでの手続きがないと、駐車場にするための工事に着手することはできませんから、必ず行っておくようにしてください。

地目が田の土地を駐車場として使うための手続き②造成工事

引き続き、地目が田の土地を駐車場として使うまでの流れをみていきます。

③準備が整い次第、造成工事に着手します

前の章でお話をした①と②の手続きが終わりましたら、田の土地の造成工事をはじめます。

先ほどもお伝えしましたが、これらの手続きをしておかないと工事に着手することができませんから、必ず行っておいてくださいね。

工事をする理由としては、田の土地のままでは駐車場として使うことができません。

そのため、駐車場として使えるように土地を整備するのです。

期間は工事の施工によっても変わりますから、お願いする施工業者に確認してみてください。

駐車場としての土地が完成したあとで、地目の変更手続きを行います。

このとき注意しなければならないのが、「土地完成後、1ヶ月以内に地目を変更する」ということです。

ルールですから、必ず1ヶ月以内に地目変更の手続きを行いましょう。

次項では、田の土地を駐車場として使うために、地目変更の手続きについてお話をします。

地目が田の土地を駐車場として使うための手続き③地目変更

駐車場の造成工事が完成したら、④に移ります。

④地目変更を行います

駐車場として使うため、土地の地目を田から変更する手続きを行います。

地目変更のためには、「変更予定の地目」と「変更時点の地目」が合致していなければなりません。

ちなみに、20種類以上ある地目の中には「駐車場」という地目はありません。

駐車場の地目は、原則「雑種地」です。

そのため、駐車場が完成し、雑種地としての準備が整い次第、地目変更を行うのです。

地目変更のための必要な書類は、「地目変更の登記申請書」「土地の案内図」の2つで、管轄の法務局に提出します。

あとは非農地証明を受ければ地目変更の手続きは完了します。

書類を提出してから地目変更の登記完了までの期間は、だいたい1~2週間程度です。

しかし、書類に不備があった場合は補正などをしなくてはならなく、さらに時間がかかってしまう場合もあります。

スムーズに地目変更の登記ができるよう、書類の作成は十分に注意して行いましょう。

田から雑種地へ地目が変更されれば、はれて駐車場として利用することが可能です。

地目変更の手続きをしなかったらどうなる?

ここまで、地目が田の土地を駐車場として使うまでの流れをお話ししてきました。

文字だけで見るとすぐにできそうな印象を持つかもしれませんが、実際に自分で行うととても大変です。

そのため、司法書士の方にお願いする方も多いです。

また、中には「面倒だし、地目変更の手続きをしなくてもいいか」と、地目変更せずに勝手に駐車場として利用しはじめる方もいます。

さらに、「固定資産税が高くなるから田のままにしておこう」という方もいます。

固定資産税は、土地の地目によって税額が変わり、宅地や雑種地などの地目は高く、田や畑などの土地は安い税額となっているのです。

このように、「農業委員会から農地転用の許可をもらっていない」および「雑種地への地目変更の登記を行っていない」状態で、田の土地を駐車場として利用すると、それは違法となってしまいます。

ばれないだろうと高をくくる方もいますが、固定資産税の調査員や農業委員会の調査員、さらには近隣の農家からの報告などで、すぐにばれてしまいます。

その場合は、固定資産税の脱税行為に当たりますので、厳罰に処されることになるかもしれません。

そうなりたくない方は、必ず雑種地への地目変更の登記が完了してから、駐車場として利用しはじめてください。

田の土地を駐車場使うためには地目変更が大切!

所有する地目が「田」の土地を駐車場にするには、いくつかの手続きを踏む必要があります。

造成工事もしなければなりませんから、「駐車場として使いたい」と思っても、すぐには使うことができません。

地目変更の登記が完了していないのに、駐車場として利用してしまえば、厳罰に処される可能性もあります。

そうならないためには、必ず地目が雑種地になってから利用するようにしましょう。