登記・契約で必要な印鑑証明書!有効期限はあるの?

登記や契約で必要になる印鑑証明書は、「発行日から3ヶ月以内のものを提出してください」といった条件があることが多いですね。

しかし、この有効期限にバラつきがあることも、めずらしくはないでしょう。

印鑑証明書に、正しい有効期限はあるのでしょうか。

記事後半では、印鑑登録証や印鑑証明書の悪用を防ぐ方法もご紹介します。

登記で必要になる印鑑証明書とは?有効期限はあるの?

印鑑証明書は、印鑑登録の手続きが行われた後に発行でき、登記した印鑑が本物だということを証明できる書類です。

印鑑登録は15歳以上から手続き可能になり、住民登録している市区町村役場で行うことがほとんどです。

身分証明書と、実印として登録したい印鑑を持って行けば即日で手続き完了となります。

印鑑登録を行うと、印鑑登録証というカードを受け取ることができますが、これは印鑑証明書とは違う役割を持つものです。

印鑑登録証は印鑑証明書を発行する時に使います。

印鑑登録の際にマイナンバーカードを持って行けば、マイナンバーカードを印鑑登録証として、印鑑証明書を発行することもできます。

印鑑証明書が必要になるのは、不動産売買契約時や公正証書の作成、会社の設立など重要な契約が交わされる場合です。

そうした契約の時には、実印と印鑑証明書を提出し、それを照合することで「本人が実印を使用した」ということが認められます。

そのため、契約書の法的な効力を高めるために、印鑑証明書は大切な役割を担っています。

そんな印鑑証明書ですが、提出する際に「取得後3ヶ月のもの」と条件が付けられることがあります。

印鑑証明書に、有効期限はあるのでしょうか。

登記に使う印鑑証明書には基本的に有効期限がない!有効期限がつくのはなぜ?

印鑑証明書を提出する際には、発行されてから3ヶ月、あるいは6ヶ月以内のものを用意するように言われることが多いでしょう。

そのため、印鑑証明書には有効期限があるという認識をお持ちの方も多いと思います。

しかし、法的には有効期限というものはないので、提出を求める側が設定している期限ということになります。

基本的には、内容に変更がなければ印鑑証明書は無期限で有効だと言えるでしょう。

では、なぜ登記や契約時に、条件付きで印鑑証明書を提出するよう求められるのでしょうか。

その理由としては下記のことが考えられます。

・新しい印鑑証明書のほうが信用できる

何十年も前の古い印鑑証明書でも、実印や個人情報に変更がなければ有効ですが、受け取る側としては不安感を感じるものではないでしょうか。

本人が意思表示できる期間にも限度があるといった考え方で、発行されてから3ヶ月というような有効期限を設けていると考えることができます。

印鑑証明書の「発行から3ヶ月」とは?相続登記などでは制限がない

登記などで使用する印鑑証明に、3ヶ月といった有効期限が設定される理由としては、金融機関の手続き内容も関係していると言われています。

不動産に抵当権を設定する時には金融機関で手続きをすることになりますが、そこで3ヶ月以内の印鑑証明書の提出が求められていたことから、徐々に一般に浸透していたのではないかということです。

とはいえ、基本的には印鑑証明書に有効期限がありませんので、定期的に実印を変更するために印鑑登録の手続きをする必要はありません。

また、相続登記においては、印鑑証明書が発行された日付について厳しく見られることはないでしょう。

あまりにも古い印鑑証明書は使用できない可能性がありますが、遺産分割協議書を作成した日付より前にとったものでも使えるということになっています。

3ヶ月、6ヶ月といった制限はありません。

さらに仮登記承諾書にも、基本的に期間の制限はありません。

印鑑証明書が無効になるケースとは

印鑑証明書の有効期限について、どうとらえるべきなのかお伝えしました。

売買契約などの場合は、取引先によって有効期限が設けられますが、相続登記や仮登記などは期限を細かく設定することはないのです。

しかし、どんな場合でも印鑑証明書が有効になるというわけではありません。

職権削除により無効になるケースもあります。

職権削除とは、登録者本人が登録した住所に住んでいないことが分かった場合に、住民基本台帳法に則って市区町村長が住民登録を消除できるということです。

そうなると、印鑑登録も印鑑証明書も無効になり、発行もできなくなります。

虚偽の転入により補助金を不正受給した事例もあり、そうしたケースでは職権削除が行われます。

また、引っ越して住民票が移動した場合には、新しい印鑑登録の手続きを行う必要があります。

印鑑証明はそれぞれの役場で承認されるものですから、住民票を移せば新しい住所で管轄の役場へ印鑑登録を行わないと、前の住所の印鑑登録は無効となります。

ただ、この場合に無効となるのは印鑑登録であり、印鑑証明書ではありません。

契約で重要なのは本人確認ですので、前住所で発行された印鑑証明書でも実印の証明ができれば有効だと認められる場合が多いでしょう。

印鑑証明書が悪用されることを防ぐ方法

印鑑証明書に法的な有効期限がないことを知ると、登記や契約で悪用されるのではないかと不安に思う方もいるでしょう。

実際に、印鑑証明書と実印が悪用される事件は発生しています。

では、印鑑登録・印鑑証明書の悪用を防ぐためにはどうしたらいいのでしょうか。

●印鑑登録証・実印を失くさない

印鑑登録証や印鑑証明書はきちんと管理しましょう。

印鑑証明書であれば、提出すれば手元には残りませんが、印鑑登録証は自宅で保管することが多いものです。

できればパスワード付きの金庫などで厳重に保管しておきましょう。

実印も同様で、失くしたり盗まれたりしないように保管しておいてください。

その際、印鑑登録証とセットで管理するのではなく、別々に保管したほうがいいでしょう。

どちらか一つを盗まれても、片方が残るのでリスクを分散することができます。

●実印は文字と重なるように押す

実印は、氏名の最後の一文字に重なるように押すことで、複製されるのを防ぐことができます。

ただし、文字に重なりすぎると印影が分かりにくくなるので注意が必要です。

印鑑証明書を悪用されないための一手間

引き続き、印鑑登録・印鑑証明書の悪用を防ぐ方法をお伝えしていきます。

●実印登録の廃止を行う

個人であれば、実印と印鑑証明書が必要になる機会も少ないでしょう。

ですから、印鑑登録を利用した登記や契約後にその都度登録抹消を行っても、それほど不便さを感じないかもしれません。

また印鑑証明書が必要になった時に、新たに印鑑登録を行って発行するのも悪用防止として効果があります。

もし実印と印鑑登録書が盗まれたとしても、登録が抹消されていれば、その印鑑登録書で印鑑証明書を発行することはできません。

●印鑑証明書の発行は必要最低限の数を

印鑑証明書は予備として複数取得するよりも、必要な分だけを発行することをおすすめします。

余った印鑑証明書を手元に保管していると第三者の手に渡るリスクが高くなります。

前述したように有効期限はありませんので注意してください。

もし余った場合には、シュレッダーなどで処分したほうがいいでしょう。

印鑑証明書の悪用には注意しよう

印鑑証明書の有効期限は、提出先によって設定されるものです。

つまり、発行されてから3ヶ月、といった条件は法律で定められているものではないということです。

もし悪用されないか不安に思った方は、実印と印鑑登録証をきちんと管理しましょう。

余った印鑑証明書があれば、なるべく破棄するようにしてください。

また、手間はかかってしまいますが、印鑑登録の廃止により古い印鑑証明書の効力をなくす方法も有効です。