家賃は毎月の固定費として考え、生活をやりくりする方が多いでしょう。
ところが、契約の更新時に家賃が値上げされるケースがあるようです。
決まった支出の固定費である家賃が上がるのには少々抵抗がありますね。
この記事では、家賃が値上げされる理由や、家賃の値上げの際に確認するべきことなどを中心にお伝えしていきます。
家賃が値上げされる理由とは?
家賃の値上げは多くの場合、事前に通知され契約の更新時に値上げされます。
家賃は毎月の固定費として支出するものと考えているなか、家賃が値上げされるとなるとお財布事情が変わってきてしまいますから困ってしまいますね。
とはいえ、貸主である大家さんには、値上げせざるを得ない理由があるようです。
では、どのような理由から家賃が値上げになるのかみていきましょう。
●地価の上昇
借主の立場であると、家賃の金額ばかりに注目してしまいますが、賃貸物件が立っている土地には、地価が存在します。
地価は、その時々で変動するものです。
もちろん、地価が上がれば固定資産税が上がることになりますので、貸主の負担が増えることになります。
それに伴い、家賃を値上げして対応することがあります。
●物価の上昇
経済事情による影響もあるようです。
インフレにより物価が上昇することもあるでしょう。
その経済事情に合わせて、家賃を値上げすることがあります。
●周辺物件の価格に調整
間取りや築年数から周辺で似たような物件と比較し、その開きが大きい場合、値上げをして家賃を調整することがあるようです。
家賃の値上げのタイミングは更新時?!
前項でお伝えしたような理由から、家賃の値上げがされる場合があります。
そして、家賃の値上げのタイミングで最も多いのが「更新時」です。
なぜ、契約の更新時に値上げされるのでしょうか。
賃貸物件の契約は一般的に2年ですが、この契約満了時、つまり更新時のタイミングで値上げされることが多いようです。
貸主もいきなり値上げするのではなく、更新時というタイミングであれば、一区切りということから借主に伝えやすく値上げしやすいのでしょう。
大抵の場合、更新の案内と同時であったり、6か月から1年くらい前にお知らせしてくれることが多いです。
一方、そのような事前にお知らせされることもなく、突然家賃が値上がる場合もあるようです。
いずれにしても、借主にとって、家賃値上げの理由に納得できるのかということが大切です。
家賃の値上げはしてほしくない!更新時に拒否できるの?
契約の更新時、家賃が値上げされるとそのまま住み続けるか悩んでしまいますね。
借主にとって、できれば家賃の値上げはしてほしくないと思うことでしょう。
では、家賃の値上げについて拒否することはできるのでしょうか。
家賃の値上げは、貸主と借主、双方の同意がなければ値上げはできないとされています。
一方的な通告により値上げされることはほとんどありません。
できれば、お互い納得の上で家賃の値上げをするのが理想です。
ですから、「値上げ=拒否」ではなく、値上げの理由や、それを証明する資料などを貸主に用意してもらい、しっかりと話し合うことをおすすめします。
その際、値上げ幅を少なくしてらうなどの交渉をするのもいいでしょう。
長く住みたいと思う借主と、長く住んでほしいと思う貸主がお互い歩み寄ることが大切です。
納得できないまま更新時に家賃を値上げされたら?
家賃の値上げに納得できない部分は、感情的にならず丁寧に理由を聞くようにします。
貸主の家賃値上げの理由に納得できるまで、しっかりと話し合いましょう。
しかし、家賃の値上げに納得できないまま更新時を迎えた場合どうなるのでしょうか。
貸主の理由に正当性がなく、家賃の値上げに納得できないからといって家賃を払わないという行為は、してはいけません。
借主は、家賃を支払って住まいとなる物件を借りているので、値上げ以前の今まで通りの家賃を支払わなければなりません。
管理会社にも伝えておき、値上げ後の家賃の金額で引き落としされることのないように対策しましょう。
値上げ後の家賃を一度でも支払ってしまうと、値上げに合意したとみなされてしまいます。
万が一、貸主が「値上げされていない家賃は受け取らない」と拒否した場合、「供託」という国の制度がありますから、そちらを利用し家賃を法務局に預けます。
そうすることで、家賃を支払っているとみなされます。
以前の家賃の金額を支払いしているなら、退去する必要はありません。
その後は、貸主が家賃の値上げを見送るか、もしくは調停により審議されることとなります。
どちらにしても、借主の納得ができないまま家賃の値上げをされることはありません。
大幅な家賃の値上がりでない場合は住み続けるのがおすすめ!
これまで、更新時に値上げされることについてお話ししてきました。
貸主側にもさまざまな事情があり、やむを得ず値上げをしていることがほとんどです。
貸主にとっても、心苦しい選択となっていることも理解しなければなりません。
つまり、少額の値上げであれば、納得の上、更新時に合意するのがおすすめです。
しかし、少額とはいえず大幅な値上げだった場合は、思い切って引っ越しも検討しましょう。
大幅な家賃の値上げに合意した後、その後の生活がやりくりできなくなってしまうのは困ります。
引っ越しとなると、それなりの出費になりますが、家賃値上げのお知らせは事前にお知らせしてくれることがほとんどですから、計画的にお金をためておくこともできます。
今まで通りの家賃で暮らせる家を探し、移り住むのも選択肢のひとつではないでしょうか。
家賃は値上げだけではなく値下げもある?!
これまで、家賃の値上げについてお話ししてきました。
家賃は値上げしかないわけではありません。
ここでは、家賃の値下げについてみていきます。
住み続けていると、ふと家賃が高いと感じてしまうこともあるでしょう。
例えば、街中の不動産会社に掲示されている物件が、
・場所
・間取り
・築年数
などを今の住まいと比較してみた場合、同じような条件なのに、今支払っている家賃が高いと感じる場合もあるでしょう。
そのようなときは、家賃の値下げを申し出てもいいかもしれません。
もちろん、説得できるようなデータを得ることが必須となります。
今の住まいが高いというのを証明するためには、周辺の同じような物件の家賃を比較できるようなデータを集めましょう。
その上で、貸主である大家さんや管理会社に家賃値下げの交渉をしてみてください。
この場合、更新時などではなく、データがそろったときに伝れば大丈夫です。
ただ、全ての場合で家賃が値下げされるわけではありません。
家賃の値下げについても、双方の合意がなければ成立しません。
貸主が納得した場合、値下げが可能になります。
家賃の値上げは理由に納得できるか、できないか
契約更新時に家賃が値上げされるというお知らせがきたら、家賃値上げの理由に納得できるのかがまず大きなポイントです。
納得できるまでしっかりと話し合いましょう。
また、値上げの理由に正当性がない、大幅な値上げなど場合によっては、引っ越しも選択肢のひとつとなります。
なお、家賃は値上げだけではなく、値下げも場合もよっては可能でしょう。