生活する上で必要な「お湯」ですが、マンションの場合、給湯器で沸かすことが多いものです。
そのため、給湯器に寿命がきたら、ただちに新しいものに取り替える必要があります。
決して安価ではない給湯器ですが、少しでも寿命を延ばす方法はあるのでしょうか。
また、故障のサインとはどのようなものなのでしょうか。
今回はマンションの給湯器について、くわしくお話ししていきます。
給湯器は国内製が多い?設置場所はどこ?
マンションや戸建てで使われる給湯器ですが、どの家庭を覗いても、日本製であることがほとんどです。
給湯器は日本製のものを使うことが一般的で、海外のメーカーはほとんど使われていません。
その理由は、日本製の給湯器はとても性能が良く、優れているといった理由からです。
例えば、アメリカではタンクに大量のお湯を貯める給湯器が一般的で、少量のお湯を沸かすことに適していません。
これに対し、国内産の給湯器は、細かな調整もできるようになっています。
そんな給湯器ですが、マンションの場合、どの場所に設置されているのかご存知でしょうか。
キッチンや浴槽の壁にあるのは本体ではなく、給湯器のリモコンの部分です。
マンションなどの集合住宅では、給湯器は玄関ドアの外の廊下部分か、またはベランダに設置されていることが多いです。
ガスメーターが収められているパイプシャフト庫があれば、その中に設置されていることもあるようです。
このように住まいにより設置場所は異なりますが、家の外に置かれていることが多いという点は共通しています。
また、国内メーカーの給湯器は、各メーカーで寿命にそれほど開きがありません。
平均的な給湯器の寿命について、次項で見ていきましょう。
マンションの給湯器の寿命はどのくらい?
電化製品には必ず寿命がありますが、給湯器の寿命はどのくらいなのでしょうか。
ここでは平均的な寿命をご紹介していきます。
日本の給湯器メーカーの方針として、「給湯器部品の供給期限は製造終了から10年」と決められています。
そのため、もし給湯器が何らかの理由で故障した際、製造から10年以上経過したものに関しては、修理するための部品がすでに製造されていない可能性が高いです。
そうすると、新しいものに買い替えなければなりません。
このことから、給湯器の平均寿命は「8~10年」くらいと考えられていることが多いです。
しかし、設置場所の環境や、使い方が良ければ、10年以上使い続けることは十分可能です。
中には、マンションで18年間も同じ給湯器を使い続けた方もいるようです。
逆に、使用期間が8年未満でも、故障する可能性はあります。
その場合は、給湯器の設置場所の環境や、使い方になにか原因があるかもしれません。
故障してしまった場合はそれらを1度見直し、修理を依頼しましょう。
給湯器の寿命?サインはある?
マンションの給湯器に寿命が近づくと、どのような症状が出るのでしょうか。
寿命のサインとなるものを、以下でご紹介していきます。
①温度が一定でない
蛇口やシャワーから出るお湯の温度が一定でなく、設定温度と同じ温度が出ない場合、故障の可能性があります。
②頻繁にエラーが出る
リモコンにエラーコードが表示され、すぐに収まってもまたエラー表示が出る時も注意が必要です。
③給湯器から異音
給湯器の使用中に大きな音がしたり、着火時に爆発音のような音がする時も故障を疑ってください。
④湯量が減る
シャワーなどから出るお湯の量が、いつもと同じ設定でも、明らかに減ってしまうことがあります。
⑤給湯器から煙が出る
完全燃焼できなかったことが理由で、給湯器から黒い煙が出ることがあります。
⑥お湯がぬるい
浴槽にお湯をはっても、設定温度よりもかなりぬるいことがあります。
以上の事柄が、給湯器が故障しているサインになります。
まだ完全に壊れている状態ではないため、メーカーに連絡を入れ、故障の相談をしてください。
保証期間内であれば、料金を負担せずに修理することができるでしょう。
マンションでは給湯器の位置が寿命を決める?
先ほど、マンションの給湯器の設置場所の環境が良くないと、10年未満でも故障してしまう可能性があるというお話をしました。
ここからは、給湯器の設置場所による寿命との関係について見ていきましょう。
まず、家の外に設置することが多い給湯器ですが、給湯器本体と、壁や障害物までの距離に注意しなければなりません。
給湯器には排気口があり、この排気口から排出された排気が留まらないように、ある程度のスペースが必要になります。
排気には硫黄成分が含まれており、空気中の水分と化学反応を起こして亜硫酸や硫酸などを作り出します。
万が一、給湯器本体がこの排気を吸い込んでしまうと、亜硫酸や硫酸などが原因で不完全燃焼を起こしたり、給湯器内部にダメージを与えてしまうのです。
そのため、給湯器と壁との距離は、60cm以上あけておくのが望ましいです。
また、給湯器の排気カバーや配管カバーの位置にも注意しましょう。
排気カバーで排気する方向をうまく操作し、給湯器内部を守る配管カバーには紫外線を当てないように配慮しましょう。
こうすることで、吸排気がスムーズに行われ、給湯器の寿命を長持ちさせることに繋がるでしょう。
マンションの給湯器は雨に注意!排水処理も気にかけよう
マンションの給湯器は、玄関ドアのすぐ隣の廊下部分か、またはベランダにあることが多いです。
そうすると、気になるのが雨に濡れても大丈夫なのかといった点でしょう。
給湯器は基本的に防水処理されています。
しかし、雨がダイレクトに吹きかけるような設置場所はあまりおすすめできません。
給湯器は電子機器にあたるため、雨に毎回さらされる給湯器と、全く雨に濡れない給湯器を比べると、どうしても寿命に差が出てしまうでしょう。
ほかにも、湿気の多い場所や、ほこりの溜まりやすい場所も同様となるため、注意してください。
そして、エコジョーズ給湯器を使っている方は、ドレン排水にも気にかけてください。
エコジョーズ給湯器は人気の高いモデルで、少量のガスで効率良くお湯を沸かすことのできる、省エネ効果の高い給湯器です。
この給湯器は、エアコンと同様にドレン排水を行います。
排水は汚水・雨水マスへと排水しますが、この処置が上手くいかないと、エラーを頻繁に起こすことがあります。
寿命を縮めないためには、排水処理が正しく行われているのか、定期的にチェックを行うことが大事です。
給湯器の寿命を延ばす!入浴剤に注意
マンションでお風呂の浴槽につかる際、入浴剤を入れる方は多いでしょう。
しかし、毎日使っているその入浴剤には、給湯器の寿命を縮めてしまう可能性があります。
入浴剤の成分を見てみると、「硫黄」や「酸」、「塩分」などを含むものが多くあります。
これらをお湯に入れて、入浴後はすぐに排水すれば問題はありません。
しかし、お湯を「追い炊き」してしまうと、お湯は配管を流れることとなります。
配管は、基本的に金属でできているため、硫黄や酸に反応して劣化したり傷ついてしまうかもしれません。
また、上記の成分を含まない場合でも、白く濁るタイプの入浴剤などは、追い炊きをした際に、配管内に入浴剤の成分が残ってしまう可能性があります。
これにより、給湯器が局部沸騰を起こすことに繋がり、異音の原因となるのです。
万が一に備えて、お風呂で入浴剤を使用する時は、追い炊きは使用しないように注意しましょう。
マンションの給湯器の寿命は伸ばすことができる!
給湯器の平均寿命は、8~10年くらいと言われています。
しかし、給湯器の設置されている環境を整えれば、10年以上使い続けることは可能です。
そのためには、排気するための十分なスペースを確保し、雨や紫外線に当たらないように配慮します。
入浴剤をよく使う方は、追い炊き機能は使わないようにして、入浴を終えたらすぐ排水しましょう。
以上のことを気にかけるだけで、お使いの給湯器の寿命を、少しでも伸ばすことへと繋がるでしょう。