古い木造アパートは、隣の生活音がよく伝わり、うるさいと感じることがよくあります。
しかし、そのことを直接、相手に対して注意することで逆にトラブルになってしまうケースもあるので、対応の仕方は慎重にしたいものです。
ここでは、防音問題が起きたときの対処法と、自分でできる防音対策についてご紹介します。
音の苦情は直接言わず、管理会社に相談しよう!
木造アパートで、お隣の生活音がうるさいと感じることはありませんか?
しかし、感情にまかせて直接相手に苦情を言ってしまうと、思わぬトラブルに発展してしまうことがあります。
相手に直接言わずとも「壁を叩いて、うるさいことを伝える」なども相手の気持ちを逆なでして、大きなトラブルになる恐れがあります。
まずは、大家さんや管理会社(そのアパートを管理している会社)へ相談することをオススメします。
名前を伏せることを条件に、間に入って対応してもらうことでスムーズに解決することもありるからです。
また、音の原因がお隣ではないこともあります。
例えば、水を送る排水パイプの位置や振動が原因で伝わってくる音は要注意です。
パイプラインがお隣との間を通っていたり、お隣の壁や柱が振動の伝達経路(伝わる道順)になっている場合は、音の原因がお隣ではないことが考えられるからです。
その場合には、大家さんや管理会社に、「どういう音がどういう時にするのか」をよく説明して、防音対策をお願いしてみるのがよいでしょう。
それでも騒音が解決しなかったり、不動産会社が何もしてくれない場合は、自分でできる防音対策を検討してみましょう。
木造アパートの雑音の種類
音の種類は、大きく分けて2種類あります。
空気を伝わって聞こえる空気音と、振動を伝わって聞こえる振動音(固体音)です。
◆空気音
人の会話・テレビから聞こえる音・音楽などスピーカー音
隣のおしゃべりや笑い声、テレビ番組の会話や音楽などは、空気を通して壁を抜け、伝わってきます。
壁が薄く、壁と壁の間のすきま空間があると、音は伝わりやすくなります。
しかし、木造アパートでは、その構造上、壁と壁の間にすきま空間ができるのは仕方がありません。
木造アパートを建てる際に壁の防音対策がしっかりなされている物件では、音はかなり軽減されます。
◆衝撃音
足音・窓やドアを開ける音・物を落とした時の音
隣や上の階の人が歩いたり、窓やドアの開け閉めをしたりするときはもちろん、床に物を落としたときなども、その衝撃や摩擦によって音が出ます。
人が歩く足音は、床との衝撃音で伝わってきます。
古い窓やドアは、立て付けが悪くなっていることが原因で、摩擦音が通常より大きくなっている可能性があります。
ダメもとで、大家さんや管理会社に相談してみましょう。
少額でもできる!木造アパート生活の防音対策アイデア!
「木造アパートだから仕方がない」とあきらめる前に、まずは少ないお金でできる防音対策を試してみましょう。
◆寝床
布団で寝ている方は、ベッドに変えることで床下からの音が軽減されます。
組み立て式ベッドなら狭い部屋にも入れることができ、引っ越す時も分解して運び出せるので便利です。
窓の外からの音が気になるようであれば、寝る時の頭の位置を、窓とは反対側にしてみてください。
部屋の中で、一番音の影響の少ない場所を寝床とすることも防音対策となります。
◆隣との壁側
お隣との壁側に、本棚や衣装ケースなど自分の持っている家具を配置することで、音を軽減させることができます。
本がたくさん詰まった本棚や、背丈のあるタンスが理想的です。
重要なのは、物が詰まった隙間のない重量感があるものを壁側に置くことです。
◆耳栓をする
耳栓は、部屋の間取りや音のする方向などにとらわれることなく、簡単にできる防音対策です。
価格は数百円~千円台とお手頃で、種類や素材も豊富です。
ただし、金額で妥協せず、自分に合った耳栓を探してください。
木造だからとあきらめず、防音グッズも試してみる!
現在は、個人でも購入できる防音グッズが多くあります。
上手に利用して、少しでも快適に過ごせるよう暮らしに取り入れてみましょう。
◆窓の防音
窓の防音に便利なグッズには、遮音カーテンや窓用防音シートなどがあります。
窓の隙間には隙間シートを利用して、外からの音を遮断してください。
◆電化製品の防音
冷蔵庫やエアコンの室外機の「ブーン」という振動音には、防振ゴムを利用しましょう。
音が伝わりやすい木造アパートでも、防振ゴムが振動音を吸収してくれます。
また、音の出るテレビやスピーカーの後ろの壁には、防音マットが防音対策として有効です。
ただし、壁一面に貼らないと効果が期待できない場合もあります。
◆床の防音
防音カーペットは、素材や種類がいくつかあります。
目的に合ったものをよく検討して購入しましょう。
◆重低音(低い音)について
体に響いてくるような重低音は、防音が難しいと言われています。
スピーカーからの重低音・床上からの大きな足音などがそれにあたり、専門の業者さんでも難しいと言われています。
問題が解決しないなら、防音対策が万全なところへ引っ越す
大家さんや管理会社に相談しても思うような防音対策に結びつかなかった場合は、思い切って引っ越すことも検討しましょう。
音の問題が解決しないまま毎日悩まされ続けて暮らすことは、大きなストレスであり損失です。
もちろん、「自分が悪いわけでもないのに、なぜ引っ越さなければならないのか」と納得がいかない人もいると思います。
しかし、これを教訓にすることが大事なことです。
次に住む物件を探す時には、「木造造りか鉄骨なのか」、「防音対策に問題はないか」などを重点的にチェックし、自分にとって快適なアパート・マンションを探すための手がかりにしましょう。
音に関して敏感な感覚を持った人は、多少予算をオーバーしても雑音に悩まされない物件を探されるとよいでしょう。
予算オーバーした分は、削っても気にならない別の予算を削ることで、毎月の固定費を圧迫されることがありません。
防音対策に重点をおいて、賃貸物件を探す時のポイント!
それでは、隣の住人による騒音や生活音などの防音を中心に物件選びをするときのポイントをご紹介します。
◆最上階を選ぶ
木造アパートでもマンションでも、最上階なら上の階の人の足音や掃除機をかける音などに悩まされることはありません。
ただし、逆に、自分が出す音が下の階に住む人の迷惑になる可能性があるので、自分の出す音が下に響かないかを、大家さんや管理会社に確認しておきましょう。
◆角部屋
音に敏感な人や部屋では静かに過ごしたい人は、できる限り隣がない部屋に住んだ方が安心です。
角部屋なら、少なくとも片側には人は住んでいません。
また、多少隣の音が気になっても、反対側の部屋を寝室とすることで防音になります。
◆壁の厚さ
隣との壁の厚さは、ベランダに出て隣との境を確認することで、ある程度推測できます。
壁をたたいてみて硬いようなら、壁と壁の間の空洞が少なく、空気音や振動音が少ない可能性が高いです。
しかし、その場合も、壁からの音についてあらかじめ不動産屋さんに確認しておくと安心です。
◆窓の種類
窓は、二重サッシであることが防音対策になります。
窓に二重サッシを取り付けてあるということは、防音対策を意識している物件とも言えます。
契約をする前に、不動産屋さんに何でも尋ねて納得いく住まいを探しましょう。
隣人の音問題で大切なことは、防音対策と冷静な判断
隣人に関わらず人にものを伝えるとき、言われた側がどう受け止めるかは人それぞれであるため、なかなか思うような結果が得られないことが多いです。
スムーズに解決に向かわない場合は、自分でできる防音対策を考えたほうが有益です。
防音対策が無理な木造アパートであるならば、頭を切り替え、今回の経験をもとに防音対策のしっかりされた物件を探すのが得策です。