念願のマイホームを新築する時、心配なのは建物本体ばかりではありません。
電気工事についても気にかかるところでしょう。
特に費用については、相場がわからず困っているという人も多いはずです。
そこでここでは、新築住宅の電気工事にどれくらいの費用が必要なのかについて、詳しく解説していきます。
また、電気工事の費用を抑える方法についてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
そもそも電気工事とは
新築住宅に限らず、ほとんどの建物で必要になるのが、電気工事です。
現在の生活において、電気のない暮らしはほとんど想像できません。
照明や空調はもちろん、食事、洗濯、掃除やお風呂、トイレに至るまで、ほとんどの場所に電気が必要になります。
電気工事は、そうした電気の供給のために行われるものです。
電気工事の種類は、建物によっても変わってきますが、主なものでは照明の設置や配線などがあります。
電気工事は危険を伴うため、一般的に「電気工事士」の資格を持つ人が行うようになっています。
素人が自分で工事を行うことは、火災や感電の原因となるため、原則として禁じられています。
もしも違反した場合には、罰則が科されることもあります。
新築住宅の場合、電気工事は工務店が手配した業者が行うのが通常です。
しかし、施主が自分で業者を選ぶことも、もちろん可能となっています。
これは分離発注というやり方で、業者選びの手間はかかるものの、費用が下がるかもしれないなどのメリットがあります。
電気工事の内容
新築の電気工事費用も気になりますが、工事の内容についても知りたいところです。
それでは、電気工事とは具体的にどんなことをするのでしょうか。
電気工事の内容は建物の用途によってさまざまですが、新築の場合は主に次の4つになります。
・配線工事
・空調工事
・照明器具工事
・通信関係工事
順番に見ていきましょう。
配線工事は、住宅の室内へ電気を引き込むための工事です。
具体的には、コンセントやスイッチといったもののケーブル類を繋ぐ作業になります。
空調工事は、文字通りエアコンを設置する工事で、照明器具工事は、各部屋に照明器具を設置する工事です。
そして通信関係工事は、テレビや電話、インターネットの回線を繋ぐ工事になります。
近年は光ケーブルの設置など、通信関係の工事の種類は増える傾向にあります。
この他にも、防犯カメラなど防犯関係の工事や、太陽光発電のための回線工事などがあります。
新築住宅の電気工事の費用相場
新築住宅の電気工事では、工事の内容も気になりますが、やはり費用についても知りたいところでしょう。
一体、新築の電気工事の費用はどれくらいかかるのでしょうか。
これについては、条件によって変わるというのが実際のところです。
住宅の大きさがどれくらいかにも左右されますし、設備内容によって工事の種類や規模も変わります。
また、地域や業者によっても金額が異なりますから、一概にどれくらいということは難しくなっています。
電気工事の費用の相場を知りたい時には、相見積もりを取るのがおすすめです。
複数の業者から見積もりを取ることで、ご自分の住宅の電気工事にいくらぐらいかかるのか、適正な金額が見極めやすくなります。
ただし、その際はどの業者も同じ条件で見てもらうことが大切です。
新築住宅の電気工事で気をつけたいこと
新築住宅では欠かせない電気工事ですが、どのような点に注意すればよいのでしょうか。
注意点は、大きく分けて3つあります。
1点目は、新築住宅特有の配線工事についてです。
新築の電気工事では、前述のように、各部屋へ電気を送るための配線を行います。
そのために分電盤を設置したり、電圧の調整等を行うのですが、こうした配線はもちろん、表に出ているわけではありません。
配線類は全て、壁の中に収めることになります。
そのため、万が一配線を間違えて工事を行い、後でそれが発覚した場合、壁を取り壊して配線し直さなくてはなりません。
こうしたことのないよう、しっかり気を配らなくてはなりません。
2点目は、木造とRC(鉄筋コンクリート)造の構造の違いです。
木造住宅の場合、配線工事の実施後に内装工事を行うため、後で配線ミスが発覚しても、比較的容易に手直しできます。
一方、要注意なのがRC造の住宅です。
こちらはコンクリート壁の中に配線が埋設されるため、後でやり直すことが非常に難しいのです。
そのため、RC造の場合は、配線ミスには特に気をつける必要があります。
そして3点目が、坪単価という表示です。
建築工事を行う際には、坪単価で大体の費用を求めることが一般的です。
しかし、一口に坪単価といっても、それが表す内容は場合によって異なります。
電気工事や設備工事を含んだ数字の場合もありますが、業者によっては建築工事のみの表記という場合もあるのです。
ですから、坪単価に電気工事費が含まれると思っていると、後で別途料金を請求されるということもあります。
こうしたことのないよう、坪単価の内にどういった費用が含まれているのか、あらかじめきちんと確認しておくことが必要です。
新築住宅の電気工事費用を抑えるには
新築の電気工事は、なるべく少ない費用で行いたいというのが実際のところでしょう。
では、どうすればできるだけ費用を抑えられるのでしょうか。
それには、コンセント類の個数や配置について、あらかじめしっかり考えておくことが大切です。
実は、電気工事で最も費用がかかるのは、後でコンセントやスイッチの数を増やす時なのです。
新たに設置する個数や場所に応じて費用がかかりますし、分電盤の交換も必要になることから、さらに費用はかさみます。
そのため、後で増設する必要のないよう、前もって配線についてよく考えておいた方がよいでしょう。
そうすることで、余計な費用をかけずにすみます。
また、複数の業者に見積りを依頼するのも有効です。
何社かを比べてみることにより、優良な業者を選んでコストを抑えることができます。
ただしあまり安すぎる業者を選ぶと、後で追加料金などを請求されることもあるため、注意が必要です。
あくまで適正な価格で、かつ良心的な業者を選ぶようにするのが大切です。
リフォーム時の電気工事費用の注意点
新築住宅を建てた後、リフォームで電気工事を行う場合もあります。
この時には、どんな点に気をつけるべきなのでしょうか。
前述のように、後でコンセントやスイッチなどを増やそうとすると、その分費用がかかります。
その際、新設か増設かによって費用が変わってくるのです。
新設とは、いままでコンセントが無かった場所に、新たなコンセントを設ける作業です。
一方、増設とは、コンセントの差込口を増やす方法になります。
これは、コンセントはあっても口数が足りないため、タコ足配線になっていたという場合などに行われます。
このうち増設は、現在の配線に新たな回路を繋ぐ工事のため、完成後の建物でも比較的容易に行えるようになっています。
しかし新設の場合は、現在のものとは別の配線を、新しく設置しなくてはなりません。
そのため、増設よりも手間がかかり、その分費用もかさんでしまいます。
その他、配線を壁の中に引くか外に出すかでも、手数や費用は変わってきます。
リフォームの場合はこうした点を考え、適切な方法で電気工事を行うようにしましょう。
新築住宅の電気工事は慎重に
以上、新築住宅の電気工事の費用等について、ご紹介してきました。
費用の相場については、さまざまな条件がからんでくるため、ひとくくりで言えない部分が多くなっています。
そのため、ご自身の住宅でどれくらいの工事費がかかるかについては、相見積もりを取るのが一番適当な方法でしょう。
また、建築後に配線ミスが発覚すると、手直しに大きな手間がかかるため、工事には細心の注意が必要になります。
そのようなことのないよう、信頼できる業者かどうかについても、事前にしっかりチェックしておくことが大切です。