アパートの家賃の支払いは、口座振替か口座振込かなど、原則として貸主の意向に沿った方法で行います。
しかし、本来そのアパートで定められている家賃の支払い方法とは別のものであったとしても、それを貸主に申し出ることで承諾してくれるケースもあります。
そのような場合、借主にとってより良い家賃の支払い方法を選びたいところです。
今回は、家賃の支払いによりかかる手数料に焦点を当て、口座振替と口座振込などを比較・検討していきます。
家賃を口座振替で支払うメリットは貸主・借主共にある
アパートなどに入居している場合、毎月必ず貸主に支払う費用として家賃があります。
また、その支払い方法としては主に口座振替と口座振込が挙げられるでしょう。
双方を比べると、言葉は違えどその意味の違いまで把握している方は意外に少ないのではないでしょうか。
口座振替と口座振込の違いを把握するために、まずは口座振替による家賃の支払いについてご説明しましょう。
口座振替で家賃を支払う場合、まず銀行などにそれを依頼し、借主の口座にある資金から家賃分の金額が自動的に引き落とされます。
そして、その金額が貸主の口座へ自動的に送金される流れとなります。
口座振替による家賃の支払いには、忘れてしまうリスクが少ないというメリットがあると言えます。
貸主にとって、家賃は大切な収入源です。
例え支払いを忘れたのが1か月分であったとしても、それによる貸主の生活への影響は決して小さいものではないでしょう。
そのため、家賃の支払いを忘れるリスクが少ない口座振替は、貸主と借主双方にとってもメリットが高い支払い方法と言えます。
次項では、家賃の支払いを口座振替で行う際の手数料についてご説明します。
口座振替による家賃の支払いは手数料に注意!?
口座振替で家賃を支払う場合、気になるのが手数料の有無ですよね。
電気代などのライフラインの支払いを口座振替で行う場合には手数料がかからないため、家賃もまた同様と考える方も多いのではないでしょうか。
しかし、口座振替による家賃の支払いは、電気などの支払いとは違い手数料がかかるのです。
この違いには、手数料分があらかじめ金額に含まれているか否かが関係しています。
電気代などを口座振替で支払う場合、手数料分の金額が料金設定の際にすでに含まれています。
しかも、その手数料分の金額は電気会社などが代わりに支払ってくれているというからくりがあるのです。
そのため、利用者は手数料を支払わずに電気代自体の支払いのみで済んでいるのです。
一方、家賃は金額が先に決まっているため、手数料をあらかじめそれに含めることができません。
例えば、家賃70000円のアパートの場合、口座振替による手数料が500円であれば、借主の総支払金額は70500円になりますよね。
あらかじめ70000円が500円の手数料を含めた金額となると、貸主に支払われる金額は69500円となってしまいます。
これでは、貸主が決めた70000円の家賃と金額が合わないという問題が起こってしまうため、手数料を家賃自体の金額とは別に支払うことになるというわけです。
口座振替に無い魅力も!口座振込による家賃の支払い
次に、口座振替と二分される家賃の支払い方法として、口座振込についてご説明していきます。
口座振込による家賃の支払いは、借主が銀行のATMなどに出向いて直接行うことになります。
自動で引き落とし・送金作業が行える口座振替に対し、口座振込は自分でそれらを行う必要があるのです。
この点を見ると、デメリットが口座振替よりも多いと感じる方もいることでしょう。
しかし、家賃の送金先として貸主の口座を登録しておくことで、思ったよりも作業をスムーズに行うことができるのです。
それだけでなく、口座振替特有の初期手続きが要らないため、口座振込のほうが手軽であるという意見もあります。
このように、見方を変えれば人によりメリットとなる点は口座振込にも多くあります。
次項では、口座振込で家賃を支払う際にかかる手数料についてご説明していきます。
家賃の口座振込では手数料の安さ・安心感どちらを取る?
口座振込による家賃の支払いには口座振替同様、手数料がかかります。
そのため、手数料の支払い自体を口座振込で避けることは非現実的ですが、少しでもその金額を抑える方法は無いものかと考えるかもしれません。
口座振込による家賃の支払いは、ATMはもちろん、銀行などの窓口でも行うことができます。
また、その際にかかる手数料を見ると、一般的に銀行などの窓口で行うよりもATMで行った方がその金額を抑えることができます。
ATMによる家賃の口座振込は、コンビニなどで行える場合も多く、手軽な上に手数料が抑えられるとなれば借主にとって大きなメリットと言えます。
しかし、特に年配の方はATMの扱いに不慣れな方も多く、窓口による家賃の振込の方が適している場合もあります。
窓口であれば、不明な点などを確認することもでき、安心感もありますよね。
このように、口座振込で家賃を支払う場合には、ATMで行うか、銀行などの窓口で行うかによっても手数料などに違いがあるのです。
手数料で比較!家賃支払いは口座振替と口座振込どちらに軍配が?
ここまでは、家賃の支払い方法として口座振替と口座振込についてご説明してきました。
これらの特徴には様々な違いがありますが、共通点として挙げられるのは、家賃の支払いを行う際に手数料がかかるということです。
では、手数料の金額だけに焦点を当てた場合、どちらの家賃支払い方法がおすすめと言えるでしょうか。
一般的に、家賃の支払いは口座振込よりも口座振替の方が手数料の金額が安いと言われています。
そのため、より家賃支払いによる負担を押さえたい方には口座振替の方がおすすめです。
また、口座振替による家賃支払いの手数料は、銀行などによっても違いがあります。
それだけでなく、家賃の支払い額が高いほど手数料も高くなる傾向があるため、銀行の窓口などで一度確認しておくと良いでしょう。
手数料を避ける裏の手!?手渡しによる家賃支払いには注意点も
前項では、家賃支払いによる手数料をより抑えるためには口座振込より口座振替の方がおすすめであると述べました。
しかし、借主の中には家賃の支払いによる手数料自体を避けたいと考える方もいるかもしれません。
そのような方は、貸主に対し、手渡しによる家賃支払いを申し出るという方法もあります。
家賃を手渡しで貸主に支払うとなれば、手数料はまずかからないと考えて良いでしょう。
ただし、注意点として、手渡しは口座振替や口座振込などによる支払い方法と違い、口座履歴や振込票などの証明がありません。
そのため、家賃を支払った際には貸主からその都度証明書を発行してもえるよう、事前に依頼しておくようにしてください。
時折、貸主が借主の親族などの理由から、手渡しによる家賃の支払いに証明書を発行しないケースも見られます。
これは貸主が借主を信頼している証拠でもありますが、支払った証明が無いためトラブルに発展する可能性も否定できません。
親しき間柄だからこそ、借主は家賃などの金銭に関わる支払い証明書を必ず貸主に発行してもらうようにしてください。
家賃支払い方法はよく吟味して!手数料負担減にはネット銀行も
アパートなどの賃貸では、家賃をどのような方法で支払うかによって違いが出てきます。
手数料の金額など、自分にとって負担が少ない方法を選ぶことが大切でしょう。
また、口座振替や口座振込で家賃を支払う場合には、ネット銀行を利用することもおすすめです。
ネット銀行で家賃の支払いに口座振替や口座振込を利用する場合、手数料が安かったり、無料であることも珍しくありません。
貸主の意向次第ですが、もし興味のある方は一度相談してみるのも良いでしょう。