W造や2×4の意味は?メリット・デメリットについて解説!

住宅を建てるにあたり、W造や2×4(ツーバイフォー)工法などという言葉を耳にすることがないでしょうか。

W造は簡単にいうと、建物の構造を表したもので、2×4は建築工法の1つです。

ここでは、W造2×4工法の意味を始め、メリットやデメリットを詳しく解説していきます。

W造2×4工法って?

冒頭でもお伝えしたように、W造は建物の構造を表したものです。

そして、この「W」は「WOOD(木)」の頭文字から取ったもので、木造住宅であることを意味しています。

一方で2×4工法は、建築工法の1つで、2インチと4インチのサイズの角材を使って家を構成します。

※実際に使用される木材は38mm×89mmですので、1.5インチ×3.5インチとなります。

そして、これら規格化された木材と、合板を組み合わせて作られた枠組み工法のことを、「2×4工法」と呼びます。

また、2×4以外にも2×6(ツーバイシックス)や2×8(ツーバイエイト)があり、数字が大きくなるにつれ壁の厚みが増し、それに伴い断熱材の厚みも増すことができるため、断熱性能の向上が期待できるとされています。

また、壁や断熱材の厚みが増すことで、耐震性や遮音性を大きく向上させることが期待できます。

現在では、2×6を標準とするハウスメーカーも増えてきていますが、機能性の向上にあたり坪単価もアップすると言われています。

今回は、この中でも最も馴染みが深い「W造2×4工法」に絞って、メリットやデメリットをお伝えしていきます。

W造の中でも日本で最もポピュラーな「木造軸組工法」とは?

W造2×4工法は、アメリカやカナダでは最も一般的な工法とされており、プラットフォーム工法と呼ばれています。

日本の住宅で一般的な工法と言えば、「木造軸組工法(もくぞうじくぐみこうほう)」です。

また、木造軸組工法のほか、「在来工法(ざいらいこうほう)」とも呼ばれています。

これは、日本古来から伝わる建築方法であり、この工法の特徴として、柱、梁、桁を組み合わせて骨組みとし、柱と柱の間に斜めに渡す木材(筋交い)を入れ、住宅を補強していきます。

このように、「木造軸組工法」は軸で支える構造が特徴であり、お部屋の間取りに自由を効かせることができるメリットがあります。

ただ、工期が長いことに加え、職人の技術や材料によって施工にバラつきが出ることもあります。

W造2×4工法をもっと詳しく解説!

W造2×4工法は、建築においては「在来軸組工法」と区別するために「枠組壁工法」と言われています。

柱、梁、桁を組み合わせた「軸」で建物を支える「木造軸組工法」とは異なり、2×4工法は「面」で建物を支えるのが特徴です。

詳しくご説明しますと、W造2×4工法は、構造用製材で作られた枠組みに合板を張り付け規格化された「パネル」で床や壁、屋根を構成し、それらを組み合わせて箱状の空間を造る6面体構造です。

さらに分かりやすく言うと、壁で建物が構成されているようなイメージですね。

このように2×4工法は、面で建物を支えるため、台風や地震などの外部からの圧力に強い耐性があると言われています。

さらに、材料の寸法や釘などが規格化されているため、組み立ても簡単であり、木造軸組工法のような難しい技術を必要としません。

そのため、職人の技術による差や品質のバラつきが少ないのも特徴とされています。

W造2×4工法のメリット

では、W造2×4工法のメリットをご紹介していきましょう。

先ほど少し触れた内容ではありますが、まずは耐震性や耐風性が高いことが挙げられます。

2×4工法は前にお伝えしたように、面で建物を支えるため、外部からの要因に対して耐久性が高く、耐久性に関しては木造軸組工法よりも勝るとも言われています。

ほかにも、面で構成されることから気密性が高く、断熱性や防音性に優れているというメリットもあります。

断熱性が高いということは、冬は暖かい空気を逃がしにくく、夏は外からの温度に影響されにくいのです。

さらに、面で構成されるため、耐火性にも優れていると言われています。

2×4工法で建てられた建築物は、天井や壁の内側全てに石膏ボードが張り巡らされています。

そのため、防火性能が高く、2×4工法の建物は「耐火性を持つ建物」と認識されています。

耐火性がある建物であることから、火災保険の保険料が安くなるといったメリットもあるのです。

加えて、材料の規格化により、比較的工期が短くなることもメリットと言えるでしょう。

W造2×4工法のデメリット

メリットがある一方で、残念ながらデメリットもいくつか存在します。

ここでは、W造2×4工法のデメリットについてお伝えしていきます。

気密性が高いというメリットがある反面、高い湿度の環境下にあると、湿気がこもりやすくカビの発生に繋がる可能性も高くなります。

湿気がこもった状態が続くと、木材の腐食にも繋がる可能性もありますので、注意しておきたい部分ですね。

また、間取りに自由が利きにくいこともデメリットの1つです。

何度もお伝えしているように、2×4工法は面で建物を支える構造であり、面で壁を造ることで耐震性や耐風性を確保しています。

そのため、開口幅に制限があったり、両方の角が合わさる角部に窓を設置することが困難です。

また、将来リノベーションを考えていたとしても、壁の撤去や貫通などが難しいことから間取りの変更が容易にできないこともデメリットとして挙げられます。

さらに、木造軸組工法と比べてしまうと、施行できる建設会社の数が少ないこともデメリットとなるでしょう。

W造で2×4工法と木造軸組工法、どちらがいい?

最近ではW造の中でも2×4工法で家を建てる人も増えてきましたが、まだまだ日本の住宅では木造軸組工法が主です。

どちらの工法で家を建てるのか悩んだときは、「何を優先すべきか?」をよく考えた上で決めていくとよいでしょう。

何度もお伝えしているように、2×4工法は耐震性や耐風性、耐火性に優れており、高気密高断熱であることが特徴です。

一方で、間取りの自由が効きにくく、大掛かりなリフォームは不向きとされています。

そのため、将来的に大掛かりなリフォームを予定しておらず、お家の性能を重視したいのならこの2×4工法がおすすめだと考えます。

一方で、木造軸組工法は、間取りの自由が利きやすいのがメリットです。

そのため家のデザインを重視したいという方や、ゆくゆくはリフォームを考えている、という方におすすめだと考えます。

また、多くの方が気になる金額の面ですが、2×4工法と木造軸組工法、どちらが安いかは一概には言えません。

しかし、金額を抑えやすいという点で見れば、建築会社が多くある木造軸組工法のほうが費用を抑えやすいと考えられます。

最近、わりとよく見かけるローコスト住宅がありますが、木造軸組工法を採用しているケースが多いようです。

このように、建設の工法で悩んだときは、自分が何を優先したいのかを一度考えてみると選びやすくなるかもしれません。

これから住宅を建てるなら考えるべきこと

今回は2×4工法に的を絞り、特徴をお伝えしてきました。

近年は2×4工法も増えてきましたが、木造軸組工法と比べるとまだまだ取り扱っている建設会社が少ない印象です。

とはいえ、耐震性や耐火性、気密性においては2×4工法のほうが優れているとも言われています。

建築の工法で悩んでしまったときは、ご自分が何を優先したいのかを一度考えてみましょう。

もし、2×4工法で家を建てると決まったら、2×4を採用している建設会社にまとめて資料請求をして、それぞれの特徴を比較しましょう。

大抵、家は一生に一度しか建てることができないものですから、後悔のないようにしっかりと下調べすることが大切です。