老後の単身高齢者の賃貸問題!保証人なしでは借りられない?

高齢化が進む現代では、特に老後の単身高齢者における賃貸問題が大きく取り上げられています。

持ち家がない単身高齢者の場合、住まいを賃貸に頼る必要がありますが、賃貸契約においては連帯保証人を求めることが多いため、契約を断られるケースが少なくありません。

この記事では、単身高齢者が直面する賃貸の保証人問題を始め、その背景で増加している保証会社についてご説明していきます。

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老後の単身高齢者が抱える問題!保証人探しの現状

高齢化社会の現代では、65歳以上の人口が全人口の21%を超えており、単身高齢者はおよそ600万人以上にも上ります。

そして、この高齢化は進んでいくと予想されています。

ところがその一方で、高齢者にとっては住みづらい世の中にもなっています。

特に単身の高齢者には住居の確保が難しくなっているのです。

持ち家があれば問題ありませんが、アパートなどの賃貸を借りる必要があれば、連帯保証人が求められることがほとんどです。

しかし、高齢化、そして家族・親族の希薄化によって、多くの単身高齢者はこれらの保証人を確保することができず、保証人を第三者に依頼せざるをえない現状が深刻化しています。

さらに、老後の単身高齢者は、その年齢からただでさえ賃貸住宅を貸し渋られることが多く、住まいを確保することが難しくなっています。

日本は今後ますます高齢化が進んでいくと考えられるため、このような賃貸問題は決して他人事とは言えません。

賃貸契約にはなぜ保証人が必要?

そもそも、賃貸の契約にはなぜ連帯保証人が必要なのでしょうか。

連帯保証人とは、借主が滞納している家賃を代わりに返済する義務を負う人を指します。

意味としては基本的に「保証人」と変わりませんが、連帯保証人の方がより厳格な責任が課せられ、支払い拒否などの抗弁権がありません。

つまり、万が一借主が家賃を支払うことができなくなっても、連帯保証人がいることで確実な支払い請求をすることができるのです。

賃貸経営者にとっては、家賃は収入源であるため、連帯保証人を求めることは当然のリスクヘッジと言えます。

また、特に借主が老後の単身高齢者である場合は、孤独死などの懸念もあります。

仮に孤独死が発生した場合、家賃を始め、原状回復や遺品整理に発生する後処理費用は軽視できず、それを賃貸経営者が負担するとなると経営が立ち行かなくなります。

そのため、それらの費用は相続人と連帯保証人に対して請求され、仮に相続人がいない場合は、全ての費用を連帯保証人が請け負うことになっているのです。

このような理由から、賃貸契約における連帯保証人は、賃貸を貸す上では極めて重要な条件であると言えます。

賃貸契約だけじゃない!入院や介護施設でも保証人は必要

保証人が求められるのは、何も賃貸契約だけではありません。

入院や介護施設に入る際にも、「身元保証人」が必要になります。

本人に費用の支払い能力がない場合、「身元保証人」は入院費やそれに伴う諸費用を代わりに支払うようになっており、万が一本人が亡くなった場合は、遺体を引き取る責任も負います。

また、病院では医療に関わる意向、意思、同意などの際にも身元保証人が必要となります。

このように、賃貸契約はもちろん、入院や介護施設に入る際にも必ず保証人が求められているのです。

しかし、老後の単身高齢者の場合、家族や親族の不在から、第三者に連帯保証人を頼まざるを得ません。

さらに、連帯保証人や身元保証人は重大な責任が伴うため、快く引き受けてくれる人を探すのは非常に困難だと言えます。

では、保証人の確保ができない高齢者は、賃貸契約を諦めるしかないのでしょうか。

次項で詳しく見ていきましょう。

老後の高齢者が賃貸契約する方法!家賃債務保証

老後の高齢者が賃貸を借りる際、連帯保証人が見つからない場合は、「家賃債務保証」という制度を使うことができます。

「家賃債務保証」とは、賃貸契約の際に求められる連帯保証人に代わり、保証会社が肩代わりの役割をするセーフティネット制度です。

例えば、借主が家賃を滞納した場合、一定範囲内の金額を保証会社が立て替える「代位弁済」となっており、連帯保証人がいなくても賃貸が借りやすくなります。

また、家賃債務保証には、基本的に以下のような2種類の契約形態があります。

①一般保証型:借主が家賃を滞納した場合、借主に対して保証会社が弁済する

②支払い委託型:毎月の家賃を保証会社が弁済する

賃貸経営者にとっては、「第三者弁済」である連帯保証人よりも家賃の回収が強く望め、滞納リスクを回避できるメリットがあります。

一方、家賃債務保証はあくまでも「代位弁済」であるため、滞納家賃の立て替え後、借主には保証会社への一括返済が求められ、確実な返済をしなければなりません。

万が一、保証会社への支払いが困難になれば、当然その賃貸に住み続けることも難しくなるので、そういったデメリットについてもよく知っておくことが大切です。

家賃債務保証にはトラブルもある?

前項では、賃貸契約をする際、老後の高齢者が保証人の代わりとして利用できる「家賃債務保証」についてご説明してきました。

近年、高齢者の単身世帯が増え続ける社会状況を背景に、家賃保証会社は急速に増加していますが、その仕組みは前述したように、あくまでも代位弁済であることを忘れてはいけません。

また、家賃保証会社については、規制するための法律や制度がないため、様々なトラブルが生じています。

例えば、不明瞭な請求や過大な手数料、保証に対する説明不足などの相談が多く上がっており、その相談件数は年間600件以上にのぼっています。

特に、滞納者に対する強引な取り立てや督促、強制退去などが大きな問題になっている一方で、その保証料を回収できない保証会社の倒産も後を絶ちません。

しかし、このような様々な課題がひしめく家賃債務保証制度に対し、国土交通省は「家賃債務保証業者登録制度」の検討を進めており、今後の制度改善に取り組んでいます。

新たな制度で保証会社の向上を!老後でもより入居しやすく

「家賃債務保証業者登録制度」とは、2017年10月に施行された「新たな住宅セーフティネット制度」と併せて創設されたもので、家賃保証会社に対して、国からの公的なお墨付きを与える制度です。

登録対象となるのは、一定要件を満たす家賃保証会社で、登録した保証会社の情報は国によって一般公開されます。

そして、登録業者に対して、保証業の適正な運営確保、整備、相談窓口の設置など、制度で定めた共通ルールを遵守させることで、業務適正化に向けた意識の向上を図ります。

さらに、住宅確保要配慮者のみを対象とする賃貸住宅では、契約者の初回契約料に対して、最大6万円の補助を行うと規定しており、国全体でサポートする体制になっています。

ただし、この制度はあくまでも「任意制」であるため、全ての家賃保証会社が登録するわけではありません。

しかし、この制度によって、保証人のいない老後の高齢者が、賃貸物件により入居しやすくなることは間違いないでしょう。

高齢者の安心した住まい確保のために

単身高齢者が増え続けることが予想される日本では、保証人を巡る賃貸問題は決して無視できません。

そのため、保証人の代わりとなる家賃保証会社は必ず求められ、それに伴った制度づくりが必要になります。

家賃債務保証業者登録制度により、保証会社の信頼性を高めることができれば、高齢者の安心した住まい確保が実現できるでしょう。