土地の名義を夫婦にすることのメリット・デメリットとは?

  • 2019年5月3日
  • 2019年5月31日
  • 土地

土地を購入すると、「所有者移転登記」を行います。

もしも、夫婦共同で土地を購入する場合は共有名義となりますが、そのメリット・デメリットにはどのようなことがあるのでしょうか。

この記事では、購入した土地を夫婦共有名義にすることについて掘り下げてまいります。

土地登記申請の単独名義・共有名義とは

土地や建物などを購入すると、その所有権を証明するために所有者移転登記を行います。

このとき、名義を単独にするのか共有名義にするのか、方法は二分されます。

単独名義の代表的な例としては、夫名義で住宅ローンを設定し土地を購入するようなケースです。

この場合、土地の名義は夫単独になります。

共有名義の例としては、一つの土地を夫婦それぞれお金を出して購入するようなケースです。

この場合は、それぞれの出資額に応じた比率で、土地の持ち分が登記されることになります。

例えば、1,000万円の土地を夫婦でちょうど半分ずつ、つまり500万円ずつ出資したとします。

この場合、土地の持ち分もそれぞれ1/2となり、夫婦共有名義ということになります。

次項からは、購入した土地を夫婦共有名義にするメリットとデメリットをそれぞれみてまいります。

また、夫婦共有名義にする場合の注意点や、どちらか一方が仕事を辞めて収入がなくなった場合はどうなるのかということにも言及していますのでご注目ください。

購入した土地を夫婦共有名義にするメリット

それでは、購入した土地を夫婦共有名義にすることのメリットからご説明してまいります。

●住宅ローン控除を夫婦で受けられる

購入した土地を夫婦共有名義にすると、住宅ローン控除を夫婦それぞれで受けることができます。

住宅ローン控除とは、ローンの年末残高に対して1%の額が10年間減税されるというものです。

夫婦それぞれの所得から引かれる所得税や住民税について住宅ローン控除を受けられるので、単独名義のケースより結果的に納税額が低くなります。

ただし、夫婦それぞれの収入に対して住宅ローン控除を適用するには、夫婦それぞれで住宅ローンを設定するか、どちらか一方が連帯債務者となって住宅ローンを設定しなくてはなりませんので注意が必要です。

●その他の税制上の優遇措置が適用される

土地が夫婦共有名義である場合、夫婦それぞれの所得から引かれる税金の優遇措置を受けられます。

●財産である土地の名義をはっきりさせておくことができる

夫婦それぞれがどれぐらい出資したかの割合で持ち分が決まるので、財産を明確に分けておくことができます。

●相続

もしも夫婦どちらかが亡くなってしまった場合、亡くなってしまった方の持ち分のみ相続税が課税されることのなります。

そのため、単独名義の場合より相続税の納付額を抑えることができます。

相続に関してはデメリットになることもありますので、次項でご説明いたします。

購入した土地を夫婦共有名義にするデメリット

反対に、購入した土地を夫婦共有名義にすることのデメリットはいったいどのようなことなのでしょうか。

●離婚

離婚することになってしまった場合、土地が夫婦共有名義であるとトラブルになりやすい面があります。

例えば、一方は土地を売却したいが、もう一方は売却に反対しているといったケースです。

共有名義のものは、あくまでも共有名義全員が納得したうえで売却の契約を行うことになります。

ですから、一方が反対している場合は土地を売却することはできません。

さらには、住宅ローンが残っている場合は、その負担額についてもトラブルになってしまうケースもあるようです。

●相続

夫婦どちらか一方が亡くなってしまった場合、その相続人が複数人存在しているとかなり複雑になります。

つまり、最初は夫婦共有名義の土地だったものの、相続人の人数分、その土地の名義人が増えるということです。

もしも将来的にその土地を売却しようとする場合、共有者全員が納得しないとやはりトラブルになる可能性が高くなります。

土地を夫婦共有名義にする場合の注意点

購入した土地を夫婦共有名義にする際は、注意していただきたい点があります。

それは、「土地の持ち分」についてです。

土地や建物などの不動産を共有名義にする場合、その持ち分について自分たちで決められるものではありません。

あくまでも、出した金額に応じて比率が決められるのです。

そのため、もしも夫が全額出資したにもかかわらず土地の名義を夫婦にしてしまうと、妻の持ち分に対して贈与があったとみなされる恐れもあるのです。

贈与があったとみなされると、贈与税を納めなくてはなりません。

ですから、土地を夫婦共有名義にする際は、出した金額に応じた比率で所有者移転登記を行うように注意しましょう。

同じく「贈与」に関連するのですが、次項では、夫婦どちらか一方の収入がなくなってしまった場合のケースについて解説してまいります。

夫婦どちらか一方の収入が途絶えたら土地の持ち分はどうなる?

購入した土地を夫婦共有名義にし、住宅ローンにはまだ残債があるのに、もしもどちらか一方が仕事を辞めるとどうなるのでしょうか。

例えば、妻が育児のために退職したとしましょう。

収入が途絶えたとしても、残りの住宅ローンを一括で返済してしまったり、貯蓄から毎月返済していくということであれば特段の問題はありません。

しかし、夫が妻のローン分を肩代わりして支払う場合は「贈与」とみなされてしまう可能性があるのです。

ちなみに、年間110万円まであれば贈与税はかかりません。

(贈与税には、年間110万円までの基礎控除があるためです。)

これらのことを考えると、いずれ夫婦どちらかが仕事を退職する可能性がある場合は、住宅ローン返済額を年間で110万円までに設定しておけば贈与税がかからないということになります。

夫婦共有名義を単独名義に変更する場合にかかる税金

もともと夫婦共有名義で購入した土地を、離婚などの理由で単独名義に変更するケースもあります。

この場合にかかってくる税金について解説いたします。

まず、前項でも触れている「贈与税」ですが、原則課税されないことになっています。

しかし、離婚自体が贈与税の納付を免れるために行なわれていたとしたら、その限りではありません。

また、「不動産取得税」も原則課税されないこととなっています。

不動産所得税に関しても贈与税と同様、離婚自体が贈与税や相続税の納付を免れるために行なわれていたとしたら課税されることもあります。

「譲渡所得税」と「登録免許税」に関しては納付が必要です。

当該土地の時価が購入時より値上がりしている場合、その差額分に対しては譲渡所得税の納付が必要になりますが、反対に値下がりしているような場合は納付は必要ありません。

登録免許税に関しては、登記上の名義を変更するためのものなので納付は必ず必要になります。

土地を夫婦共有名義にするにはメリットもあればデメリットもある!

購入した土地を夫婦共有名義にすると、メリットだけではなくデメリットもあります。

もしも、離婚ということになれば、その土地をどうするか意見が分かれることが多々あります。

そうなるとトラブルの元にもなりますので、万が一のことを考えて土地の名義をどうするのかよく考えることをおすすめします。