白地と青地の違いとは?農地にも区分があるのはなぜ!?

農地は農地法の適用により自由に売買ができないことは、既に広く知れ渡っている事実だと言えるでしょう。

しかし、農地が「白地」や「青地」という区分わけをされていることは、あまり知られていないのではないでしょうか?

実は農地所有者でも「所有している農地が白地か青地か」知らないという人も多いようです。

白地や青地が何を意味しているのか、違いなどについてご説明していくので参考にしてみてください。

農地には「白地」と「青地」がある!

農地とは一般的に耕作の目的に供する土地のことで、田や畑、採草放牧地帯などのことを指します。

所有している土地の売買や賃借は自由にできるのが原則ですが、農地には農地法の適用があり自由に売買や賃貸をすることができません。

優良な農地の確保や生産力の増進をはかるためです。

そのため原則的には、農家以外の人が農地を購入したり賃貸したりすることができません。

さらに、農地の売買や賃貸は農業委員会の許可が必要だとされています。

しかし、農家の高齢化で後継ぎがいない場合や相続で取得したものの不要の場合など、農地を売却したり賃貸したい時もでてくるでしょう。

農地は原則農家でなければ購入したり賃貸したりできませんが、農地以外へ転用できる土地が存在します。

もちろん農業委員会の許可は必要となりますが、農地以外へ転用することで建物を建てたりすることが可能となります。

一般的にこのような農地が「白地」と呼ばれています。

逆に原則転用が認められず、農地としてしか利用できない土地のことを「青地」と呼びます。

白地、青地というのは農振法という法律による区分わけのことで、農業振興地域内の農用地区域である青地は最も厳しく規制されているのです。

農地が白地か青地か調べる方法は?

農地が白地か青地かどうかで転用できるかどうかが変わってくるので、売買や賃貸に大きく関わってきます。

そのため農地が白地なのか青地なのか、調べておくと良いでしょう。

農業振興地域は都道府県が決定しますが、農用地区域は市町村が決定するため農地が白地か青地かを調べたい時は、各市町村の農林業振興課に問い合わせをしてみましょう。

基本的に農用地区域の管理は、地番管理ではなく図面で管理されています。

電話での問い合わせには応じてもらえないことがほとんどなので、注意しましょう。

農地の特定は公図を駆使しても難しい場合が多いため、電話で問い合わせをしても一度足を運んでもらうように促されます。

その際には調べたい農地の所在と地番、面積が必要となりますので調べておきましょう。

地番は住居表示とは別のものなので注意が必要です。

固定資産税納付書などに地番が書かれていますので、確認してみてください。

農林業振興課へ行く時は、ブルーマップなどで土地の場所や周辺のわかる地図を用意しておくとよりスムーズに進みます。

青地の農地を白地に変えるためには?

所有している農地が青地だった場合、原則的に農地としてしか使用できないため、転用を前提とした売買や賃貸が難しいと言わざるをえません。

農地を農地として売却する場合、売却額はかなり安くなります。

そこで青地を白地に変える方法はないのかと考える人がでてくるでしょう。

もちろん、方法はあります。

「農振除外」という手続きです。

農振除外の手続きをすれば青地の農地も白地へと変わり、転用できる可能性がでてきます。

しかし農振除外の手続きは、簡単なものではありません。

受付をし、審査ののち許可か不許可の通知が発行されるのですが、除外から転用許可まで早くても1年、遅いと2年以上かかることがほとんどです。

しかもいつでも申請を受け付けてもらえるわけではありません。

自治体によって変わりますが受付期間は年に1、2回程度なので、受付にも時間がかかります。

さらに農振除外の申請には多くの書類や資料が必要となります。

個人で行うにはかなりハードルの高い申請となるでしょう。

どんな青地も白地に変更できるわけではない!

農振除外という手続きで青地の農地を白地に変更することができますが、どんな青地の農地も白地に変更できるわけではありません。

農振除外には「除外することが本当に必要なのか明確な理由」が必要になるからです。

青地を白地に変更する農振除外の容認には、5つの要件が満たされる必要があります。

必要性や代替え性、農作業の効率化などの要件を満たす必要があるのです。

具体的な計画があって、農地利用がやむを得ないと判断されるだけの理由がないと認められません。

「自分の土地だから」という理由では、農振除外が認められることはありません。

「転用ができないと売却額が安くなるから」という理由でももちろん認められません。

さらに具体的な計画があったとしても、所有している他の農地が白地の場合には代替え性があると判断され、農振除外が認められることはないでしょう。

手続きに時間がかかっても必ず認められるわけではないので、注意してください。

白地になったからと言って必ず農地転用が認められるとは限らない!?

農地が白地に変更されたからといって、必ずしも農地転用が認められるわけでもありません。

農地転用は「立地基準」と「一般基準」で判断をされます。

青地から白地に変わることで立地基準をクリアすることはできても、一般基準をクリアしなければ農地転用は認められないのです。

一般基準では転用の申請目的などについて判断します。

資力や信用、関係権利者からの同意などの一定事項を審査されるのですが、転用した土地を申請に係る用途に供することが確実と認められなければなりません。

そのためきちんとした計画が必要です。

「なんの目的もないけれど許可だけとっておく」というようなことはできないので注意しましょう。

さらに「周辺の農地の営農条件に支障を生じさせないか」についても審査されます。

一般基準で要件を満たさないと判断されれば、白地の農地であっても転用はできません。

農振除外の手続きは専門家に任せよう!

青地の農地を白地へと変更することで、転用が許可される可能性がでてきます。

しかし青地の農地を白地へ変更する農振除外の手続きは、必要書類や添付資料が多く手間もかかるためかなりの時間を要することは間違いがありません。

そのため手続きに不慣れな個人で全てを行うことは、かなり難しいでしょう。

農振除外の申請は年に1~2回しかなく、申請時期を逃してしまうと半年から1年もの期間待つはめになってしまいます。

申請時期も1回につき1ヶ月程度しか設けられていないので、申請時期前に万全の状態にしておきたいところです。

もちろん手続きを自分ですることもできますが、一度専門家に相談してみてはいかがでしょうか?

農振除外の申請手続きは委任状の元、行政書士が請け負ってくれます。

いきなり行政書士への相談がしづらい場合は、不動産業者に相談してみると良いでしょう。

農地転用に強い不動産業者だと、必要書類や添付資料などについてもアドバイスしてくれますよ。

まずは白地か青地かの確認を!

農地とひとまとめにしがちですが、農地の中でも「白地」と「青地」とに区分わけされています。

これは農振法という法律によって分けられており、市町村が決定しています。

原則的に転用が出来ない青地の農地は、売買や賃貸が難しくなるため白地へ変更したいと考える人も多いでしょう。

しかし手続きには手間と時間がかかり、必ずも変更されるわけでもありません。

まずは専門家への相談をおすすめします。