賃貸物件に入居するとき、初期費用の金額に驚く方も少なくないでしょう。
しかし、その初期費用を交渉次第では多少出費をおさえることもできます。
特に礼金は値下げ交渉が可能な場合もあります。
とはいえ、新築物件となると値下げ交渉は難しいといわれています。
この記事では、礼金の値下げ交渉にまつわるお話をしていきます。
初期費用って何?敷金礼金だけじゃないの?
賃貸物件に入居を検討していると、かかる費用が気になりますね。
まず初期費用からお話ししていきます。
初期費用は、
・敷金(家賃1~3ヶ月分程度)
・礼金(家賃1~2ヶ月分程度)
・仲介手数料(家賃1ヶ月分程度)
・前家賃(1ヶ月分)
・火災保険料(数千円~数万円程度)
・鍵交換(1~3万円程度)
敷金や礼金だけではなく、他にもさまざまな費用をすべてまとめて初期費用となります。
初期費用として、家賃の5~6ヶ月分を目安に用意しなければなりません。
一時金としてまとまった金額を用意しなければなりませんから、金銭的な負担は大きいことでしょう。
そこで、少しでも初期費用を少なくするために、礼金の値下げ交渉するという選択肢があります。
特に新築物件の場合は、値下げは難しいというイメージがあると思いますが、いくつかの方法がありますので後述していきます。
礼金の値下げ交渉って失礼?
まず、礼金についてですが、「部屋を貸してくれたお礼の気持ちとして、大家さんに渡すお金」を礼金といいます。
これは、昔からの慣習で、住宅不足というなかでも部屋を貸してくれた大家さんに感謝を伝えるということが現代にも引き継がれているようです。
そして、礼金はお礼ですから、一度渡したら返ってくるお金ではありません。
このような意味を持つ礼金ですが、実際には、礼金なしの物件も多数見受けられます。
つまり、初期費用のなかでも、礼金の値下げ交渉はしやすい傾向にあります。
値下げ交渉は、決して失礼なことではありませんが、値下げ交渉に適した時期があります。
値下げ交渉がしやすい時期は、閑散期と呼ばれる4~7月です。
礼金を値下げすることで、空室が埋まるのであれば、大家さんにとっても悪いことではないので、この期間なら値下げ交渉が成立しやすいかもしれません。
とはいえ、新築物件となると値下げ交渉は難しいかもしれません。
では、どのような物件が値下げ交渉しやすいのでしょうか。
礼金の値下げ交渉がしやすい物件とは?
礼金の値下げ交渉がしやすい物件にはいくつかの特徴があります。
ではその特徴をみていきましょう。
●礼金が高い
礼金は1~2ヶ月分程度とお伝えしましたが、礼金の金額が2ヶ月~3ヶ月といった、高めの設定であれば、交渉がしやすいといえます。
そのため、礼金が2ヶ月分以上の場合は、値下げ交渉をしてみるのも良いでしょう。
●人気がない物件
さまざまな理由から空室となっている物件は、値下げ交渉がしやすいでしょう。
例えば、
・築年数が経過した物件
15年以上の築年数となると、古い印象となってきます。
・交通の便がよくない物件
最寄り駅まで距離があるような物件は、人気が低い傾向にあります。
・日当たりがよくない物件
部屋が暗く、洗濯物の乾きが悪くなるので空室が埋まりにくいようです。
・1階の物件
道路に面しているので、防犯的に心配を感じる方は避ける傾向にあります。
・周辺環境
墓地がそばにあったり、歓楽街で夜中でも騒がしかったりするような環境は避けたい方が多いでしょう。
●空室が多い物件
同じ物件内に空室が多数ある場合、その分大家さんの家賃収入は少なくなっていますから、入居してもらうために、礼金の値引き交渉が成立する可能性が高いでしょう。
内見の際に、窓にカーテンがない窓は空室と考えられますから、空室が多数あると判断できますね。
●専属媒介の物件
仲介業者が数社ではなく、特定の専属業者に限られている物件は、専属媒介の物件です。
専属媒介は、仲介業者と大家さんのつながりが深いので、値引きの交渉もしやすいといえます。
このような物件であれば値下げ交渉が成立するかもしれませんが、新築物件となるとこれらの条件があったとしても、値下げ交渉は難しいかもしれません。
次項でくわしくお伝えします。
新築物件の礼金は値下げ交渉できる?
新築物件の場合、入居希望者が多いと想定されます。
ですから、大家さんとしても、あえて礼金の値下げ交渉を引き受けなくても入居してくれる方がいると見込むでしょう。
そのことから、新築物件は値下げ交渉がほぼ不可能といわれています。
けれども、新築物件のなかには、敷金や礼金がかからない物件もあります。
そういった物件であれば、値下げ交渉をしなくても初期費用をおさえて入居することができますね。
しかし、どうしても気に入った新築物件を諦めきれない、かつ初期費用をおさえたいというのであれば、数ヶ月様子をみてみましょう。
新築物件で入居率があがらないということであれば、礼金の値下げ交渉をしてみるのもいいでしょう。
しかしながら、新築ですから値下げ幅はわずかな金額と考えられます。
新築物件の場合は礼金の値下げではなく振替交渉?
どうしても気に入った新築物件があり、礼金の値下げ交渉をする場合、先ほどご紹介した、「数ヶ月様子をみる」といった方法の他に、もう一つ、ご紹介します。
その方法は、礼金から敷金に振り替えるという交渉です。
具体的な例として、「敷金1ヶ月、礼金1ヶ月」がかかるとする場合、「敷金2カ月、礼金0カ月」にしてもらうという内容となります。
初期費用としてかかる金額自体に変わりはありません。
しかしながら、礼金は一度渡したら戻ってこないお金ですが、敷金として預け金にしておけば、退去時に修繕費などで使われなかった分が戻ってくる可能性があります。
入居時に値下げという感覚はなくても、退去時に戻ってくる金額が大きいとなれば、最終的には費用をおさえられたということになるでしょう。
新築物件は、値下げしなくても入居希望者が見込めますから、値下げ交渉ではなく、このような振替交渉をしてみるのもおすすめです。
新築物件だけではなく礼金の値下げ交渉が難しい物件とは?
新築物件は値下げ交渉が難しいとお伝えしましたが、新築物件だけではなく、礼金の値下げ交渉が成立しない物件の特徴をご紹介します。
●駅が近い
駅が近い物件は、生活が便利なので入居希望者が多いでしょう。
●周辺環境が整っている
買い物や病院など、日常生活に便利な場所は人気が高い物件となります。
●充実した設備
物件において、充実した設備であれば入居希望者が多くなります。
●築浅物件
5年以内の築浅物件は、新築同様、人気が衰えていないでしょう。
以上、このような特徴の物件は、礼金の値下げ交渉をしても成立しないことが考えられます。
しかし、気になった物件は内見してみることで、礼金の値下げ交渉となるようなポイントを見つけられるかもしれません。
礼金の値下げ交渉は無理を承知で試してみる価値はある!
まとまった金額を用意しなければならない初期費用ですが、少しでも負担を軽くするために、礼金の値下げ交渉をしてみましょう。
閑散期といわれる4月~7月がねらい目です。
ご紹介したような値下げ交渉しやすい物件なら交渉成立する可能性が高いでしょう。
新築物件については、無理を承知で、礼金を敷金に振り替える方法や、様子をみてから交渉するといった方法で交渉してみるといいかもしれませんね。