鉄骨造は耐火被覆で耐火建築物に!防火地域の仕様規定に注意

マイホームを建てるとき、地域によっては建物を「耐火建築物」にしなければない仕様規定がありますが、その言葉を初めて聞く方も多いかもしれません。

例えば、都市計画法が定める防火地域の場合、耐火性能のない鉄骨造は、その主要構造部を耐火被覆することで、耐火建築物の基準を満たす必要があります。

この記事では、耐火建築物という都市計画法の仕様規定から、鉄骨造における耐火被覆についてお話ししていきます。

スポンサーリンク

関連のおすすめ記事

2LDKは広さが魅力!一般的なイメージよりも万人におすすめ?

誰かが「1人暮らしで2LDKのアパートに住んでいる」などと聞くと、人によってはその部屋数や広さな...

1LDKでも子育てはできる?間取りのメリット・デメリットとは

新婚夫婦でアパートなどの賃貸住宅に住むことになった時、1LDKの部屋を選ぶこともあるでしょう。...

「1LDKのひとり暮らし」に必要な広さの目安はどれくらい?

ひとり暮らしをする場合、必要な部屋の広さはどれくらいが良いのでしょうか。あまりに広いと持て余...

中古物件をDIYでリフォームする際の注意点は?

お値打ちな価格で購入できる中古物件ですが、業者に頼んでリフォームをすると、ある程度多くの資金が必...

駐車場をコンクリート舗装する際は厚さや施工方法に注意!

新築する際、外構のことを同時に考える必要があります。外構には多くの場合、駐車場が含まれていま...

鉄骨造に対する耐火被覆の必要性とは?火災から家を守る!

防火地域や準防火地域に住む方は、「耐火被覆」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。...

窓に換気扇を取り付けるべき場合は?どんな時に役に立つ?

住宅などの建物には、いくつかの部屋に換気扇が取り付けられています。それらは、主に壁に取り付け...

木造・軽量鉄骨造の耐用年数はどのくらい?住み心地の差は?

住宅を建てることを考えた時、木造・軽量鉄骨造どちらにするか悩む方も多いことでしょう。どち...

おしゃれなモルタル玄関!そのメリットとデメリットとは?

おしゃれな家で最近よくみかけるモルタル床の玄関。スタイリッシュで憧れますよね。しかし、モ...

窓の寸法の測り方!内窓からカーテンまで目的別にご紹介

私たちの生活に何気なく存在している窓には、さまざまな形やサイズがあります。それらの窓に対し、...

家の構造で木造と鉄骨はどう違う?見分け方はあるの?

マイホームを検討している方の中には、家の構造から悩んでしまう方もいるのではないでしょうか。...

コンクリート駐車場の目地には芝生がよい?何がおすすめ?

自宅の駐車場は、コンクリート舗装にすることが多いですよね。コンクリート舗装では、ひび割れ防止...

木造住宅に屋上をつくるには?雨漏りリスクに備えた家づくり

新築で木造住宅を検討している方の中には、屋上をつくっておしゃれなリビングスペースや庭として活用し...

1LDKの間取りは縦長だと不便?細長い部屋は生活動線に注意

1LDKにはさまざまな間取りがありますが、中には間取りが細長くなっている物件もあります。...

2LDKの使い方!2人暮らしの場合でシミュレーションしてみた

リビング・ダイニング・キッチンの他に、部屋が2つ設けられているのが「2LDK」です。2人暮ら...

スポンサーリンク

防火地域で求められる耐火建築物とはどんな仕様規定なのか

私たちの住む地域では、火災を防ぐ防火上の観点から、建築基準法や都市計画法によって建築物の仕様規定があります。

これは元来、延焼リスクが高い木造建築を主流とする日本にとって、非常に重要な防火対策と言え、特に防火地域に住んでいる方は必ず身に付けておくべき知識です。

では、そもそも「耐火建築物」とは、具体的にどのような仕様規定なのでしょうか。

「耐火建築物」とは、主要構造部が耐火性能を有し、かつ、延焼リスクが高い窓などの開口部に、火災を遮断する設備を持っている建築物を指します。

建物の構造で核となる主要構造部は、具体的に「柱、壁、床、屋根、梁、階段」と建築基準法で定められており、火災による火熱に耐えることができる性能を満たしていることが求められます。

このような耐火の仕様規定は、都市計画で定められた防火地域内の一定の建築物において求められるため、まずは自分たちの家が建つ地域がどうなっているのかを知る必要があります。

例えば、火災の延焼拡大リスクが高い主要駅や建物が密集した市街、住宅街などは、「防火地域」、もしくは「準防火地域」に指定され、特に防火地域の建築ルールは最も厳しくなります。

つまり、この防火地域・準防火地域に家を建てるのであれば、木造はもちろん、鉄骨造の住宅も耐火被覆を施す必要があります。

鉄骨造には耐火被覆が必要?火災に弱い鉄骨の性質

鉄骨造と言えば、建材自体は燃えない鉄であるため、木造と比べると火に強いイメージが先行しがちです。

そのため、「鉄骨造にも耐火被覆が必要なのか」と疑問を抱く方もいることでしょう。

しかし、実は鉄骨自体は熱に非常に弱い建材で、350~500度前後の熱に晒され続けると、本来の強度を維持することができずに、急激に軟化してしまう性質があります。

つまりこれは、火災が起きた場合、火熱に晒され続けた鉄骨造の建物は短い時間で倒壊する危険性が高いということです。

それに対し、燃えやすい木造は、表面からゆっくり時間をかけて燃えていくため、内部まで焼け落ちるには時間を要します。

そのため、木造の火災は、急激に強度が低下する鉄骨造と違い、建物から逃げる時間を確保することができます。

このことから、鉄骨造は木造よりも火災(火熱)に弱いと言われ、防火地域・準防火地域内の一定の鉄骨造にも、「建物の倒壊防止」を目的とした、耐火建築物の仕様が求められているのです。

耐火建築物の仕様規定を満たすために!鉄骨造の耐火被覆とは

では、耐火被覆とはどのような仕様になっているのでしょうか。

耐火被覆とは、火熱に弱い鉄骨造の主要構造部分を、耐火性・断熱性の優れた素材で被覆する工事で、耐火建築物であることが求められる地域の建物に施工されます。

主構造部となる鉄骨の骨組みに被覆することで、火災による倒壊リスクを大幅に下げ、建物から逃げる時間を確保することが望めます。

被覆を施す建物や部位によって、耐火被覆の工法も変わってきますが、一般的には「ロックウール」という造鉱物繊維が断熱材として用いられます。

微細な繊維の間に大量の空気を含んでいるため、およそ700度の熱にも耐えうる能力があります。

また、耐火性・断熱性に加え、吸音性にも優れるロックウールは、一般的な住宅だけでなく、防音対策として工業施設などの建築物でも被覆材として活躍しています。

鉄骨造にはどのような工法で耐火被覆をする?

鉄骨造が耐火建築物の仕様基準を満たすための工事として、主にロックウールによる耐火被覆が行われていることが分かりました。

では、実際に鉄骨造に耐火被覆を施す場合、どのような工法で行われるのでしょうか。

まず、ロックウールによる耐火被覆では、最も主流となっている「吹付け工法」が挙げられます。

「吹付け工法」とは、その言葉通りに施工機械で直接吹付けます。

あらかじめ工場で圧縮梱包されたものをほぐして施工するため、現場では事前準備に手間がかかることはありません。

施工素材も短時間で乾燥するため、施工能率が非常に良い被覆工法です。

また、他の工法としては、被覆材を鉄骨に巻き付ける「巻付け工法」が挙げられます。

耐熱ロックウールと不織布を材料とする被覆材を、鉄骨部に巻き付けてピンで留めます。

工法も難しくないため、吹付け工法と同様に長期的な工期を必要としません。

この他にも、成形板工法や耐火塗料工法などいくつかやり方があるため、依頼業者によく相談するのが良いでしょう。

耐火建築物の仕様が求められる建築基準とは?

鉄骨造に対する耐火被覆の必要性・工法について詳しくお話ししてきました。

では実際、防火地域や準防火地域では、どのような建物に耐火建築物の仕様規定が求められるのでしょうか。

防火地域と準防火地域に分けて、それぞれ詳しく見ていきましょう。

まず、防火地域内に住宅を建てる場合、延べ床面積100m²以上、または3階以上の建物は、耐火建築物にすることが求められます。

また、延べ床面積が100m²以下の建物であっても、3階以上は耐火建築物、1、2階は耐火建築物、もしくは「準耐火建築」である必要があります。

「準耐火建築物」とは、建物の主要構造部が耐火建築物の構造に準じた耐火性能を有する建物です。

例えば、耐火建築物と認められない鉄骨造でも、耐火被覆を施工することで、耐火建築物、もしくはそれに準じた準耐火建築物の基準を満たすことができます。

次に、準防火地域内の場合では、延べ床面積が1500m²以上、もしくは4階建て以上の建物は、耐火建築物にしなければなりません。

また、延べ床面積が500~1500m²、もしくは3階建て以上の建物は、準耐火建築物にする必要があります。

さらに、上記のような建物以外にも、「特殊建築物」と認められる学校や病院、映画館などは、耐火建築物であることが求められます。

耐火性能の義務付けは開口部にも!求められる防火設備とは

前項では、防火地域と準防火地域の耐火建築物のルールを見てきましたが、耐火性能が乏しい鉄骨造などの構造だけでなく、防火に対する仕様の義務付けは他の部分にもあります。

それは、延焼の恐れのある外壁の窓(開口部)です。

具体的には、以下のような遮炎性能を有した防火設備を設けることで、延焼拡大のリスクを防止します。

①網入りガラス:一般的な防火設備

特徴:ガラス内部に金属製のワイヤーを封入している

・火災による窓の脱落や破損時の飛散を防止
・隣家への延焼拡大を防ぐ

②パイロクリア(耐熱強化ガラス)

特徴:特殊な熱処理加工を施した超強化ガラスで、高い遮炎性を有する

・通常のガラスの6倍以上の強度を誇る
・地震時にも脱落・破損しづらい
・飛散被害を抑える
・防犯性に優れる

防火地域・準防火地域には、以上のような防火設備の設置が求められます。

新築で家を建てる場合は、依頼業者に確認してみると良いでしょう。

まずは家が建つ地域のチェックから

都市計画法で指定された防火地域・準防火地域内の建物には、耐火建築物のルールがあります。

一見、火に強いイメージのある鉄骨造でも、実際は火熱への耐性はないため、耐火被覆によって火災に強い構造にする必要があります。

まずは、自分たちの家がどの地域に位置するのか確認してみてください。