新たに家を建てて「素敵な庭を作ろう!」と思う方もいらっしゃることでしょう。
こんな時、庭に法面があると、雨などで庭の土が流れてしまいます。
このようになってしまうと、「きれい」とは言い難い状態になりかねません。
そのため、法面の保護をしなければなりません。
そこで、保護をするために植栽をしてみてはいかがでしょうか。
法面を植栽で保護するDIYについてご紹介していきます。
素敵な植栽をDIYしたい!法面とは?
法面とは建築用語で、住宅などの建物を建てる際に土を盛り(あるいは切り出し)、人工的に斜面になったもののことをいいます。
また、自然の斜面についても「法面」ということもあります。
この法面ですが、晴れていたりと天気のいい日には、そのままの状態でも問題はありません。
しかし、雨に見舞われると、土が流され、住宅の建つ土地の地盤がゆるくなってしまう恐れがあります。
そのため、コンクリートなどで保護する必要があります。
そんな法面ですが、住宅の庭に合わせておしゃれなものにしたいという方もいます。
ナチュラルな雰囲気の庭にしたいのにも関わらず、コンクリートで法面を保護するのでは、味気ないですよね。
そこで、植栽での保護という手があります。
また、植栽での法面保護は、DIYでも可能です。
法面の植栽DIYに向いている植物の特徴とは?
法面を植栽でDIYする上で必ず行うのが「植物選び」です。
では、法面の植栽に使われる植物には、どのようなものがあり、それぞれどのような特徴を持っているのでしょうか。
・常緑性の植物
一年を通して葉を緑色に保つ植物のことをいます。
この植物を法面に植えると、見た目が芝生のようになるのが特徴です。
ちなみに、芝生は寒い季節になってくると葉が茶色くなってしまうため、ここには属しません。
・多年草(花)
毎年枯れては新しい花を咲かせる植物です。
ある時期に一斉に花を咲かせるので、その時期になると法面にきれいな花を咲かせます。
・ハーブ
ハーブと一口に言ってもその種類は様々あり、常緑性のものや多年草に属するものがあります。
また、ハーブはご存知のように料理やリラクゼーションのアイテムとして使うことができます。
・耐陰性のある植物
これは、日陰でも元気に育つ植物になります。
住宅の法面ともなれば、住宅の影に入ってしまう部分がでてきます。
そのような場所におすすめの植物です。
花を咲かせる!法面の植栽のDIYにおすすめな植物
ここからは、法面を植栽でDIYするときにおすすめな植物についてご紹介していきます。
まずは、花を咲かせる植物からです。
【サギゴケ】
常緑性の多年草です。
周囲に広がるようにして成長する性質があります。
長さは約10~15cmほどに成長し、3~5月の間に白・桃色・紫の花を咲かせます。
日当りのいい場所で時々水をあげて育てましょう。
【ヒメイワダレソウ】
暑さや寒さに強い常緑性の多年草です。
周囲に広がるようにして成長をします。
長さは5~15cmで根が長く約40~60cmにもなります。
踏まれても問題なく成長しますので、法面のほかにも、玄関周りのような、よく人の通る場所に植えてみてもいいでしょう。
雑草よりも成長するスピードが早いため、雑草対策にもなります。
【タイリンウツボグサ】
根元部分は這うようにして成長しますが、立つようにして成長し花の部分は3~5cmまでになります。
花は、5~7月に松ぼっくりのようなぷっくりとした形のものを咲かせます。
蒸れに弱いため、湿気の多くなる梅雨には注意が必要になります。
【ツルニチニチソウ】
繁殖力が強い多年草です。
ニチニチソウとよく似た花を咲かせますが、違う分類にされています。
春から夏の初めにかけて青や白の花が咲きます。
ツルが伸びますので、定期的な手入れが必要になります。
【アジュガ】
4~6月に青い花を咲かせるアジュガは、日陰でも元気に成長する植物です。
比較的、暑さや寒さには強いのですが、蒸れに弱いため、花が散ったら茎葉の半分ほどの長さに剪定しましょう。
緑の法面にDIY!植栽におすすめ植物
続いては法面を緑にDIYするための植栽のおすすめしたい植物についてご紹介していきます。
【クラピア】
法面の保護などに多く使われることの多い多年草のクラピアは、暑さ寒さに強く、踏まれての問題なく育つという法面のDIYにとても向いている植物です。
日当りの悪い場所でも元気に育ち、7~10月には小さな薄ピンクの花を咲かせます。
成長スピードは芝生よりも早く、法面を早い段階で緑に多いことができます。
また、長さも芝生より短いため定期的に刈る必要もありません。
法面のほかにも、ドッグランなどでも使われることがあります。
【ブラッククローバー・クローバー】
クローバーは、4~5月に花を咲かせる多年草です。
春を代表するこの植物は日当りのいい乾燥した場所を好みます。
踏まれても問題なく成長するので法面や庭先にも向いているでしょう。
夏になると一旦枯れてはしまいますが、根を残しておくとまた春には芽吹きます。
【リュウノヒゲ】
どのような場所でも元気に成長する常緑性の多年草です。
濃い緑色のリュウノヒゲは、葉の長さがあまり長くはならず、リュウノヒゲの種類の中でもヒメリュウというものは長さは10cmほどにしかなりません。
クラピアと同様に、芝生の代わりとして使われることが多くあります。
【リシマキア】
梅雨の湿気にも強い多年草で、縦に成長するものと横に成長するものと種類があります。
法面に植栽で使う場合には、どのようなものがいいか、よく吟味してください。
DIYするときにおすすめなのは、横に成長するものです。
ハーブを法面に!植栽できるおすすめなものとは
先ほどもお伝えしたように、実用性がありいい香りのするハーブは法面の植栽におすすめです。
【タイム】
料理や薬として使われることもあるタイムも法面のDIYに向いています。
日当りのいい、乾燥した場所を好みます。
ハーブの中でも、比較的育てやすいもので、長く育てているうちに、量が増えてきます。
【プラティア・プベルラ】
「スターラベンダー」とも呼ばれるプラティア・プベルラは、5~6月に紫や白の花を咲かせる多年草です。
少し湿った場所を好み、夏のような暑い時期を苦手とします。
【アップルミント】
その名の通り、爽やかなリンゴを思わせる香りのするミントです。
繁殖力が強く、他の植物を枯らしてしまうこともあります。
そのため、植える場所には注意が必要となります。
5~9月に白やピンクの花を咲かせます。
【ペニーロイヤルミント】
ントは強い繁殖力を持ちますが、このペニーロイヤルミントは、比較的繁殖力が穏やかです。
放射線状に広がるように成長をし、踏むとミント特有の爽やかな香りを放ちます。
人気の「クラピア」を法面の植栽に!
クラピアは、葉はあまり伸びないものの、根は約1mの深さにわたって張ります。
そのため、法面の植栽にはもってこいです。
また、先ほどは「刈りこむ必要はない」とお伝えしましたが、全くしないのではなく、年に1~2回ほど刈りこむことをおすすめします。
と言うのも、全く刈こみをしなくても成長はしますが、刈りこむことでより密度を高くして成長するので、見栄えがよくなるのです。
さらに、雑草の種が土まで届かなくなるので、雑草対策にもなります。
そんなクラピアを使って法面のDIYをするためには、1つ注意しておきたいことがあります。
それは、「成長を管理すること」です。
クラピアは成長スピードが大変速いので、法面以外の場所にまで成長してしまうことがあります。
そのため、クラピアが成長しすぎてしまわないように、畦シートなどを使って他の敷地にまでいかないように管理しましょう。
法面を植栽でDIYする際には植物選びが大切
法面のDIYには「植栽」という方法もあります。
庭が緑豊かになるのは素敵なことですよね。
そんな素敵な法面にするためにも、万が一、踏んでしまっても問題ないものを選ぶことが大切になります。
大人だけなら、法面を歩くことは少ないかもしれませんが、小さな子供やペットがいる場合には、踏んでしまうことが十分に考えられます。
丈夫な植物でDIYをして素敵な法面を作ってください。