アパートやマンションに住んでいて、突然の病気やけが、解雇などの理由で、家賃の支払いが滞ってしまうことがあります。
そのようなときに気になるのが、「いつ強制退去になるのか」という点でしょう。
通常、家賃を滞納すると、契約時に交わした賃貸借契約に違反した行為とみなされます。
そこで今回は、家賃を一ヶ月滞納した場合にどのような対応が適しているかというお話と、強制退去の流れなどについてくわしくご紹介していきましょう。
家賃を一ヶ月滞納した!どのようなリスクがある?
家賃は毎月支払うものですが、やむを得ない事情で滞納してしまうことも考えられます。
突然解雇されたり、病気やけがで入院することもあるでしょう。
一ヶ月家賃を滞納した時点で、まず心配なのは、いつ強制退去になるのかという点ですよね。
しかし、家賃を一ヶ月滞納した場合、すぐに退去を言い渡されるといったことは法律上認められていません。
つまり、一ヶ月の滞納ではまだ猶予が残されている状態ですが、以下のようなリスクが発生してしまいます。
・オーナーとの信頼関係が崩れる
・オーナーから訴訟を起こされる可能性がある
・連帯保証人を立てている場合はそちらに迷惑がかかる
上記は家賃の滞納で一般的に考えられるリスクになります。
オーナーとの信頼関係は、1度崩れると回復させるのは大変です。
また、連帯保証人になってくれている方にも支払い義務が発生するため、迷惑がかかってしまうでしょう。
そうなる前に、まずは家賃を支払っているオーナーや連帯保証人に連絡を入れて、事前に事情を説明することをおすすめします。
滞納に注意!保証会社を利用している場合
アパートやマンションに「保証会社」を利用して入居している方は多いですよね。
保証会社は、連帯保証人を立てることが難しい場合に利用することが一般的ですが、家賃を滞納してしまう可能性がある場合は、より注意が必要となります。
家賃を滞納した場合、連帯保証人を立てていない方は、保証会社に家賃滞納の連絡が入ります。
このとき連絡を入れるのはオーナーで、保証会社は借主に代わって滞納した分の家賃を支払う義務があります。
しかし、たとえ一ヶ月分でも、保証会社が借主の代わりに家賃を弁済すると社会的な信用に関わります。
たとえば、クレジットカードなどの審査に影響する可能性があるのです。
そのため、保証会社を利用して賃貸契約している方は、家賃の滞納に特に注意が必要です。
家賃滞納が一ヶ月以上の場合は強制退去になる?
家賃を一ヶ月滞納しても、すぐに強制退去を言い渡されることはありません。
では、いつ、どのようなタイミングで強制退去となるのでしょうか。
以下で一般的な流れをご説明しましょう。
【強制退去までの流れ】
①オーナーからの連絡
まず、家賃を一ヶ月滞納すると、オーナーから電話または文書などで連絡が入ることでしょう。
「〇月〇日までに家賃の支払いを行ってください」といった内容で催促を受けることとなります。
②請求書が送られてくる
家賃滞納が二ヶ月を過ぎると、内容証明付きの請求書が送付されてきます。
オーナーが直接部屋に訪ねてくることもあるでしょう。
連帯保証人を立てている場合は、そちらに連絡が入ります。
③明度訴訟ののち強制退去
家賃滞納が三ヶ月を過ぎると、一方的に賃貸契約解除の予告通知が送られてきます。
契約解除通知が届いたのち、裁判所で明度訴訟が行われ、判決が出ることとなります。
オーナーの主張が認められたら、強制退去が執行されるでしょう。
以上が強制退去の流れとなります。
これによると、家賃滞納が三ヶ月を過ぎると強制退去になるということが分かりました。
しかし、上記はあくまでも一般的な流れのため、何度も一ヶ月遅れで家賃を払っていたり、支払い実績があまりに悪い場合は、三ヶ月以内での強制退去もあり得るため注意しましょう。
家賃を一ヶ月滞納しそうになった場合はどうしたら良い?
やむを得ない事情が起こったとき、まとまった貯蓄があれば、しばらくは家賃の支払いの心配はありません。
しかし、すべての人に十分な貯蓄があるわけではありませんよね。
家賃を滞納しそうになった場合、どのように対処すれば良いのでしょうか。
そのときは、冒頭でお話しした通り、まずはオーナーに連絡を入れましょう。
明確な事情を話し、一ヶ月だけ家賃が遅れてしまう旨を説明しましょう。
家賃を滞納することは契約上の違反を意味しますので、オーナーの心証が悪くなってしまうことも懸念されますが、ここでは支払う意思があることを伝えることが重要となります。
中には、家賃の分割などを提案してくれるオーナーもいるようです。
無断での家賃滞納は、例え一ヶ月であってもオーナーとの信頼関係にひびが入るため、まずは電話連絡をして相談をしましょう。
家賃の滞納を避けるために!資金援助や法テラスも視野に入れよう
家賃を一ヶ月だけ滞納しそうだと感じたら、早めに手を打つことが大事です。
もし可能であれば、家族や親族からの資金援助を受けるようにしましょう。
事情を説明して相談し、きちんと返済すると約束したうえでの一時的な借り入れを検討することをおすすめします。
もし、頼る親族が誰もいない場合は法テラスへの相談も視野に入れましょう。
法テラスとは、各市町村にあるサービスで、弁護士や司法書士などの専門家に無料で相談をすることができる窓口になります。
家賃滞納について、専門家の意見を聞いて参考にできるでしょう。
また、消費者金融やクレジットカードのキャッシングなどから、借り入れはしないようにしてください。
一時的に家賃の支払いができたとしても、高い利息が付いたお金を返済することになります。
その返済をするために、また違う消費者金融に手を出し始めたら、抜け出すのが大変な負のスパイラルに陥ります。
最悪の場合、自己破産への道となってしまうため、十分注意しましょう。
賃貸の住み替え!選ぶべきポイントは?
家賃滞納をしそうになったら、今よりも家賃が安い物件へ引っ越すのも一つの手です。
そうなると、経済的に負担の少ない物件を選びたいと思いますよね。
以下で、お得な賃貸物件の選ぶべきポイントをご紹介しましょう。
●フリーレント物件
あまり聞き馴染みのない「フリーレント物件」ですが、入居から一ヶ月~三ヶ月の間の家賃が、無料になるといった物件です。
家賃の支払いができないための引っ越しなので、魅力的な物件と言えるでしょう。
●ゼロゼロ物件
「ゼロゼロ物件」は、敷金や礼金がかからない物件のことを言います。
初期費用が抑えられるため、急に決めた引っ越しなどでは助かります。
しかし、注意点として、退室する際の部屋の修繕費用について考えておく必要があります。
通常は入居時にオーナーに支払う敷金から修繕費用を捻出するものですが、敷金がないということは、すべて実費で修繕費を支払う必要があるのです。
つまり、入居費用が抑えられる代わりに、退去時に費用が生じるという特徴があるため、注意しましょう。
家賃は滞納しないように注意
突然、解雇を言い渡されたり、病気やけがで仕事ができなくなることがあります。
そうなると家賃の支払いが滞ることになりますが、無断で滞納することは避け、まずはオーナーに連絡を入れましょう。
きちんと事情を話し、支払いを遅らせることができるか、または分割払いにできるかなどを相談しましょう。
ときには家族や親族に一時的に資金援助を受けたり、法テラスの利用も視野に入れることをおすすめします。
滞納が三ヶ月になると強制退去となることが多いため、注意しましょう。