マンションやアパートなどの賃貸物件の契約を行う前に、「入居審査」というものがあります。
この入居審査を通らなければ、物件の賃貸契約を結ぶことができません。
ここでは、賃貸物件の契約前に行われる入居審査について詳しく解説してまいります。
賃貸契約前に行われる「入居審査」とは?
「入居審査」とはずばり、賃貸契約を申し出ている入居希望者が家賃の滞納をしそうになかったり、他の住民とトラブルを起こすことがなかったりするかなどを調査することです。
マンションやアパートなどの賃貸物件は、貸主にとって大きな資産です。
万が一、借主が家賃を滞納したりトラブルを起こしたりするようなことがあると、貸主側からすると大変迷惑なことになります。
そのため、トラブルを未然に防ぐという意味で入居審査を契約前に行なっているのです。
基本的に、入居審査は書類上で判断されることが多いです。
しかし、物件探しで不動産会社を訪れた際にも、どのような人なのかを観察されることもあるようです。
ですから、「こちらは客だから」と横柄な態度で臨むようなことは避けるようにしましょう。
それでは、入居審査にどのような書類が必要なのか、入居審査がどのように行われるのかなど、順を追って解説してまいります。
マンションやアパートなどの入居審査に必要な書類とは?
マンションやアパートの契約前に行われる入居審査に必要な書類は、不動産会社によって異なります。
しかし、基本的に必要なものはだいたい同じですのでご紹介してまいります。
●入居申込書
不動産会社から渡される書類です。
不備なく記入します。
不備があると訂正などに時間を要することから、入居審査に時間がかかることがあるので注意しましょう。
●身分証明書
運転免許証やパスポートなど、顔写真付きの公的な身分証明書のコピーが必要になります。
●収入証明書
源泉徴収票や課税証明書、もしくは給与明細3か月分(直近のもの)が必要です。
●在職証明書
社会保険健康保険証、社員証、在籍証明書、内定通知書などが必要です。
これらの書類で、賃貸物件の支払い能力があるかを判断されることになります。
それでは、具体的にどのような審査となるのか、次の項で解説してまいります。
マンションやアパートなどの賃貸物件の入居審査はどう行われる?
マンションやアパートなどの賃貸物件の入居審査で、一番重視されるのが入居希望者の「収入」です。
収入から考えて、毎月発生する家賃の支払い能力がなければもちろん審査は通らないという理屈になります。
一般的に、家賃は多くても収入の約3割までにおさめることが理想的と言われています。
ですから、家賃の割合が収入の大部分を占めるようなことがあれば、継続して家賃を支払っていくのが困難だと判断されて入居審査が通らない可能性が高いでしょう。
さらに、これまで他の物件において家賃を滞納したことがないかということも調べられます。
収入をチェックすると同時に、勤務先やどのような職業なのかも確認されます。
職業がフリーターなどであれば、審査が厳しくなることもあるようです。
しかし、職業を偽って記入することは言語道断ですので、当たり前ですが嘘偽りなく記入するようにしましょう。
ちなみに、無職でも場合によっては入居審査を通ることがあります。
例えば、家賃を継続して1年~2年は支払っていけそうな資産があることを証明できれば、審査に通ることもあるようです。
賃貸契約時は「連帯保証人」が誰なのかも重要
賃貸契約を申し込む際、入居審査に必要な書類を提出しますが、その中の入居申込書の記入欄には「連帯保証人」があります。
入居審査では、この連帯保証人が誰なのかということも重要なのです。
誰もがご存知であるように、連帯保証人はマンションやアパートなどの賃貸物件の借主が家賃の支払いが困難なときに、代わって支払う人のことです。
この連帯保証人は、入居希望者の親など、親族であれば審査時に問題ないことが多いようです。
反対に、連帯保証人が親族でない場合は、家賃の未払いやトラブルが起きたときに責任を取ってもらうことが難しいことから、審査に通りにくいようです。
連帯保証人となっている方には電話連絡をするなど、書類の内容を精査したうえで審査されることになります。
中には、事情があって連帯保証人を頼む人がいない方もいらっしゃるでしょう。
そのような方は、連帯保証人を立てずにすむ保証会社を利用できる物件や、そもそも保証人がいらない物件を最初から探すようにするといいでしょう。
マンションやアパートなどの入居審査に通らない理由とは?
賃貸物件の入居審査に通らないことには、これまでお話ししてきた収入や職業などの他にも理由があるケースもあります。
その多くは、他の住民とトラブルが起きてしまいそうな可能性がある場合です。
例えば、入居者の多くが日中に仕事をしている中、入居希望者が夜勤のある仕事ということであれば、生活の時間帯が異なることから生活音などでトラブルになることがあるのです。
また、マンションの入居者ほとんどが一人暮らしという物件であれば、小さな子供がいる入居希望者は敬遠されてしまうことも考えられます。
さらに、友人同士など、他人同士の同居に関しても入居審査が通らない可能性があります。
友人同士の場合、将来的にどちらかが先に退去するケースがあります。
そのようなことになると、家賃を滞納するケースもあるので、審査に通りにくいことがあるようなのです。
入居審査に通りやすくするにはコツがある!
賃貸物件契約前にはこれまでご説明してきたようなことを審査され、許可が下りて初めて契約できるという流れになります。
しかし、マンションやアパートなどの賃貸物件の入居審査に通りやすくなるコツがあるのです。
まず、不動産会社を訪れる際の身だしなみや言動には気をつけるようにしましょう。
先述したように、横柄な態度を取ることを避けることも大切ですが、きちんとした身だしなみをすることも大切です。
見た目ですべてを判断されることはないかと思いますが、どのような人となりなのかをある程度チェックされているということは忘れないようにしましょう。
また、夜勤があったりと勤務時間が不規則な方は、同じような勤務体系の方が多い物件であれば審査も通りやすいのではないでしょうか。
希望の物件にすでに入居されている方がどのような勤務体系なのかを、不動産会社の方に聞いてみるといいでしょう。
もしも、入居審査に通らなくても、別の物件であれば審査を通ることも十分にあります。
審査の基準を決めるのはあくまでも貸主なので、貸主によって判断基準が異なります。
入居審査に通らないような特別なケースが自分には見当たらないのであれば、他の物件では問題なく審査に通ることもありますので気を落とさないようにしましょう。
賃貸物件契約前に必ずある入居審査
どのような賃貸物件も、契約前には入居審査が行われます。
収入や職業、連帯保証人などによって審査が通るか否かわかれるところではあります。
しかし、審査が通らないからと言って落ち込むことはありません。
場合によっては、他の物件で何の問題もなく審査に通ることもあります。
特に身だしなみと言動には気をつけて、不動産会社に訪れることをおすすめします。