近年の日本では、夏は40度近くなり、対して冬は凍えるほど寒く、1年を通しての気温の差が激しくなってきています。
そんな中で、新築住宅にも必須アイテムとなっているのがエアコンです。
新築では、エアコンの設置には壁に穴を開けなければなりません。
この穴は新築が建つと同時に開けたほうがいいのか、エアコンの設置の際に開けたらいいのか、どちらがよいのか悩むところです。
そこで今回は、エアコン工事の流れや費用についてくわしくご紹介していきます。
新築住宅のエアコンの配管穴は住宅に住む前に開ける?住んだ後に開ける?
新築の住宅では、必ずエアコンを設置しますよね。
そんなエアコンですが、設置の際には、外の室外機とつながる穴を壁に開けないと設置ができません。
ここで考えられるのが、建築中にエアコンの穴を開けておくのか、完成後にエアコンの設置前に穴を開けるのか、どちらの方法を取るかということです。
それぞれメリット・デメリットがありますので、順番に見ていきましょう。
まずは、建築中に穴を開けてしまう方法です。
この方法のメリットは、あらかじめエアコンの設置する位置がはっきりと決まっているため、柱や筋交いを切ってしまう心配がないことがあげられます。
デメリットは、配管が見えてしまうということがあげられます。
では、完成後に穴を開ける場合ではどうでしょうか。
この場合のメリットは、室内機の中に、配管を隠すようにして設置ができるため、きれいに設置を行えます。
デメリットとしては、先ほど気にする必要のなかった柱や筋交いを切ってしまわないように、十分に注意をして穴を開けなければならなくなるということです。
新築のエアコンは誰が設置をしてもいいわけではない!
新築の住宅では、エアコンを設置する場合、穴をあける時期を悩んでしまいがちです。
そんなエアコンですが、誰でも「設置に関する作業」を行っていいわけではありません。
家電量販店などでエアコンは購入することが多いため、家電量販店の業者や引っ越しを行った時の業者に任せてしまっても問題ないように感じる方も多いでしょう。
こういった場合、家電量販店や引越し業者は外注業者に設置を依頼することが多くあります。
また、その相手は「エアコンの設置方法を知っている」というだけということも少なくないようです。
しかし、エアコンの設置には電源工事が必要となることもあります。
このような工事は、電気施工の資格を持った人でないと行えないということが法的に決まっています。
トラブルを避けるためにも、エアコンの設置には事前に業者の確認を行いましょう。
新築では注意!エアコンの穴で住宅の耐久性が落ちる?
エアコンの配管穴の工事では、柱や筋交いを切ってしまうというトラブルについて考えておく必要があります。
一般的に、新築のマンションなどでは、すでに配管穴は開けられていることが多いため、こういった心配は少ないでしょう。
しかし、新築の建売では、配管穴が開いていない状態で販売されていることが多くあります。
注文住宅でも「この部屋はまだしばらく使わないから、配管穴は作らなくてもいい」と開けない状態で完成させる方も少なくはないでしょう。
このような場合には、のちのち配管穴を業者に依頼して開けることになるでしょう。
その時、専門的な知識のない人に依頼をしてしまうと、住宅の構造部材を傷付けてしまう可能性があります。
すると住宅の耐久性が落ちてしまうということも十分に考えられるのです。
構造部分を傷付けてしまったことに気がつかないケースは多くあり、住宅をリフォームする時に壁を剥がして、初めて知ったなどということも起きています。
また、配管穴は、温度変化によって結露しやすい場所でもあります。
配管穴には、「スリーブ」という塩ビ製のパイプを通します。
配管穴で発生した結露は、通常であればこのスリーブを通って外に出されます。
しかし、本来であれば、住宅の外へ流れるように傾斜をつけて設置をするはずが、傾斜がなく設置がされてしまっていることもあるのです。
このようにならないためにも、きちんと知識のある専門業者に依頼をして配管穴を開けることをおすすめします。
新築のエアコンの配管穴はどこにする?
新築の住宅にエアコンを設置する際には、エアコンを「部屋に搬入する前」に配管穴を開ける必要があります。
では、そんな配管穴ですが、開ける場所などには注意点はあるのでしょうか。
まず、基本的な配管穴の位置ですが、室内に設置しているエアコンの右下に来るようにします。
また、配管穴は水が通りやすくするために室内から外に向かって傾斜をつけるようにして穴を開けます。
一般的な業者にエアコンの配管穴の工事を依頼すると、特に指示をしなかった場合、エアコンの真裏に配管穴が来るように配管穴を開けることとなります。
これは、エアコンを設置した時に、配管が見えにくくなるようにといった配慮からです。
一見すると、メリットのように思えますが、故障などで新しいものに交換する場合、配管穴の位置がすでに決まっているために、新たに設置できるエアコンが選びにくくなる可能性もあります。
エアコンは種類によって配管の位置が異なるということを頭に入れておきましょう。
新築にエアコンの配管穴を開けるにはどのくらいの費用がかかるの?
では、新築の住宅の壁にエアコンの配管穴を開ける場合、どれほどの費用がかかるのでしょうか。
一般的に、エアコンの配管穴を開ける費用そのものはかかることは少ないです。
と言うのも、この穴あけの費用はエアコンの設置費に含まれていることが多いためです。
大まかなエアコンの設置までの流れは以下のようになります。
①配管穴を開ける
②室内機の設置
③配管パイプの取り付け
④室外機の設置
⑤ポンプダウン作業
⑥試運転
ちなみに、配管穴は基本的には費用はかからないのですが、これは木造住宅で1箇所穴を開ける場合に限られます。
木造以外の場合には別途費用がかかることがあります。
目安としては以下のようになります。
・ALC穴開け…約5,000円~
・タイル、レンガの穴開け…約11,000円~
・コンクリートの穴開け…約22,000円~
新築に配管穴を開けたくない!そんな時は?
新築の住宅の壁に配管穴を開けることに抵抗感を感じる方も少なくはないでしょう。
では、配管穴を住宅に開けずにエアコンを設置する方法はあるのでしょうか。
多くの場合「エアコンを部屋に設置する」と考えた時に想像するのが、壁に掛けるタイプのエアコンではないでしょうか。
このタイプのエアコンは、必ず配管穴を必要とします。
しかし部屋に設置することができるエアコンは、壁掛けエアコンだけではありません。
「窓用エアコン」という、配管穴を必要としないエアコンも販売されています。
このタイプのエアコンは、窓にはめ込むようにして設置するのが特徴で、配管穴を開ける必要ありません。
また、業者に依頼することなく、自分の手で設置することが可能です。
壁掛けエアコンと比較すると、電気代が少々かかってしまうことや、室外機と一体であるため、音が気になることがデメリットとしてあげられますが、近年では改良が進められています。
配管穴を開けたくないと考えている方は、検討してみてもいいでしょう。
新築住宅に配管穴を開ける際は慎重に!
配管穴は新築にエアコンを設置する際には、必要であることはお分かりいただけたでしょう。
そんな配管穴は、一度開けたらやり直しのきかないものです。
柱や筋交いを切ってしまうことも考えられますので、基本的には信頼できる業者に依頼することをおすすめします。
業者に依頼することで、安心してエアコンの設置が行えるでしょう。