マイホームを検討している方の中には、家の構造から悩んでしまう方もいるのではないでしょうか。
日本の住宅は、木造をはじめ、鉄骨造や鉄筋コンクリート造などがあります。
「これらがどう違うのか分からない!」という方もいることでしょう。
この記事で、各構造の違いについてご説明し、それぞれの構造の見分け方についてもお話しします。
日本の住宅の構造とは?どんなものがあるの?
マイホームを検討している場合、どんな家にしようか考えるだけでもわくわくしてきますよね。
ですが、家づくりというのはそんなに甘いものでもなく、各ポイントをしっかり決めておかないと、住んでから「ああしてれば良かった…」などと後悔することもあります。
そうならないためにも、家づくりにおける各ポイントをしっかり考えておくようにしましょう。
この記事では、家づくりにおけるポイントの一つ、「構造」についてお話をします。
どんな構造の家にするかでも、住んでからの生活に大きく影響します。
日本の住宅における構造は、主に以下の3つです。
・木造
・鉄骨造
・鉄筋コンクリート造(RC造)
これら3つの構造はどう違っていて、見分け方などはあるのでしょうか。
次の項でお話ししていきます。
外観を見ただけで構造を見分けることは可能?
日本の住宅の代表的な構造は、木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造とお伝えしましたね。
これら3つの構造は、外観を見ただけで見分けることはできるのでしょうか。
その答えは、かなり難しいです。
大手の住宅メーカーによっては、外観に特徴のあるものもありますので、構造が何かを見分けることができる場合もあります。
しかし、地方の工務店などが建てる住宅の場合、外観だけで何の構造かを判別するのは難しいです。
どんなマイホームを建てようか考えているとき、他の住宅を参考にしたいと思うでしょう。
その場合、外観を見ただけでは構造まで判断することは極めて難しいので、どんな構造であるかは聞くほかはないといえます。
ですが、木造などの各構造の外観には、見分け方のポイントになる箇所もあるのです。
それについては、各構造の特徴とともにご説明いたします。
日本の住宅に最も多い木造!見分け方はある?
はじめは、木造についてお話をします。
木造は、住宅の主要な部分(柱など)に木材を用いる構法をいい、日本の住宅では最も多い構造といわれています。
鉄骨造など他の構造と比べると安価で、間取りの自由度が高いことが特徴です。
さらに、吸水性や吸湿性、通気性が他の構造よりも高いため、湿度の高い日本の気候に適した構造でもあるのです。
しかし、通気性が優れていることで、遮音性が低いことがデメリットとして挙げられます。
さらに、気密性も低いため、冷暖房の効きが鉄骨造など比べると悪い点もマイナスな面といえますね。
木造を見分けるためのポイントは、屋根を見ることです。
2階建てで三角の屋根の家であれば、それは90%の確率で木造です。
実際に三角屋根の住宅は多いですから、日本の住宅に木造が多いことが判断できますね。
次は、鉄骨造の特徴と見分け方をお伝えします。
鉄骨造は木造とは何が違う?見分け方についてもご紹介
木造についてお伝えしましたので、次は鉄骨造についてご説明します。
鉄骨造は、主要部分に鉄骨を用いる構造をいいます。
「木造の主要部分に使われていた木材が、鉄骨になったもの」というイメージです。
鉄骨の厚さで2種類の鉄骨造に分けられ、鉄骨の鋼材の厚みが6㎜未満ですと軽量鉄骨造、6㎜以上ですと重量鉄骨造となります。
材料自体が高い強度を持っているので、工法などによっては柱のない大空間を作ることが可能です。
特に、重量鉄骨ですと遮音性も高い傾向にありますので、自分の声が外に漏れるということは少ないといえるでしょう。
しかし、こちらもデメリットになる面があり、それは耐火性です。
鉄骨自体が火に弱いため、火事にでもなってしまえば、たちまち燃え広がってしまう可能性も否定できません。
さらに、コスト面もデメリットといえるでしょう。
鉄骨は強度がかなり高いこともあり、木造と比べるとそこそこの費用がかかってしまうことを頭に入れておくと良いでしょう。
鉄骨造の見分け方としては、フラットな2階建ての住宅で、外壁に幅60cm程度のパネルが貼ってあれば、鉄骨造の中でも重量鉄骨だと判断できます。
軽量鉄骨ですと見分けるのが難しいのですが、フラットな2階建てでパネルが外壁のどこにも貼られていなければ軽量鉄骨造の可能性は高いです。
鉄骨造に似ている!?鉄筋コンクリート造の見分け方
最後は、鉄筋コンクリート造についてお話をします。
鉄筋コンクリート造は、コンクリートと鉄骨を一体化させたような構造部材によって作られた住宅を指します。
引っ張る力に強い鉄筋と、圧縮する力の強いコンクリートがうまく組み合わさることで、鉄骨造などよりも強度の高い柱などが構築されるのです。
耐震性に優れ、また耐火性に優れた構造とされています。
気密性や遮音性も高いです。
その反面、通気性や調湿性が低い面がデメリットとなるでしょう。
日本は他国と比べると湿度が高いため、住宅において通気性や調湿性はとても重要になります。
鉄筋コンクリート造はこれらの機能が低いため、夏は蒸し暑く、冬は底冷えや結露が起きやすいです。
気候だけ考えるなら、木造がやはりベストといえますね。
そんな鉄筋コンクリート造の見分け方は少し難しいです。
パッと見ただけでは、鉄骨造との違いがわかりにくいほど、かなり似ているのです。
軽量鉄骨造と同様、屋根がフラットでパネルが貼られていなければ、鉄筋コンクリート造の可能性もあります。
しかし、それ以上は外観から判断することは難しいので、住宅の中の様子を見せてもらったり、聞いたりするなどして確認するようにしましょう。
リノベーションをするなら!木造それとも鉄骨造?
各構造の特徴や外観の見分け方についてお話をしてきました。
マイホームはマイホームでも、中には中古物件をリノベーションする方もいますね。
物件によっては、リノベーションの費用を合わせても、新築するよりもコストを抑えることができますから、この選択をする方も増えてきています。
それでは、中古物件をリノベーションしようと考える場合、どの構造が良いのでしょうか。
各構造の工法によっては自由度がきかない場合もありますから、この項でお伝えしていきましょう。
木造はお伝えしたように、間取りの自由度がきくので、リノベーションにもピッタリの構造です。
しかし、木造の工法の中でも「2×4工法」の場合は、融通が利かないことが多いです。
「在来工法」でしたら問題はありませんので、木造の工法を確認してみてください。
鉄骨造のうち重量鉄骨造は、間取りの自由度がかなり高いので、自分の好みの間取りにすることができます。
木造同様、工法によっては自由度が下がるようですので、鉄骨造の工法も確認しておくようにしましょう。
軽量鉄骨造は自由度が低いため、リノベーション向きではないといえます。
最後に、鉄筋コンクリート造です。
「ラーメン構造」ですと、間取りの変更が比較的自由とされています。
「壁式構造」の場合は、間取り変更に制限があるようですので、できなくはないですがリノベーションには不向きといえます。
中古物件をリノベーションしてマイホームにしようと考えている場合は、ここでご紹介したことを参考に、どの構造の物件にするかを選んでみてくださいね。
マイホームは構造から選ぼう!
この記事で、住宅の構造についてお話をしてきました。
外観だけで見分けることは難しいですが、各構造それぞれにメリット・デメリットがありましたね。
日本の気候に合った構造は木造ですが、強度を考えるなら重量鉄骨造や鉄筋コンクリート造が良さそうです。
中古物件をリノベーションする場合も、各構造の工法によって間取りの自由度が変わります。
ここでお話ししたことを参考に、ご自分に合ったマイホームの構造を選んでみてくださいね。