バッグやコート、鍵など持ち運ぶものは、つい床や椅子に置いてしまうことがあるでしょう。
しかし、壁にそれを掛けられるスペースがあれば部屋をすっきりと見せることができますし、小さなものを失くしてしまうことが無くなるかもしれません。
和室に古くからある長押(ナゲシ)は、フックを掛ければちょっとした棚として使うこともできます。
ここでは、おすすめのフックや、後付けできる収納グッズ(長押タイプ)などをご紹介します。
意外な活用法についてもお伝えしますよ。
長押は飾り棚・収納スペースとしても使える!
長押(ナゲシ)は、和室の障子の上にある「鴨居」の上にある横木です。
昭和の和室では、賞状や絵画、ご先祖の遺影などを額縁に入れて飾るために長押が使われることが多くありました。
この長押と壁の間にはわずかに隙間があいていて、フックやハンガーで何かを吊るすこともできます。
ただし、あまりにも重いものを掛けることや、長押に傷が付いてしまう使い方はおすすめできません。
重量のあるものを長時間掛けたことで、木製の長押が変形したり、亀裂が入ってしまう可能性が考えられます。
傷付いた長押は見た目が悪いですが、簡単に交換できるものではありません。
特にアパートやマンションの場合には、長押を傷付けないように注意が必要です。
しかし、重さや見た目に気を配れば、長押は棚の一つとして使うことができます。
特に衣服やカバン、鍵などを引っ掛けておくには持ってこいの場所です。
長押に使いやすいフックなども販売されていますので、どんなものを選ぶとよいのかご説明しましょう。
長押にぴったりのフックを選ぼう
長押に使うフックを選ぶときには、下記のポイントを覚えておくことをおすすめします。
・長押に合うサイズのフック
長押の大きさを測り、フックがそれに合うか確認してから購入しましょう。
溝にフックの引っ掛ける部分がはまらないと、せっかく購入しても長押に使うことができません。
・金属製の丈夫なフック
プラスチック製のフックもあるのですが、使っているうちに劣化して割れやすくなります。
また、金属製で幅広のフックのほうが安定します。
しっかりと長押に固定できるものを選んでください。
この2点が大切ですが、他にも、おしゃれなフックを選んだり、フックをいくつか使う場合はすべて統一するなど、インテリア性にこだわった選び方ができます。
後程ご紹介しますが、壁に付けられる棚として「長押タイプ」の商品もあります。
こうした近代的な長押には、ぜひ素敵なフックを付けて、壁面のコーディネートをしたいですね。
長押に使えるフックおすすめ3選!
ここでは、便利に使えるフックを3つご紹介します。
●ララフェスタ:なげしフック なげし用額掛け 想い出くん
賞状や絵画、写真を額縁に入れて長押に飾りたい場合には、落ちてこないように、きちんと固定する必要があります。
紐で吊るしていると、少し古めかしい印象にも見えてしまうものですが、こちらのフックを使えばすっきりと飾ることができます。
飾る額縁の厚さは25mm、重量は7kgまで対応しているので、ほとんどの額縁に使えるようになっています。
これを使えば、額縁をいくつか飾りたい場合に面倒な「角度調整」も必要ありません。
すべて一定の角度で飾ることができるため、統一感が出て、きれいに並べることができます。
金具や釘などは必要なく、簡単に設置できます。
3組セットで参考価格は、税込み3,078円です。
●リビングート:フック 金属ナゲシ掛け
実用的で簡素な金属フックは安っぽく見えて選びたくないという方のために、アンティーク調のフックをご紹介します。
和室だけでなく洋室にも合うデザインです。
ブロンズ仕上げの亜鉛ダイカストで作られていて、アイアンを使った棚や照明が好きな方には、ぜひおすすめしたいフックです。
長押の厚さ1mm~1,5mmに対応していて、耐荷重は1,5kg。
参考価格が2個で税込み298円という安さも魅力です。
●リビングート:フック 長押ラック用 コートフック
フックに、コートを掛けるための丸みを帯びたパーツが付いています。
安全荷重は3kgで、コートや制服、バッグなどを掛けるのに便利です。
幅の広いフックだと、ハンガーを掛けづらい場合がありますが、こちらの商品なら子供用の小さなハンガーでも掛けておけます。
丸い突起に掛けるので、カバンを掛けておく際にも、持ち手に跡が残りにくいでしょう。
色は明るい木目のナチュラルと、暗めの色合いのセピアから選べます。
参考価格は、税込み864円です。
「壁に付けられる家具・長押タイプ」とフックで収納棚に!
長押というと、和室にもともと付いていて、場所の移動はできないものをイメージされる方も多いと思います。
しかし、格調高い和室のイメージとはちがう「長押」もあります。
例えば、無印良品の「壁に付けられる家具・長押タイプ」です。
これは、短い「長押」を壁にピンで取り付けて、収納棚のように活用することができるものです。
高い位置に一か所だけ取り付けるのではなく、高さを変えていくつも取り付けたり、寝室のベッドの頭上に取り付けるなど、使いたい状況に合わせて設置場所を選べるのがポイントです。
長さは44cmと88cmの2種類があり、材質もオーク材とウォールナットのどちらかを選べます。
実用面だけではなくインテリア性の高さも評価されていて、壁面収納をセンスアップできるアイテムとして人気があります。
長押の溝の奥行は3cmで、フックだけでなく雑貨などを飾っておしゃれに見せることも可能です。
無印良品の無駄な装飾のないシンプルな家具が好きなら、こうした収納グッズにも注目してみましょう。
無印良品の長押をどう使う?便利でおしゃれな棚が増える
「壁に付けられる家具・長押タイプ」の活用方法をご紹介します。
■キッチンの棚として使う
キッチンで料理しながら音楽を聞いたりレシピを見たりするために、この「長押」を使うことができます。
目線の高さに合った場所に、ちょっとした棚があると便利ですが、食器棚などは場所をとります。
壁面収納なら圧迫感を感じさせません。
■シューズクローゼットに使う
玄関でシューズクローゼットに取り付けて、傘を掛けたり、フックを使って鍵やハンコなどの小物を収納するラックを付けることができます。
シューズクローゼットではなくても、玄関近くの壁に取り付けることで、朝の慌ただしい時間にもスムーズに準備ができるような収納スペースのでき上がりです。
小さなほうきとちりとりも収納することができるでしょう。
■本棚にする
お気に入りの写真集や絵本、おしゃれな雑誌や洋書などをディスプレイすることもできます。
スタイリッシュで知的な雰囲気にも、かわいらしい雰囲気にも自由自在。
好きなアイドルやアーティストの写真集を飾るのもいいですね。
長押の歴史!すっきりと収納して和室のよさを活かす
最後に、長押についての豆知識をご紹介します。
長押は江戸時代には、寺院や、お金持ちの旗本の住居にだけ許されていました。
書院造には必須ですが、茶室には使われません。
構造的に意義のあるもので、家柄や品格を感じさせるものだったのです。
明治時代になると庶民の家でも設置することができるようになり、どんどん珍しさは薄れ、棚としても使われるようになりました。
ご実家の家に長押があり、ご先祖さまやご両親の賞状などが飾られてると、どうしても「古くさい」というイメージを持ちやすくなります。
しかし、長押の歴史を知るほどに、和室の奥深さや品格を感じるものです。
ちなみに床の間も、昔は自慢の掛け軸や陶器などが飾られていて、趣を感じさせる空間でした。
今では収納スペースとして使っていたり、飾られたものがホコリをかぶっていることも多いのではないでしょうか。
長押にフックを掛けて何かを引っ掛けておくと、和室はカジュアルな雰囲気になりますが、必要無いものは収納してすっきり見せることで、「和」のよさを活かすことができるかもしれません。
ホコリを払い、家具や収納にこだわって、和の要素と現代的なデザインを組み合わせた和モダンなインテリアコーディネートにしてみるのも可能です。
ぜひ、長押を活用してみてはいかがでしょうか。
長押はおしゃれに飾ってみよう!
長押に使えるフックや、さまざまな場所に取り付けられる無印良品の長押をご紹介しました。
和室の格調高さを活かして絵画や賞状を飾るのも素敵ですし、収納コーナーとして考えて、部屋がだらしなく見えないようにするのもおすすめです。
洋室の壁にも取り付けることができますので、便利な収納術の一つとして覚えておいて損はありません。