マンションやアパートあるいは事務所・店舗といった賃貸物件は毎月決められた期日までに家賃を支払います。
いつも月末に支払いをされる方も多くいらっしゃると思いますが、月末が土日と重なっていて支払いをどうすれば良いのか困った経験をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
土日に銀行のATMで手続きをすれば良いのか、休み明けに支払えば良いのかなど迷ってしまいます。
そのような場合は、どう対処すれば良いのでしょうか。
家賃の振込み手続きを月末の土日に行った場合
月末が土日と重なっているのをうっかり忘れてしまい、土日に銀行のATMで振込み手続きをされた経験はありませんか?
この場合、管理会社や大家さんの口座への送金は翌日あるいは翌々日扱いとなってしまいます。
土日にATMで振り込んだとしても、休み明けの翌月1日に支払ったと同じことになってしまうのです。
民法では、指定された支払い日が休日である場合は翌日の支払いでも問題ないため、家賃も月末が土日なら翌月1日の入金でもよさそうです。
しかし、家賃の支払いはあくまでも「末日まで」が一般化されており、翌月1日の入金は管理会社や大家さんから見ると未入金の扱いとなります。
民法では「後ろ倒し」でも可となりますが、家賃については「前倒し」と記憶しておきましょう。
月末が土日と重なる時は金曜日までが期限になります。
月末の土日に家賃を持ち込んでみるのは?
それまでずっと期日までに家賃を遅れずに支払ってきており、どうしても翌月1日の扱いにされるのが嫌だという方もいらっしゃるかもしれません。
月末が土日で金融機関が休みでも、家賃を管理会社や大家さんに現金で直接支払えばよいのではないか、と考えるのもおかしくはありません。
大家さんが遠方ではなく物件の近くに住んでいるならば、現金を持って訪問できます。
管理会社が町なかの不動産会社でしたら、土日に営業しているかもしれません。
まずは前もって現金での支払いが可能なのか連絡を入れて聞いてみてください。
恐らく月曜日に振り込んでくれれば構わない、といった管理会社や大家さんが多いのではないかと思います。
もちろん、受け取ってくれる管理会社や大家さんもいるかもしれません。
しかし、大家さんや管理会社は銀行振り込みのデータを元に家賃の集計をするのが基本なので、イレギュラーな現金での受領には消極的になります。
盗難や紛失といった事故防止の観点からも、特別な場合を除いて現金の受領をしない会社も増えています。
現金での家賃持ち込みは必ずしも可能とは言い切れません。
うっかりして未入金にならないための方法
家賃の支払い期日は契約書に記載されているのが普通です。
「毎月末日まで」や「毎月25日まで」といった期日が明記されているはずです。
仮に期限が末日でも25日でも、自分なりの個人的な家賃の支払い日を決めてしまうと良いかもしれません。
たとえば、「毎月27日は家賃の支払い日」として固定してしまうのです。
27日ならば月末が土日と重なっても問題ありませんし、28日までしかない2月でも1日の余裕があります。
2月27日が土日と重なってしまう可能性もあるから不安だという場合は、少し前倒しして25日か26日を支払い日にすればよろしいでしょう。
あるいは、新年になった時や月初めに手帳やカレンダーにチェックを入れておく方法もあります。
手帳やカレンダーで月末が土日と重なってしまうのが前もってわかりますから、うっかりミスが防げます。
口座振替での支払い日が土日と重なっている時は
家賃の支払い方法は物件や管理会社によって異なります。
指定した口座へ振り込みをする以外に、主なものとして口座振替があり、ご自分の銀行口座から毎月決まった日に家賃が引き落としされます。
口座振替の日が土日になる場合、通常は前倒しではなく、後ろ倒しとなります。
たとえば、毎月26日が引き落とし日で26日が日曜日ならば27日に家賃の引き落としがかかります。
なお、口座振替は一度だけになりますので、振替日に残高不足で引き落としができなかった場合、月末にもう一度引き落としを依頼しても不可能です。
月末に支払いをしたい時は、振り込みでの支払いとなります。
ところで、仮に契約書で末日が支払期限となっていても、口座振替の日が27日となる場合もあります。
口座振替の日は管理会社の指定する日ではなく、口座振替を行う会社の定める日になるのでズレが生じるのです。
給料日が末日なので契約書通りに末日に支払いたいと思う方もいらっしゃるはずです。
そのような時は管理会社に相談してみてください。
大半の管理会社では、口座振替と振り込みを選択できますので、事情を説明すれば問題ないと思います。
忙しくても月末に家賃を確実に支払う方法
忙しくてなかなか金融機関に行く暇がなく、振り込みができない方にとっては口座振替は便利です。
しかし、どの物件も口座振替が利用できるわけではなく、支払い方法が振り込みと定められている物件も多々あります。
振り込みのために金融機関へ行く手間を省きたい、あるいは期限まで遅れずに支払いたいという場合は銀行の自動送金サービスを利用する手もあります。
毎月決まった日に指定した口座へ定額を送金してくれるサービスです。
土日の送金はできませんし、手数料もかかりますが、サービスを利用すれば確実に家賃の支払いはなされますので安心です。
ご自分の給料日に合わせて、月末の都合の良い日を決めて設定すれば、何もしなくても管理会社や大家さんの口座に家賃が送金されます。
ただし、依頼する期間が過ぎるとまた窓口で手続きが必要になるのと、水道料や電気代のように請求額が変動するものには向いていません。
賃貸マンションや事務所・店舗では、管理会社が家賃と併せて電気料金や水道料金を請求するところもあります。
そのような物件では使いづらいかもしれません。
月末に家賃の支払いができなかった時の対処方法
何らかの都合で月内に支払いができず、家賃の未納を発生させてしまった場合はどう対処すれば良いのでしょうか。
たとえば、月末が土日と重なっているのがわかっていて金曜日に振り込みする予定だったのに、仕事が忙しくて時間がとれなかったとします。
このような時は、まず早めに管理会社か大家さんに連絡を入れるのが大事です。
金曜の夕方あたりに、入金が遅れてしまう旨とお詫びの言葉を伝えるわけですが、大事なのは入金の予定を知らせることです。
「土日の間に銀行のATMで手続きをする」や「月曜の午前中に振り込みに行く」といった具体的な予定です。
管理会社や大家さんも明確な予定がわかれば安心します。
早めに連絡を入れた方が良い理由は他にもあります。
一ヶ月の未収でも厳しい口調で電話をかけてくる管理会社や大家さんもいないわけではありません。
先方から電話がかかってくる前に、こちらから連絡を入れてやることで信頼度が違ってきますし、口調もそれほど厳しくはならないかもしれません。
そんなメリットもあるのです。
家賃の支払いは計画的に
家賃の支払いは「末日まで」となっていたら、前倒しで月内に支払うのが基本です。
万が一、支払いが遅れる時は管理会社や大家さんに電話をして支払いの予定を伝えてください。
家賃の未納を避けるには、やはり計画的に行うのが一番です。
月末が土日と重なっていたり、仕事が忙しくなりそうな場合はいつもより早めに支払いに行きましょう。
また、自分なりの支払い日を決めておいたり、手帳やカレンダーを利用するなどして計画的に行うのも良いでしょう。