土地の価格が知りたい?実勢価格(時価)の調べ方とは?

  • 2019年12月26日
  • 2019年7月23日
  • 土地

不動産売買をしたい場合や、支払う税金を知りたいときなどに土地の価格を調べることがあるでしょう。

土地は物品などと違い、単一ではなくいくつかの価格が存在しています。

その中でも、実勢価格(時価)は実際に土地を売買するときに参考になる価格で、利用する方も多いのではないでしょうか。

ここでは、土地の価格の調べ方について見ていきます。

実勢価格(時価)をはじめとする土地の価格の種類と調べ方

土地は物品と違い、定価がありません。

「一物五価」と呼ばれる5種類の価格があり、目的によって参考にするべき価格が異なります。

それでは、その5種類を見ていきましょう。

◯実勢価格(時価)

実勢価格は時価とも呼ばれ、実際に土地の売買契約が成立した価格です。

土地の売買を検討している場合に参考にするべき価格です。

調べ方は、国土交通省が運営している「土地総合情報システム」内の「不動産取引価格情報検索」から検索することができます。

◯公示地価・基準地価

公示地価・基準地価は、国土交通省・都道府県が毎年3月に発表している、土地の売買の目安となる価格のことです。

公示地価・基準地価は、土地の正常な価格を示したもので、信頼できる指標の一つです。

こちらも国土交通省の「土地総合情報システム」内の「地価公示都道府県地価調査」から検索できます。

ただし、公示地価が発表される地点が全国にくまなくあるわけではないため、調べたい土地の近くに公表地点がない可能性もあるので注意が必要です。

一物五価と呼ばれる土地の価格とその調べ方

土地の5種類の価格のうち、「実勢価格(時価)」と「公示価格」についてご紹介しました。

残りの3種類も見ていきましょう。

◯固定資産税評価額

固定資産税評価額は、固定資産税を払うための基準となる価格で、市町村が発表しています。

これは固定資産税課税明細書を見ると確認できますが、この明細書はその土地の所有者しか手に入れることができません。

そのため調べ方としては、一般財団法人資産評価システム研究センターの「全国地価マップ」から検索します。

すると、おおよその固定資産税評価額を知ることができます。

◯相続税路線価

相続税路線価は、相続税・贈与税の税額を決めるための基準となる価格で、国税庁が発表しています。

相続税路線価は公表されていますので、国税庁の財産評価基準書路線価図・評価倍率表から調べることができます。

◯鑑定評価額

不動産鑑定士が評価した土地の価格が鑑定評価額です。

これは、不動産業者がサービスとして行う査定とは性質が異なります。

不動産鑑定士によって作成された不動産鑑定評価書は、公的機関に提出することもでき、客観的な土地の価格を知ることができます。

以上が、一物五価と呼ばれる5種類の土地の価格です。

公示地価または相続税路線価を使った実勢価格(時価)の調べ方

実勢価格(時価)の調べ方は、国土交通省が運営している「土地総合情報システム」を使うという方法をご紹介しました。

その他にも、公示地価または相続税路線価を使った実勢価格(時価)の調べ方があります。

◯公示地価からの実勢価格(時価)の調べ方

公示地価に1.1をかけると、おおよその実勢価格(時価)を求めることができます。

例えば、公示地価が120万円だった場合は、120万円×1.1=132万円となります。

◯相続税路線価からの実勢価格(時価)の調べ方

相続税路線価÷0.8×1.1の式で、おおよその実勢価格(時価)を求めることもできます。

例えば、相続税路線価が96万円だった場合は、96万円÷0.8×1.1=132万円となります。

これらの調べ方は、あくまでもおおよその目安となりますが、簡単に計算することができますね。

実勢価格(時価)と混同されやすい土地の価格

ここまで、5種類の土地の価格とその調べ方について見てきました。

それぞれの土地の価格の違いがお分かりいただけたのではないでしょうか。

実勢価格(時価)ですが、販売価格や市場価格などと混同されやすいです。

実勢価格(時価)は実際に売買されている価格、販売価格は不動産会社が値段をつけて売り出している価格、市場価格は需要と供給によって形成される価格のことです。

これらは混同されやすいのですが、それぞれ別の価格が示されています。

土地は物品のように定価があるものではないので、実勢価格(時価)とその他の価格との間には差が生まれることが多いです。

土地の売買を検討している場合は、さまざまな土地の価格の基準を鵜呑みにし過ぎないことも大切です。

販売価格や市場価格などから「おおよそ」の価格は推定できると考えましょう。

実勢価格(時価)は過去の平均値

実勢価格(時価)は、その土地が実際にいくらで売買されたかという価格のことで、調べ方はいくつか方法がありました。

国土交通省の「土地総合情報システム」を使うと簡単に調べられますね。

しかし、ここで注意しなければいけないのが、実勢価格(時価)はあくまでもその土地が過去に売れた価格であるということです。

お伝えしてきているように、土地には定価がありません。

周りの環境や、売り手買い手の事情などによって価格は変動していきます。

ある土地は、過去にこの価格で売れたから、現在もその価格で売れるという保証はありません。

実勢価格(時価)は、今後の取引のためにとても参考になりますが、あくまでも過去のデータとして利用しましょう。

また、実勢価格(時価)は過去の平均であるので、そこから今後の取引の価格を予想する場合は、実勢価格(時価)に幅を持たせ「価格帯」と捉えることも大切です。

実際に土地を高く売るためには?

土地の売買を検討している方は、ご紹介したような調べ方で、実勢価格(時価)をはじめとする土地の価格を念入りに調べることでしょう。

しかし、先述した通り土地の価格は変動していきますので、今後の売買が成立する価格を予想するのは難しいですね。

では、一体どのような要因が土地の価格に影響を与えるのでしょうか。

その要因は、主に2つあります。

・それぞれの土地の特徴や特性
・売り手買い手の事情

まず、1つめの土地の特徴や特性ですが、「立地」「土地の大きさ」「土地の形状」が関係してきます。

言わずもがなですが、人気のあるエリアはおのずと価格が上がっていきます。

都心の土地や、駅の近くの土地は利便性が高く、売却価格を高くしても売れることが多いです。

また、買い手がマンションなどを建てる場合には大きな土地、一軒家を建てる場合には大きすぎない土地だと売却しやすくなります。

そして、どんな場合でも、正方形または長方形になっている形のきれいな土地の方が価格は高くなります。

次に、2つめの売り手買い手の事情ですが、これはさまざまなケースが考えられます。

「節税のため」「現金が必要」など、土地の売り手が売却を急いでいる場合には、価格が下がっていきます。

一方、買い手が購入を急いでいる場合には、価格が高くなっていきます。

このように、土地の価格は一定ではなく、さまざまな要因によって価格が変動しているのです。

土地の価格はさまざま

時価とも呼ばれる、土地の実勢価格を中心に、さまざまな土地の価格とその調べ方について見てきました。

土地の売買を目的とする場合は実勢価格(時価)を参考に、その土地の固定資産税や相続税を知りたい場合には固定資産税評価額や相続税路線価を調べましょう。

土地を売買したい場合には、実勢価格(時価)を参考にすることはできますが、これはあくまでも過去のデータです。

さまざまな要因によって、これからの売買の価格とは差が生まれることは頭に入れておきましょう。