賃貸では、同居人と住んでいる方や、現在1人暮らしであってもこれから同居人が増えるという方も多いものです。
また、賃貸での生活に何らかの変化があった場合、同居人に名義変更をすることもあるでしょう。
賃貸の名義変更には、新しい名義人となる同居人に求められる能力などもあるため、それについても気になるところです。
今回は、賃貸の名義変更をする際の注意点などにも焦点を当ててご説明していきます。
同居人が増えるなど生活の変化がきっかけ!賃貸の名義変更
賃貸では、冒頭で述べた通り生活に何らかの変化があった場合などに名義変更をすることがあります。
また、賃貸で名義変更をする理由には以下のようなものが挙げられます。
・結婚
例えば賃貸で1人暮らしをしていた女性が結婚した場合など、そこへ夫が同居人として住むことがあります。
このような場合、それぞれの収入バランスなどを考慮した結果、その賃貸に元から住んでいた女性から、夫へ名義変更をすることが多いです。
・離婚
婚姻関係にある夫婦2人が賃貸に住んでいる場合、離婚となることもあるでしょう。
賃貸の名義人が夫である場合、その方がそこに住み続けるのであれば名義変更をする必要はありません。
しかし、名義人である夫が離婚を機に別の住まいに引っ越し、妻のみがその賃貸で住み続ける場合、賃貸の名義人を妻とするための名義変更が求められます。
・死別
夫婦2人の別れは、何も離婚だけではありません。
賃貸の名義人である夫が亡くなった場合、残された妻は自分が名義人になるために名義変更をすることが必要です。
賃貸の名義変更に求められる同居人の能力
名義変更をすると言っても、それに関連する事柄にも注意しなければなりません。
まず、名義人と言えば賃貸契約時に様々な点を考慮して決められるものですよね。
名義人として思い浮かべる方と言えば、男性であったり、年長者であるという印象もあります。
しかし、実際に名義人となる方に求められるものは、性別や年齢ではありません。
その賃貸で家賃などを滞納せず支払うことのできる方、つまり支払い能力の高い方が適しているとされています。
例えば、妻と成人している子供1人と共に、家族3人暮らしの男性が賃貸に住んでおり、その方が名義人であったとします。
その男性が亡くなった場合、前項で述べた通り同居人である妻に名義変更をしようと考えるでしょう。
しかし、その妻がパートで働いているなど、収入の不安定さを指摘された場合、名義変更が認められない事態も考えられます。
そのような場合、成人している子供の方が妻よりも収入に安定性があると判断されれば、妻ではなく子供へ名義変更をすることが求められるのです。
離婚により賃貸同居人へ名義変更!連帯保証人との関係に注意
賃貸で同居人に名義変更をする際には、契約時に定めた連帯保証人から承諾を得ることも重要となります。
例えば、賃貸で夫婦2人暮らしをしていた方が離婚した場合、夫が他の住まいに引っ越し、妻がそこに住み続けようと考えることがあります。
この際、夫が賃貸の名義人であり、また連帯保証人がその親であった場合、妻に名義変更をすることが難しくなるでしょう。
夫の親からしたら、子供の離婚相手のために賃貸の連帯保証人であり続ける必要はないと考えるのは当然です。
また、連帯保証人は借主による家賃の滞納などにも対応せねばならず、他人となった人物のためにそのような重い責任を負い続けるのは避けたいのが心情です。
そのため、離婚した妻への賃貸の名義変更の場合には、妻は新しく連帯保証人となってくれる人物を探さなければならないでしょう。
賃貸の名義人が同じでも名義変更が必須?結婚は苗字変更に注意
賃貸で名義変更が必要となるケースには様々なものがありますが、もしそれを怠った場合にはどのような問題が起こるのでしょうか。
また、賃貸で名義変更をする理由には様々なものがありますが、ここではその中の「結婚」に焦点を当ててご説明していきましょう。
賃貸で1人暮らしの女性が結婚した場合、夫がそれを機に同居人として住み、その方へ名義変更をする場合があります。
しかし、収入のバランスなどを考慮した結果、女性名義のままで夫に名義変更をしないと判断する場合もあります。
このような場合、女性は結婚により苗字が変わる可能性があるという点に注意してください。
結婚により苗字が変わると、銀行などの通帳やカードなどの氏名も変更しなければなりませんよね。
それらを変更したにもかかわらず、賃貸の名義変更をしないでいると、名義人名と銀行などの引き落とし先の氏名が一致せず、場合により家賃の引き落としが行えない事態も考えられます。
それに気づかずにいると、いつの間にか家賃を滞納している状態になるかもしれません。
名義人自体は変更せずとも、名義変更が求められる場合があることを覚えておくようにしてください。
賃貸の名義変更をせずに引っ越し!元同居人の家賃滞納の余波が?
賃貸で名義変更をしないことにより起こる問題は、前項の結婚によるものだけではありません。
例えば、賃貸で2人暮らしをしていた夫婦が離婚となった場合、夫が名義人であるにも関わらず名義変更をせずに引っ越しをしたとします。
そして、賃貸に住み続けることとなった妻がもし家賃を滞納した場合、その責任は妻ではなく名義人である夫が負うことになります。
つまり、夫はその賃貸に住んでいないにもかかわらず、名義変更をしなかったがために、元同居人のためにこのような責任を負う形となってしまうのです。
家賃の滞納金額によっては、夫がそれを支払うことが難しくなることあるかもしれません。
また、家賃の滞納は名義人だけでなく連帯保証人にもその支払いが求められます。
そのため、夫の親などが連帯保証人にあたる場合には、そちらにも影響があります。
賃貸に住む夫婦が離婚となった際には、名義変更が必要かどうかをよく確認しておくことが重要です。
その確認を怠り、勢いで引っ越しをするなどの行為は、自分だけでなく連帯保証人にも影響を及ぼす可能性があることを念頭に置いておくようにしてください。
名義変更の概念が無い賃貸!?同居人が住む場合は初期費用発生も
ここまで、賃貸に同居人と住んでいる場合の名義変更についてご説明しきました。
1人暮らしの場合でも、結婚により同居人が増えるなど、名義変更が必要になる場合もあることは述べたまでです。
しかし、このような理由により1人暮らしの方が名義変更をしようと思っても、賃貸の種類によってはそれができない場合もあるのです。
その種類とは、単身用の賃貸物件です。
単身用の賃貸物件では、そもそも入居者を1人とすることが原則として定められています。
つまり、入居者が変わること自体が想定されておらず、名義変更を行うことが概念として無い種類の賃貸物件なのです。
そのため、もし単身用の賃貸物件に同居人を住まわせたい場合には、新しく賃貸契約を結びなおす必要も出てきます。
再契約では、敷金などの初期費用も改めて求められる可能性があるため、注意してください。
賃貸の名義変更によって責任も変わる!
賃貸で名義変更をする場合には、様々な点に注意が必要であることが分かりました。
新しく賃貸の名義人となる方は負う責任も多くなるため、その点を理解しておくことも大切です。
また、名義人に何か問題が起こった場合、その責任を連帯保証人に代わりに負わせてしまう可能性があります。
名義人となる方は、自分の行動次第で様々な方の生活に影響を与え得ることを念頭に置いておくようにしてください。