マンションなどの住宅には、火災報知器が設置されています。
そんな火災報知器が誤作動を起こし、火事が起こったわけでもないのに、突然警報が鳴りだしたら驚いてしまいますよね。
一体なぜ、誤作動が起きてしまうのでしょうか。
その原因や対処法についてご紹介していきます。
火災報知器の必要性
近年では、マンションなどの住宅には火災報知器の設置が義務付けられています。
総務省消防庁の調査によると、火災報知器の設置が義務付けられる前は、建物火災で亡くなった人の約90パーセントは住宅での火災が原因とされています。
その中でも逃げ遅れたことが原因で亡くなった方は、全体の60パーセントを占めています。
また、逃げ遅れてしまった原因として最も多いのが、就寝中に火災が発生したため、火災に気付けなかったということがあげられます。
つまり、早い段階で気が付くことができていたら、助かっていた可能性があるということです。
このようなことから、火災報知器の設置が義務付けられたのです。
設置場所に関しては、各市町村の条例で決められているため、地域によっても異なりますが、全国で共通しているのは以下の場所です。
・寝室
・寝室のある階の階段
この場所には、煙式火災報知器を原則設置することになっています。
寝室やその付近なのは就寝中に火事にに気付けるようにするのが目的のため、階段は煙が階段を通って上階に広がるためです。
誤作動などで眠りを妨げられると困りますが、命には代えられません。
ちなみに、バスルーム・トイレ・洗面所・納戸は火災報知器を設置する義務の対象ではありません。
誤作動も起こす?マンションによくある火災報知器
マンションなどには、火災報知器の設置が各市町村の条例に基づいて定められています。
そんな火災報知器ですが、いくつかの種類があることをご存知でしょうか。
誤作動を起こす原因は、その種類によって様々です。
まずはどのような種類があるのか、以下でご紹介していきましょう。
【熱式火災報知器】
読んで字のごとく、熱を感知して音が鳴る火災報知器です。
熱式火災報知器の中でもさらにいくつかの種類に分けることができます。
・差動式火災報知器
これは、室温が急激に上がった時などに反応して警報が鳴ります。
・定温式火災報知器
60~70℃など一定の温度になると警報が鳴る火災報知器です。
キッチンなどに設置してあることが多いです。
【煙式火災報知器】
煙に反応し、警報が鳴る火災報知器です。
以上となりますが、それぞれどのようなことが原因で誤作動を起こしてしまうのか、次項からご説明していきます。
マンションでよく見る火災報知器の誤作動の原因とは?
先ほどご紹介した3種類の火災報知器は、マンションなどの住宅によくあるものとなります。
これらの火災報知器には、それぞれ誤作動を起こす原因があります。
誤作動の原因を、順番に見ていきましょう。
【差動式火災報知器】
これは、室温が急激に上がった時に作動するため、冬場などにエアコンをはじめとする暖房器具を使って部屋を一気に暖めた時に誤作動が起こりやすいです。
この火災報知器のついた部屋では、誤作動を起こさせないよう、ゆっくり部屋を暖めるようにしましょう。
【定温式火災報知器】
先ほども触れたように、この火災報知器はキッチンについていることが多いです。
そのため、換気扇をつけ忘れた状態で調理を行っていると、誤作動を起こしてしまいやすいです。
キッチンに熱がこもらないよう、換気扇は必ずつけて調理しましょう。
【煙式火災報知器】
普通に生活していると、室内で煙が出ることはまずありません。
しかしこのタイプの火災報知器は、誤作動を起こす原因が意外にも多いといわれています。
例えば、お香などのわずかな煙や、殺虫スプレーやスプレー缶に入った化粧品にも反応することがあります。
他にも、蒸気やほこり、小さな虫などといったものにも反応することもあります。
誤作動を起こさないためにも、どの種類の火災報知器がどこについているのかを把握しておきましょう。
マンションの火災報知器が誤作動を起こしたら?
マンションの火災報知器が誤作動を起こした場合、恐らく多くの方が驚き、戸惑ってしまうでしょう。
このような時は、まず落ち着つくことが大事です。
そして、周囲を見渡し、異常がないかよく確認を行いましょう。
異常が見られない場合には、火災報知器を止めます。
止め方は種類によって異なりますが、多くのものは停止ボタンを押すか、紐を引っ張ることで止めることができるでしょう。
一定時間後、異常がある場合には再度警報が鳴りますが、特に何もなければ警報が鳴ることはありません。
しかし、異常がないにもかかわらず警報が鳴る場合には、火災報知器の故障が考えられます。
蓋を開けて、火災報知器内部に虫やほこりなどが入っていないかの確認を行ってみましょう。
また、火災報知器の経年劣化による誤作動の可能性も考えられます。
火災報知器は一般的に、約10年が交換の目安とされています。
この期間を過ぎているようであれば、交換が必要です。
マンションでの火災報知器の誤作動を未然に防ぐには
マンションで火災報知器の誤作動が起こると、近所に住んでいる人にも迷惑がかかってしまうことが考えられます。
そうならないためにも、火災報知器の定期的な点検が必要となります。
まず期間ですが、それほど短くなくても大丈夫です。
約6か月に一度ほどの頻度で、火災報知器の蓋を取り、内部にほこりや汚れがないか、ある場合にはきれいにしておくといった程度のことで十分です。
特に汚れなどがなければ、蓋を閉めて完了となります。
年に2回程度、このような点検を行うのであれば、負担になることはほとんどないでしょう。
誤作動を防ぐためにも、点検は必ず行っておきましょう。
マンションで火災報知器を誤作動させてしまった!止められない場合は!?
マンションの火災報知器によっては、マンションの管理室や防災センターでないと、例え誤作動だったとしても、止めることができない場合があります。
管理人が常駐しているマンションであれば、すぐに止めてもらうことができるので心配は少ないですが、巡回での管理や、通勤管理の場合ではそうもいかないでしょう。
このように、すぐに止めることができない場合には、警備会社の人がマンションに到着するまでの間、警報が鳴ったままになってしまいます。
また、近隣住民が消防署に通報し、消防車が出動してしまうことも考えられます。
このようなことを防ぐためにも、自分の住んでいるマンションの防災設備に関して、しっかり把握しておく必要があります。
こういったマンションの場合、管理組合の人が、管理室に入ることのできるような体制を整えておくようにして、「火災報知器が鳴っているけれど本当に火災なのか、誤報なのか」を確認できるようにしておきましょう。
マンションの防災設備について知っておくことで、このようなことを未然に防ぐことができる可能性もあります。
マンションの火災報知器を誤作動させても落ち着いて対応をしよう
マンションの火災報知器は、その種類によって誤作動の原因が異なります。
日頃から、火災報知器の誤作動をさせないように気をつけましょう。
また、簡単な点検を行うことでも、誤作動を防ぐことができます。
火災報知器は命を守るためのものですので、誤作動はできる限り防ぐようにし、いざという時に役に立つようにしておきましょう。