プロの方はもちろん、趣味や習い事でも多くの人が慣れ親しんでいるピアノですが、そのピアノの音が騒音問題の原因となる場合も多いのが現状です。
一体マンションでのピアノの演奏は「何時まで」が常識的なのでしょうか。
せっかく入居したマンションでも、ピアノの音が原因でご近所トラブルになってしまっては大変です。
たくさんの人が暮らすマンションだからこそ、気を付けたいピアノの音についての対策と対処法をご紹介します。
マンションでピアノを弾く前に確認すべきこと
たくさんの人が暮らすマンションでもピアノ演奏は大丈夫なのでしょうか。
それを確認するためには、まずは自分が住む、もしくは住む予定のマンションの管理規約をチェックしましょう。
楽器の演奏に関するきまりは、管理規約の中に書かれています。
「何時から何時まで」と演奏可能な時間帯や楽器の種類など、条件が細かく決められている場合もあるので、しっかりと確認することが重要です。
また、マンション自体が防音対策を行っているのかどうかを確認するのも大切です。
「ピアノ可」と記載されていても、防音対策を行っているわけではなく、100kgを超えるピアノの設置が可能というだけのパターンが多いといわれています。
しっかりと防音対策を施してある建物であれば問題ありませんが、そうでない場合は、自分でさらに対策をとっていく必要も出てきます。
そのためにも、事前にチェックして確認できるものはしっかりと確認しておきましょう。
マンションでのピアノの練習は何時まで?
たとえマンションの規約が「ピアノ可」だとしても、真夜中に大音量で弾いてしまうのはご近所の迷惑になってしまいますよね。
ピアノを弾く時には、演奏する時間帯を配慮していく必要があります。
ピアノの練習は、何時までが常識的なのでしょうか。
インターネットの掲示板などを見ても、人それぞれ意見が異なっているので、「何時から何時まで」と決めるのは難しそうです。
それでは、何を参考に時間を配慮していけばよいでしょうか。
演奏可能な時間帯を規約にしっかりと記しているマンションもありますので、まずは規約を確認しましょう。
「朝9時から夜8時まで」「夜9時以降は禁止」など規約によって少しずつ異なりますが、多くのマンションでは早朝・夜間の演奏は禁止となっているようです。
トラブルを回避するためにも、まずはマンションの規約で決められている時間以外は弾かないように注意しましょう。
「何時まで可能か」は状況によって異なる!
マンションでのピアノの練習は、時間に配慮することが必要だと確認しました。
しかし、「規約は守っているから」と時間内いっぱい大きな音で弾いてしまうと、「うるさい」とクレームが来てしまうかもしれません。
なぜなら、人によって生活のリズムは異なるからです。
マンションには、新生児がいたり、寝たきりの方がいたり、夜勤の方もいたりと、いろいろな状況の人が住んでいます。
様々な状況の人が住んでいるマンションだからこそ、より配慮が必要となってきます。
ピアノの音が響く可能性がある上下左右の部屋には、事前に挨拶をしておきましょう。
その際、「何時~何時までピアノの練習をするけれども大丈夫かどうか」を確認しておくとよいでしょう。
ピアノの音が少し気になる場合でも、事前に挨拶があるだけで、だいぶ印象が違ってきますよ。
ご近所の方々と事前にコミュニケーションがとれていれば、ピアノの音に関してだけではなく、様々な時に役立ちます。
気持ちよく生活していくためにも、コミュニケーションは欠かさないように心がけましょう。
マンションでも「何時まで…」と気にせずに練習するには①
「何時から何時まで」と決めたとしても、例えば発表会前などはいつもよりも多く練習したくなるものです。
そんな時には、消音装置を利用するのがおすすめです。
日中にはそのまま音を出して練習でき、夜間の練習や家族・近所へ配慮が必要な時には、ヘッドフォンを使用してピアノの音色を聴くことができるようになります。
ピアノの消音ユニットは後付けで消音可能にしてくれるので、すでにアコースティックピアノを持っている方でも防音対策として取り入れられるのがうれしいですよね。
鍵盤のタッチもそのまま味わうことができ、ペダルを使用した演奏などにも対応可能です。
消音ユニット本体はおおよそ15万円ほどで、専門技術者の取り付け費などを含めると、おおよそ20万円ほどでピアノに取り付けることができます。
初めからサイレント機能付きのピアノもありますので、もしかしたらそれをすでにお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんね。
さまざまな人が一緒に暮らしているマンションだからこそ、そういった消音機能をぜひ有効に利用していきましょう。
マンションでも「何時まで…」と気にせずに練習するには②
前項では、消音装置をご紹介しました。
すでにアコースティックピアノをお持ちの方には、後からでも取れる防音対策としてとても有効な一つです。
ただ、マンションに入居した後に、楽器を購入されるという方もいらっしゃるでしょう。
マンションに入居した後に新たに購入される際には、電子ピアノも選択肢の一つとして挙げられます。
電子ピアノは音量を調節したりヘッドフォンで聴くことが可能なので、「何時まで」と気にせずに、練習に集中できるのがうれしいですね。
重量に関してもピアノよりもだいぶ軽くなるので、お部屋に置きやすく、省スペース設計です。
電子ピアノも進化し、よりピアノタッチに近づけた高級モデルも各メーカーから登場していますので、日々の練習でも十分活躍してくれる存在となります。
さまざまな制約がある集合住宅では、電子ピアノを取り入れていくのもおすすめです。
ただし、近年電子ピアノの性能が向上しているようですが、アコースティックピアノのタッチや響きなどはピアノとはやはり異なるようです。
新たに購入される場合には、自分や家族・子どもの状況や希望も加味しながら、消音機能付きのアコースティックピアノにするか電子ピアノにするかを検討していきましょう。
マンションでも気兼ねなくピアノの練習をするために
「何時から何時まで」と時間帯や音量など、マンションで楽器を演奏していくためにはいろいろと配慮が必要となってきます。
実際のところ、周囲に気兼ねなくピアノを思いっきり弾くためには、防音室を造るのが一番かもしれません。
けれども、マンションでは勝手に防音室を造ったりすることは現実的ではありませんよね。
そこで、ここではマンションでも可能な、手軽にできる防音対策を3つご紹介します。
・床の防音
ピアノでは鍵盤をたたいた打音が床に伝わってしまうため、床の防音がとても重要になります。
実は消音していても、ピアノの打鍵音は床に響いてしまいますので、ここの対策はしっかりと行いましょう。
ただのカーペットを敷くのではなく、音の衝撃を吸収する振動対策マットを使うのがおすすめです。
ゴム製の振動対策マットの上に、防音専用のタイルカーペットなどを重ねると、多くの層ができて衝撃を吸収・拡散してしまうので、併せて使うようにしましょう。
・壁の防音
アップライトのピアノの場合、背面に共鳴板がついているので背面から大きな音が伝わります。
そのため、部屋の壁際にピアノを配置している場合は、特に注意が必要です。
壁とピアノの間に防音パネルを設置することで、壁の向こう側に漏れてしまう音を防いでくれます。
・窓の防音
窓は壁よりも薄く、音を吸収するものがないため、音が漏れやすい箇所です。
防音カーテンを設置して、ピアノの練習をする際にはカーテンを閉めるなどすると効果的です。
また、窓のサイズに合わせた取り外し可能なワンタッチボードもあります。
音の漏れやすい窓に防音効果の高い壁をはめ込むので遮音効果は高いのですが、光が全く入らなくなります。
状況によって取り入れるものを選んで、効果的に防音対策をしていきましょう。
マンションでピアノを楽しむためにもしっかりと対策をしよう!
マンションでピアノを楽しむためにはまず、自分のマンションが一体どういう規約で、防音対策をとっているのかどうかを確認することが重要です。
また、マンションには様々な状況の方が住んでいます。
しっかりと事前にご挨拶をして、ピアノの練習を理解してもらえるようコミュニケーションをとっていきましょう。
また、自分自身でできる防音対策もあります。
マンションでも音楽を楽しんでいけるよう、自分自身で環境を整えていきましょう。