これから新築を予定している方は、駐車場にどれくらいのスペースを確保していますか。
都内であればそれほど車を必要としないので、建ぺい率に沿って土地いっぱいに家を建てて、駐車場を作らないこともあるでしょう。
しかし地方ともなれば、車も車を置くスペースも必須です。
新築では家にばかり目が向きがちですが、きちんと駐車スペースを考えて確保しないと、使いづらくて狭い駐車場となってしまうことがあります。
今回は新築の駐車場について、詳しくお話ししていきましょう。
新築の駐車場に必要なスペースはどのくらいか知ろう
新築する際に、車を所持している方は駐車場のスペースを作ると思います。
車を1台所持している家庭であれば、車1台分が停められる駐車スペースを作ろうと考えるでしょう。
しかし新築の場合、駐車場を1台分のみ作るのは少数派で、最低でも2台以上駐車できるスペースを確保している家庭がとても多いです。
地方であれば、3~4台分の駐車スペースを確保することも珍しくありません。
その理由は、来客が車で訪ねてくるケースを考慮していることが理由としてあげられます。
自宅に駐車スペースがなければ、わざわざ近くの有料駐車場を探して駐車しなければなりません。
そうなると時間とお金がかかってしまい、来客にも申し訳ない気持ちになるでしょう。
また他の理由としては、事故などで車椅子での生活になった場合、2台分の駐車スペースがあれば、乗り降りの際に狭いと感じることも少ないためです。
他にも、自宅の庭で洗車する場合、車1台に対して2台分のスペースがあれば、余裕を持って洗車することができます。
以上のことから、新築で駐車場を作る場合、所持している車の数以上の、余分に駐車できるスペースを確保する必要があると言えるでしょう。
新築の駐車場は2種類から選べる?
新築で駐車場を作る場合、住宅のすぐそばの空いた土地のスペースに作ろうと考える方は多いでしょう。
しかし、一戸建て住宅の駐車場は、基本的に2種類のタイプから選べるようになっています。
「平置き式」と「掘り込み式」となりますが、以下でそれぞれの特徴をご紹介していきましょう。
●平置き式
平置き式は一般的によく見かけるタイプで、庭となる部分を駐車場とするものです。
地面をコンクリートにして、まわりに砂利を敷き詰めたり、カーポートなどを設置して駐車スペースを作る方法です。
予算によって、広くしたり、狭いスペースの駐車場に変えることができます。
●掘り込み式
掘り込み式は主にひな壇の土地によく見られるタイプです。
土地の土台の部分に横穴を掘り、床・壁・天井をコンクリートで固め、車庫のような形にした駐車場です。
天気の影響を受けにくいため、車が痛みにくいという利点があります。
ひな壇の土地に向いた駐車場のため、どのような土地にでも作れるわけではないことを覚えておきましょう。
新築の駐車場!車の停め方は3種類ある?
前項でお話ししたように、新築の駐車場では平置き式タイプを採用する方を多く見かけます。
平置き式の駐車場を採用する際、車の止め方は3パターンから選ぶことができます。
どのような停め方になるのか、以下で詳しく見ていきましょう。
●直角駐車
最も駐車しやすく、また多く見かけるのが直角駐車です。
前面道路に対して直角に車を止める方法になり、横にスペースを広げれば、駐車場を簡単に大きくすることが可能です。
車通りが激しい前面道路の場合は、駐車の際に注意が必要となります。
●並列駐車
並列駐車は、道路に対して平行になるように駐車する方法です。
狭い土地の場合に採用されることが多く、ぎりぎりのスペースで駐車場を確保することが多いのも、並列駐車によく見受けられます。
●縦列駐車
車を縦列して止める方法で、駐車場の間口が狭く、横並びにするのが難しい場合に採用されます。
後ろの車が出る際に、前の車を動かす必要があるため、望んでこの停め方を選ぶ方は少ないです。
しかし、縦列駐車にすることで家の自由度がかなり高くなるため、土地をうまく活用したい方にはおすすめとなります。
狭いと不便!車1台に必要な広さとは?
新築した後で、駐車場が狭い・使いづらいと感じる方は多くいらっしゃいます。
そうならないためにも、駐車場を作る前に、車1台に対する必要な駐車スペースの広さをきちんと把握しておく必要があります。
自分が所持している車種の、最大のサイズに合わせて設計をすると間違いないでしょう。
以下で、財団法人駐車場整備推進機構が公表している、一戸建てに必要な駐車場の広さの基準をご紹介します。
・小型自動車……奥行5.0m×幅2.6m以上
・軽自動車……奥行4.0m×幅2.2m以上
・普通、大型車……奥行5.9m×幅2.9m以上
・車椅子同乗……奥行6.0m×幅3.5m以上
オープン外構の一戸建て住宅であれば、この数値で駐車場を作って問題ないでしょう。
しかし、フェンスやブロック塀などの配置、または前面道路の環境次第では、基準値通りの駐車場にしても、停めづらかったり、発車しづらいことも考えられます。
内輪差、ドアの開くスペースまできちんと考えないと、使いづらく狭い駐車場となってしまうため、注意が必要です。
新築で狭い駐車場を避ける!普通車と軽自動車のサイズを詳しく知ろう
新築で狭い・使いづらい駐車場を避けるため、ここでは一般的によく乗られている普通車と軽自動車のサイズについて詳しく見ていきましょう。
普通車や軽自動車は、同じくくりの中でも、車によってサイズがだいぶ違いますよね。
財団法人駐車場整備推進機構の基準として、それぞれ3つのサイズに分けてご紹介します。
●普通車
最小:奥行5.0m×幅2.5m
普通:奥行5.5m×幅3.0m
余裕:奥行6.0m×幅3.5m
上記のサイズであれば、ストレスを感じることなく停めることができるでしょう。
よく見かける全長4.3mほどのミニバンなどは、オープン外構であれば最小サイズでも大丈夫でしょう。
また、大き目のワンボックスカーでも、奥行きは5m以下が多いため、普通サイズの大きさでも問題ないと考えられます。
●軽自動車
最小:奥行4.0m×幅2.2m
普通:奥行4.2m×幅2.5m
余裕:奥行4.5m×幅3.0m
軽自動車は小回りが利くため、コンパクトな駐車スペースで対応できます。
前面道路の幅が4m以下の場合でも、入庫に問題はないでしょう。
狭い駐車場では停められない?今後購入する車を予想しておくことが大事
新築の際は、現在所持している車に合わせて駐車場を作ることが多いでしょう。
しかし、車はいつか新しい車種に乗り換える時がきます。
その際に、今よりも大きなタイプの車であれば、駐車の時に狭いと感じてしまうことが予想できます。
例えば、軽自動車の駐車スペースにワンボックスカーを停めるのは現実的ではありませんよね。
そういった事態を防ぐために、新築の際は駐車場の大きさを、将来購入する予定の車に合わせて作っておく必要があるのです。
ただ、詳しい車種まで決めておく必要はありません。
どのくらいの大きさの車かだけを、ぼんやりと決めておくだけでも、狭いと感じない駐車場にするためには重要なことなのです。
このように、新築で駐車場を作る場合は、さまざまなことに配慮して設計するようにしましょう。
新築の駐車場を使いやすくするためにできること
新築した後に実際に駐車場を使ってみて、狭い・使いづらいと感じる方は多くいらっしゃいます。
使いやすい駐車場にするには、前面道路の環境と、塀やフェンスの設置状況を最初にきちんと見極める必要があります。
さらに、現在乗っている車種とこれから購入しそうな車種も念頭に置き、設計をすることが重要です。
使いやすい駐車場を目指して、実際に使う状況を予想して作りましょう。