法面の階段は自分で作れる?DIYで簡単な作り方をご紹介!

みなさまのご自宅には法面(のりめん)はありますか?

法面とは斜面のことで、多くの場合、土地の中でも使い道があまりない部分で、使い道に悩んでいる方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、法面に階段を設置し、ご自宅のエクステリアをオシャレにアレンジできる作り方をご紹介いたいと思います。

実はその作り方は意外に簡単なのです!

この機会にご自宅の外観をオシャレにアレンジしてみましょう!

法面への階段の作り方は意外に簡単!オシャレにアレンジして有効活用!

法面(のりめん)とは土地の斜面のことです。

本来は人工的に作った斜面のことをいう言葉でしたが、現在では、自然の傾斜もそう呼ばれています。

法面と一言で言っても、庭と道路の境目に存在している小さい法面から、裏庭の一部として見下ろせるように作られた大きな土手のような法面など、その面積はさまざまです。

さて、その法面の使い道はどのような方法があるのでしょうか。

草刈りをして綺麗にしているだけのシンプルな法面から、花などを植えた植物園のようなこだわりのある法面も見かけます。

いずれにせよ、法面は斜面である以上、その使い道に悩んでしまう場合が多いともいえるでしょう。

忘れてはいけないのが、土地の広さの一部になるので、しっかりと税金の対象になります。

今回、そんな法面の有効活用のためにやる作業は、階段の設置です。

階段を設置することで、法面を人が自由に行き来ができるようになり、無駄なく有効に活用できます。

オシャレにアレンジする簡単な作り方を考えてみましょう。

知っておくとなにかと便利!まずは階段用語をマスターしよう!

さて、具体的な階段づくりに入る前に、階段に関する基本的な専門用語をいくつかご紹介します。

法面への階段の作り方には、不要な言葉も含まれますが、知っておくと損は無い言葉なので、この機会に覚えておくと良いでしょう。

○踏み面(ふみづら)

「踏み面」とは、階段を上がり下りするときに足を置く部分の奥行きのことです。

踏み面に使われる板を、「踏み板」又は「段板」と呼びます。

建築基準法で定義されている踏み面の寸法は、奥行き15cm以上です。

ただし、小・中学生を対象とする場合は、26cm以上と定義されています。

いずれにせよ、安全に配慮しなければならない大切な部分です。

住宅では、踏み面が大きければ大きいほど、のぼりやすく安全になる反面、階段全体の長さが長くなり、多くの面積が必要となります。

○蹴上げ(けあげ)

「蹴上げ」とは、階段一段の高さです。

建築基準法では23cm以下と定義されています。

高ければ高いほどのぼりづらくなり、踏み面同様、設計には安全面への配慮が必要です。

住宅では、蹴上げの寸法が小さければ小さいほど、階段全体の長さが長くなります。

○蹴込み板(けこみいた)

下の棚板と上の棚板の間に垂直に入っている板を「蹴込み板」といいます。

非常階段などのスチール製の階段には有りません。

また、デザイン的にあえて蹴込み板を無くした階段も存在します。

○段鼻(だんはな)

段板の一番先端の飛び出している部分を「段鼻」と呼びます。

○蹴込み(けこみ)

段鼻の先端から垂直に真下に下りた部分から、蹴込み板までの寸法をいいます。

つまり、蹴込み板が垂直の場合は、段鼻から下の段の蹴込み板までの寸法です。

何事も準備が大事!まずは工具と材料を用意して法面の階段作りに備えよう!

法面の階段はさまざまな作り方と種類があります。

今回は簡単に取りかかれるシンプルな方法をご紹介しましょう。

まず用意するものは以下の通りです。

○用意する道具

・木製の木槌

全長90cm程度の大きな木槌です。

杭を打ち込むのに使用します。

・つるはし、スコップ、鍬、など

土の掘削に使用します。

・木材を加工する道具類

ノコギリ、ナタ、斧など、必要に応じてご準備ください。

もちろん、すでに形が完成している場合は不要です。

○用意する材料

・板

蹴込み板として使用します。

今回は、板の幅がそのまま1段の高さ、つまり蹴上げとなりますので、上がり下りしやすいサイズにすると良いでしょう。

前項でも紹介した通り、建築基準法では23cm以下と定められています。

注意点として、法面はすでに角度が決まっているので、蹴上げを決めると同時に踏み面のサイズも決まります。

法面の角度に合わせた程よいサイズで準備しましょう。

・杭

蹴込み板を支えるための杭です。

1段につき2本使用します。

直径10cmくらい、長さは、蹴込み板の幅の倍以上を基本として考えてください。

先端が打ち付けられるように尖っているものを加工または購入します。

・防腐剤

余裕があれば、各木材にシロアリ対策の防腐剤を塗っておくと良いでしょう。

すでに防腐剤が処理済みの木材を購入するのもオススメです。

実践!法面への階段の具体的な作り方をご紹介!

それでは、具体的な作り方をご紹介しましょう。

①法面のどのあたりに作るか階段の位置を決める

まず、法面のどのあたりに階段を設置するかを決めましょう。

②法面の地面を90度に掘削する

階段の一番下の段から取り掛かります。

つるはしやスコップを利用して、地面を90度に掘削してください。

踏み面の建築基準法でのサイズは最低15cmですので、それを意識し上がり下りしやすい階段を作ります。

また、踏み面は出来るだけ水平に仕上げましょう。

③蹴込み板をはめ込む

蹴込み板を縦にはめ込みます。

多少、土中に埋め込む感じが良いので、木槌を使用して軽く打ち込んでください。

④杭を打ち込んで蹴込み板を固定する

続いて丸木を打ち込みます。

蹴込み板の左右の端に打ち込み、板を固定してください。

これで1段目が完成です。

その後は、②~④を繰り返して、最上段が完成したら終了です。

法面に階段を作る際の作り方の注意点

法面への階段の作り方の中で、いくつかの注意点をまとめます。

○踏み面、蹴上げは上がり下りしやすいサイズで

階段の踏み面を狭くしすぎたり、蹴上げが高くなりすぎたりすると、上がり下りがしづらく危険が伴います。

法面の角度はすでに決まっていますが、建築基準法の、踏み面15cm以上、蹴上げ23cm以下という寸法を意識したサイズに仕上がるように工夫しましょう。

○踏面は水平にしてよく固める

踏み面が斜めだったり凸凹があったり、雨でぬかるんだりすると、足場が悪くなり危険です。

出来るだけ水平に固めましょう。

○残り3~4段で1段ごとの高さを調整

手作りである以上、1段ごとの高さには多少のばらつきが出ます。

最後の1段だけ中途半端な高さになってしまうのはあまり良くありません。

残り3~4段くらいで各段の高さのバランスを意識し、うまく調整すると良いでしょう。

○工具の使用には十分に注意して安全に

特に、杭の先端を自分で尖らせる場合は、斧やナタなどを使用することになります。

使用には十分に注意をし、安全を心がけましょう。

○一段ごとに丁寧に作る

千里の道も一歩からです。

懇切丁寧に一段ずつ作成しましょう。

可能であればこだわりの階段を!オシャレにアレンジする作り方をご紹介!

さて、ここまでは基本的な作り方のみでしたが、少しこだわりのある階段にアレンジしてみましょう。

○踏み面に石・砂利をまく

法面の土がむき出しになっている踏み面に砂利を巻いてみるのも1つの方法です。

レンガを砕いた砂利などは色も映え、オシャレな仕上がりになります。

○蹴込み板をオシャレなアートボードにする

蹴込み板にイラストや文字を描いてアートな階段にしてみるのも良いでしょう。

がらりとオシャレな法面に変化します。

○広範囲にわたる階段にする

あえて広い範囲を使用した階段を作るのも1つの方法です。

たとえば、法面の向かって右下に、3段くらいの階段を作ります。

そして4段目は横幅3mくらいで左肩上がりの階段、というよりも通路を作ります。

作り方は同じで、複数枚又は長めの蹴込み板を設置し、杭を数カ所留める方法です。

そして、5段目からふたたび今まで通りの階段を作っていきます。

手間はかかりますが、やりがいはかなりありますので、ぜひチャレンジしてみてください。

法面に階段を造って楽しもう!

法面への階段作りで、シンプルな作り方を中心にご紹介しました。

一戸建てのマイホームは、手を加えれば加えるほど愛着が湧いてくるものです。

特にエクステリアのDIYはインテリアの場合と違い、土を削る、杭を打ち込むなどの文字通り「泥まみれ」の作業が中心となります。

肉体を使った作業で作り上げた法面の階段は、「愛着のある作品」としても楽しめるでしょう。