築年数が古いアパートの入居者を増やすのは、簡単なことではありません。
大家さんは住んでほしくても、部屋探しをしている人にとっては、デメリットと感じることが多々あるからです。
しかし、古くても、おしゃれな物件であれば借り手は付きます。
そこで今回は、「アパートの築年数が古くて入居者がなかなか決まらない」と悩む大家さんに向けて、入居者を増やすための方法をお伝えします。
築年数の古いアパートはなぜ敬遠される?
大家さんにとって、築年数の古くなったアパートは悩みのタネではないでしょうか。
築年数が古いというだけで部屋のイメージが悪くなり、なかなか借り手が付かなくなります。
それには、以下のような理由があるからです。
・築年数が経ち、アパート全体の防音性が低くなっているため選んでもらえない
・何十年も前の建築基準で建てられているので、耐震性に不安を持つ人が多い
・「設備も古くて生活するのに不便そうだ」と思われてしまう
これらは、実際に古いアパートに住んでいる人からもよく聞くことですね。
部屋を探している人は、やはり快適さや安全性を重視します。
毎月、決まった額の家賃を支払うわけですから、部屋の設備などにも納得しなければなかなか借りてはくれません。
また、最近は賃貸でも部屋の内装にこだわる人が多いので、近くに新しくておしゃれな物件があればそちらに流れていってしまいます。
そのため、どんなアパートを建てても、築年数が経てば空室が目立つようになります。
しかし、「古くなれば、入居希望者から敬遠されるのは仕方がない」と考えていては入居者は増えません。
アパートが古くなるのは仕方がないにしても、大家さんの努力で入居者を増やすことはできるからです。
では、次の章で、古くなっていても入居してもらえるアパートの特徴をご紹介します。
築年数が古くても借り手が付くアパートの秘密とは?
自分が管理するアパートとそれほど築年数が違わないのに、わりと入居者で埋まっているアパートを目にすることもありますよね。
それを見ると、「入居してもらえない自分のアパートと何が違うのか」と思い悩んでしまう大家さんもいると思いますが、それには様々な理由があると考えられます。
例えば、
・築年数が経っていることを理由に、家賃をかなり下げて貸している
・入居希望者に選んでもらえるよう、外観や内装をリフォームしてある
といったことです。
つまり、古いアパートであっても、それを上回るだけのメリットがあれば借り手はある程度付くということです。
家賃が他よりも安ければ、古くても住んでくれる人はいます。
また、実際の築年数は古くても、外観や内装をおしゃれにリフォームしてあるアパートはそれを感じにくいですよね。
何年前に建てられた物件を「古い」と感じるかは人によって様々ですが、リフォームされていれば新築に近いイメージを持つ人もいるかもしれません。
築年数が古くても借り手が付くアパートには、そうした人にうまくアピールできる何らかの要素があるのです。
築年数が古いなら内装のおしゃれさで勝負!
では、借り手が付きにくくなったアパートを持つ大家さんは、どのようなことをすれば良いのでしょうか。
「アパートの築年数が古いことが、借り手が付きにくくなった一番の原因だ」と考えるのであれば、やはり、おしゃれな部屋にリフォームすることをおすすめします。
先ほどご紹介したように、アパート自体は古くなっていても、内装がおしゃれなら住んでくれる人はいるからです。
もちろん、「他の物件より家賃を下げる」というのも一つの方法ですが、家賃を下げ続けることは難しいですし、あまりに家賃を下げてしまうと、それこそ借り手が付かなくなることに繋がります。
なぜなら、どんなものにも適正価格というものがあり、それからあまりにも外れたものには多くの人が警戒心を抱くからです。
「家賃が安いのは、アパートの築年数が古い以外の理由もあるのではないか」と思われてしまっては、致命的です。
しかし、家賃はそれほど安くなくても、おしゃれな物件であれば入居希望者の考えは変わります。
「築年数は経っているけれど、内装は意外とおしゃれ」と思ってもらえれば、住んでくれる可能性も出てきます。
築年数の古いアパートをおしゃれにするメリット
では、改めて、築年数の古いアパートをおしゃれにするメリットについてお伝えしましょう。
一番のメリットは、やはり「借り手が付きやすくなる」ということです。
そのためにリフォームするのですから、当たり前と言えば当たりですが、古いアパートをおしゃれにリフォームすることで得られるメリットは実は他にもあるのです。
それが、
・長く住んでもらいやすい
・家賃を下げなくて良い
といったことです。
せっかく入居してもらえても、すぐに出て行ってしまわれては困りますよね。
家賃収入は大家さんにとって重要です。
部屋の住み心地が良くなければ、長く住んでもらうことはできません。
しかし、リフォームしてあれば、悪いということは少ないはずです。
また、おしゃれな内装の部屋であれば、そこを気に入る人が多くなります。
そうなれば、同じ築年数の物件より多少家賃が高くても、住んでもらえる可能性が高くなります。
リフォームで一時的に費用はかかりますが、長い目で見れば、元は取れると思われます。
長い間家賃収入を得られ、しかも月々の家賃の額も下げなくて良いというのは、大家さんにとって最良の結果ではないでしょうか。
築年数の古いアパートをおしゃれにするのにかかる費用は?
とは言え、築年数の古いアパートをリフォームしておしゃれな物件に生まれ変わらせるには、それなりに工事が必要です。
そして、それにはどうしても費用がかかります。
古いアパートのリフォームにいくらかかるかについては、そのアパートの築年数や、どこをどのようにリフォームするかなどによって異なります。
ただ、一般的には、6室あるアパートの部屋を全てリフォームした場合、「2,000万~3,000万円ほどかかる」と言われています。
これには、内装をおしゃれにリフォームするためにかかる金額と水回りを新しい設備に変えるための金額が含まれていますが、かなりの額ですよね。
そのため、「多額の費用をかけても、入居してもらえなかったらと考えると不安になる」という大家さんも多くいます。
しかし、アパートは年々古くなっていきます。
そこで何もしなければ、空室が増えてしまうことにもなりかねません。
借り手の付かないアパートになる前に、できる対策はしておきましょう。
ですが、リフォームする費用を捻出することが難しい場合は、どうすれば良いのでしょうか。
最後は、そういった場合でもできる対策をご紹介します。
「入居者の手でおしゃれな部屋にしてもらう」という発想
「古いアパートに住んでもらいたいけれど、物件をおしゃれにリフォームする費用がない」という場合でも、入居者を集める有効な方法があります。
それが、「入居者がDIYできることを売りにして、入居者を集める」という方法です。
近年はDIYブームもあって、自分でこだわりの家具を作る人も増えています。
そのため、「入居者が自由にDIYできる賃貸物件はニーズがある」と言えるでしょう。
実際に、「DIYできる賃貸アパート」も増えています。
まさに「発想の転換」です。
一口に「おしゃれな部屋」と言っても、それは人によって違います。
入居者にDIYしてもらえれば、大家さんは費用の負担をする必要がありませんし、入居者も自分の好みに合った部屋にすることができるので、満足度が上がります。
しかし、それを売りにするには課題もあります。
例えば、
・入居者がどこまでDIYして良いのか
・DIYした場合の退去時の対応
などについては、あらかじめきちんと決めておかないとトラブルになりがちです。
ただ、今は、簡単に剥がせる壁紙など、賃貸アパートでも使える便利なグッズが沢山出ています。
DIYには、そうしたものを使ってもらうのが良いかもしれませんね。
このように、時代に合わせた対応をすれば、築年数の古いアパートも資産として十分活用できます。
こうした方法があることも、知っておかれると良いでしょう。
築年数や古さを感じさせないおしゃれな物件にしよう!
今回は、築年数が経ったアパートの入居者を増やす方法についてお伝えしました。
「アパートが古くなり、借り手が付きにくくなってきた」と悩んでいる大家さんは、アパートのリフォームやDIY可の物件にすることなどを検討してみて下さい。
たとえ築年数が古くても、比較的きれいでおしゃれな部屋にすれば、住んでもらえる可能性が高まります。
「古いから」と諦めず、長く家賃収入を得られるように対策していきましょう。