木造住宅の建築方法とは?建て方の順番をご紹介!

新たに木造の家を建てるという方は、家ができ上がるまでが楽しみですよね。

完成までが待ち遠しい木造住宅ですが、どのような建て方を経て完成するのでしょうか。

当記事では、木造住宅ができ上がるまでの工程を順番にご説明していきます。

木造住宅の建て方には種類がある?

木造住宅の建て方には、大きく分けて2種類あることをご存知でしょうか。

まず、住宅の建て方には木造・2×4(パネル工法)・鉄筋コンクリート造・鉄骨造と種類があります。

この中で一般的に「木造(木造軸組構法)」と呼ばれている建て方には「在来工法」「伝統工法」の2種類があります。

その違いは、以下の通りです。

【伝統工法】

ヨーロッパ建築の影響を受ける前の日本古来からの建築方法です。

釘などを使うことなく、木と木を組み合わせて建築します。

この建て方は、寺社仏閣で用いられることの多いもので、住宅にはほとんど使われません。

【在来工法】

木造住宅として一般的に使われる建て方で、伝統工法を発展させたものです。

壁に筋交いを入れながら柱や梁を組み立てていきます。

今回、建て方の順番をご紹介していくのも、こちらの建て方になります。

住宅の建て方「木造軸組構法」のメリット・デメリット

木造住宅の建て方に種類があることをご紹介しましたが、そのメリット・デメリットはどのようなことがあげられるのでしょうか。

順番にご説明していきます。

【メリット】

・建築費用が安価である

使う木材によって金額に差がありますが、木造住宅は鉄骨造などの住宅に比べ材料が安く手に入ります。

そのため、住宅の建築費が安く済むことが多いです。

・間取りや住宅のデザインを自由に決めやすい

木造住宅は、柱と梁を組み合わせて作っていきます。

そのため、作りがしっかりとしていれば、間取りやデザインを自由に決めることができます。

また、このことは増築・改築するときにも当てはまることで、これらの工事がしやすいのも木造住宅の良さです。

・通気性が良い

木材は特長として「湿度を調節する」という働きがあります。

そのため、部屋の湿度を適切に保つことができます。

【デメリット】

・耐久性が低い

木造住宅は鉄骨造などの住宅と比較すると、耐久性が低いです。

定期的にメンテナンスを行うことで、長く住むことが可能になります。

・火に弱い

材料が木材であることから、「火に弱い」ということは想像できることかもしれません。

しかし、材料になっている木材は、芯まで燃え尽きるまでに時間がかかります。

そのため、燃えやすい代わりに建物が燃えても倒壊するまでにはそれなりに時間がかかります。

また、火事などが起こった場合を想定し、外壁や軒天材などに防火対策をしたものを使うのも良いでしょう。

防火扉を使うことで、避難をするまでの時間稼ぎをすることが可能になります。

木造住宅の建て方の順番【1~1.5ヵ月目】

ここからは、木造住宅の建て方の順番についてご紹介していきます。

木造住宅が完成するまでには一般的に、4~6ヶ月ほどかかります。

まず、建て始めの1~1.5ヵ月目についてです。

この期間では、木造住宅を建てる場所の確認や地盤についての調査や改良、補強工事などを行います。

地盤がしっかりとしていることが確認できたら、「地縄張り」や「遣り方」という工程に移ります。

「地縄張り」は、縄や紐を使い設計図を確認しながら住宅を建てる場所を示していきます。

これができると、次は「遣り方」という作業に入ります。

これは、地縄張りした縄や紐から50cm~100cmほど外側に杭や板を張り巡らせます。

この「遣り方」は、基礎工事の基準になります。

一般的には、ここまでが済むと「地鎮祭」を行います。

「地鎮祭」とは、このように住宅などの建物を建てるときの工事の安全や住宅の繁栄を土地神様に祈る儀式になります。

地鎮祭後には、いよいよ木造住宅の基礎工事が始まります。

基礎工事では、地盤を掘り起こし砕いた石などを敷いて地盤を固めます。

地面から湿気が上がってこないように、防湿シートを使用することもあります。

ここまでできたら、「捨てコンクリート」と呼ばれるものを敷き詰め、「基礎線」という線を書いて、床下になる基礎部分鉄筋を組み立てます。

そして型枠を設置してコンクリートを打ち、固まったら型枠を外して基礎工事は完了となります。

木造住宅の建て方の順番【2~3ヵ月目】

基礎工事ができたら、木造住宅の材料になる木材を搬入します。

木造住宅で心配になる方も多い「シロアリ」の対策ですが、住宅の骨組みになる「土台敷き」という行程で、シロアリ対策が行われます。

その後、柱や梁といった住宅の構造材を組み立てます。

このころに行われるのが「上棟式」です。

「上棟式」は、工事が安全に進めることができるように、住宅に住む家族の幸せなどを願うものです。

近年では、行われることが少なくなりましたが、地鎮祭でもらったお札と一緒に棟木を上げてお祝いを行います。

上棟式が終わった後の住宅の主な建て方の順番は、以下の通りです。

【躯体工事】

この工事は、住宅の骨組みを作るものです。

住宅づくりの工程の中で、最も長くかかる工程になります。

【屋根工事】

工事の早い段階から、屋根の工事を行います。

住宅づくりにおいて、雨は大敵です。

そのため、早めに屋根を作っておくことで、雨から住宅を守るのです。

【床下地工事】

「床組み」と呼ばれる骨組みを組み立てます。

この作業を行うことで、天井などの作業をスムーズに行うことができるようになります。

【外装工事】

住宅の中に雨が入り込まないようにするために、外部サッシを取り付け、外装材・断熱材などを取り付けます。

【内部下地工事】

壁や天井などに内装の仕上げ材を貼る前の下地として、断熱材・ボード下地を取り付けていきます。

木造住宅の建て方の順番【4~6ヵ月目】

この時期になると、木造住宅の建て方も、仕上げの段階に入ります。

【内装の仕上げ工事】

住宅の内装の下地ができ上がったら、床にタイルやフローリング、コルクなどを敷き詰めていきます。

また、壁にはクロスを貼っていきます。

【塗装工事】

配管をつなげ、駐車場が完成したら、住宅の塗装を行います。

ここまでで、住宅の外部工事はおおむね完成となります。

【足場の取り外し】

住宅の周りを囲むようにして組んであった足場を撤去します。

【内装工事】

先ほどの工事と異なり、備え付けの棚などといった細かなものを作っていきます。

【畳敷込み】

畳を和室に敷いていきます。

これは、和室がある場合にのみある工程になります。

【照明などの設置】

照明やキッチンなどといった設備を搬入します。

【竣工検査】

工事の全工程が終了したら、外構や建物、設備に不具合がないか確認します。

不具合が見つかれば、直します。

【完成】

問題がなければ、施主に引き渡しが行われます。

ここまでが、木造住宅ができるまでの建て方の順番になります。

木造住宅に第三者の住宅検査は必要?

ここまで、木造住宅の建て方の順番について、ご説明してきました。

しかしながら、建築中の住宅の不具合などというものは、素人目ではなかなかわからないものです。

もし、不具合が見つかったとしても、住宅の完成までの長い期間工事を行ってくれた施工主に対して、見つけた不具合を伝えるというのも言い出しにくい部分もあるでしょう。

とはいえ、住宅の引き渡し後に不具合が見つかった場合には、工事に不具合があったのか、使い方に問題があったのかわからなくなりトラブルになってしまうことも考えられます。

このようなことを防ぐために、「第三者の住宅検査」を行うことをおすすめします。

これは、施工業者とは関係のない一級建築士に依頼して住宅検査を行うものです。

費用は別途かかってしまうことになりますが、万が一不具合や欠陥があった場合に、施工主に円滑に話をしてもらうことができます。

必要性を感じるような方は、検討してみてください。

建て方の順番を把握しておこう

木造住宅の建て方の順番について、ご説明してきました。

一生に一度の大きな買い物と言われる家づくりですが、完成まではきちんと作られるのか心配に思う方も多いことでしょう。

建て方の順番を知っておくことで、自分の目で見たときに「今、どんな工程なのか」を知ることができます。

また、現場監督からの説明を聞いたときにも説明を理解しやすくなるでしょう。

建て方の順番を知っておいて、完成まで楽しみにいられると良いですね。