地目が「田」である土地は、現在田んぼだったり、もともと田んぼだったという土地です。
その土地に家を建てるとすると、地盤は大丈夫なのか不安になりますよね。
また、最近は綺麗に区画された分譲地がもともとは田んぼだったというケースも多いです。
そこでここでは、田んぼの地盤についてや、田んぼから宅地へ造成する際の費用や注意点について言及していきます。
もともと田んぼの土地に新築する予定のある方はぜひ参考にしてみてくださいね。
地目が田の土地の地盤は軟弱?
地目が田の土地は現在も田んぼであったり、もともと田んぼだったという土地です。
最近ではそのような土地を綺麗に造成して、分譲地として売り出されることが多くなってきました。
分譲地は新しい家が同時に建つということや、どの家も同時期にご近所付き合いが始まるので気持ちが楽ということで人気を集めています。
しかし、「もともと田んぼだったのなら、地盤が弱そうで不安」という声も同時によく耳にします。
たしかに、「田んぼだった土地は地盤沈下しやすい」という話を聞くこともありますよね。
しかしながら、しっかりと地盤調査を行い、その土地の埋め立てや地盤改良工事、地盤補強工事をきちんと行えば問題ないことが多いのです。
田んぼでは水を利用して耕作しますから、どうしても他の土地と比較すると軟弱と言わざるを得ません。
しかし、このようにしっかりと調査・工事を行うことで、問題なく家を建てることができることでしょう。
地盤調査は必須なの?
まっさらな土地に家を建てる場合、地盤調査は基本的に必要です。
あまり知られていませんが、地盤調査を行っていない場合は「住宅瑕疵担保責任保険(じゅうたくかしせきにんほけん)」に加入することができないことになっています。
住宅瑕疵担保保険とは、新築の家に何らかの瑕疵があった場合に保険金が支払われる保険のことをいいます。
「何か問題が起こったとしても、自分で修繕費用を支払うので住宅瑕疵担保保険は不要」と思っても、実際にそうなったときは時間も費用も相当かかることが多いです。
ですから、地盤調査を行うのは最低限必要と考えていいでしょう。
ただし、地盤調査は家の設計・建築を依頼するハウスメーカーや工務店と取引のある地盤調査会社が行うことが多いと考えられます。
ですから、それだと不安に感じる方は、自ら地盤調査会社を探すことも重要です。
特に、地目が田の土地に家を建てるとなると地盤については心配が多いですから、しっかりと調査してもらうようにしましょう。
地目が田の土地の地盤を強固に!土地の造成方法は?
地目が田の土地に家を建てるとなると、しっかりとした地盤調査と地盤改良工事が必要になります。
そこで、そのような土地をより強固にする地盤改良工事(土地の造成)は具体的にどのように行うのでしょうか。
地盤改良工事は、その土地の地盤や条件などにより工法が異なります。
①表層地盤改良
深さ2mまで土地が軟弱であるとされる場合に選択される工法です。
安定している地盤まで表層の土を掘っていき、下の方のいい地盤と掘り出した土を一体化させるために固化剤を混ぜ、そこにローラーなどで転圧し、表層地盤を固める工法となります。
②鋼管杭工法
表層地盤改良では不十分の場合に選択されることのある工法です。
軟弱である層に交換の杭を打つことで、地盤を強固にする工法となります。
③柱状改良工法
セメントミルクを注入しながらその土地の土を掘削・攪拌し、直径60㎝程のコンクリートの柱を土の中に作り、それを硬い地盤まで到達させる工法です。
施工可能な深さが8mまでです。
④砕石杭工法
柱状改良工法のセメントを砕石に替えた工法が、砕石杭工法となります。
液状化対策にも有効で、公共工事でも採用されることが多いです。
⑤ジオテキスタイル工法
世界中の工事でも採用されていて、砕石の間に丈夫なシートを敷くことで建物の重量を分散させて地盤沈下を抑制させるという工法になります。
地盤改良工事の費用はどれぐらい?
地目が田の土地の地盤改良工事には、いったいどれぐらいの費用がかかるのでしょうか。
前の項の工法ごとで解説していきます。
①表層地盤改良
表層地盤改良は短期間で工事が完了することもあり、深さ1m×1坪で3万円前後が相場となります。
②鋼管杭工法
最大で20mまでの深さに対応できる工法なので、専用大型車両を使用することになります。
これにより、1坪あたり7万円前後が相場になります。
③柱状改良方法
柱状改良工法の相場は、1坪あたり5万円前後になります。
④砕石杭工法
どれぐらいの深さまで行うかにもよって相場は変動しますが、例を挙げると約3mの深さの砕石柱を作るとして1本あたり5万円前後が相場となります。
⑤ジオテキスタイル工法
表層地盤改良工事と同様に短期間で工事が完了することもあり、深さ関係なく1坪あたり3万円前後が相場となります。
地目が田の土地を造成する際の注意点①
ここからは、地目が田の土地を造成する際の注意点についてお話しします。
注意点は大きく分けて以下の4つがあります。
①田んぼを造成する際は、もともとある土を撤去しない
田んぼは地盤改良工事が必要になることが多いです。
田んぼを地盤改良する際にもともとその土地にあった土を撤去しようとすると、1㎡あたり1,000円ほどの費用がかかります。
しかし、費用がかかるわりにはそこまで大きな効果があるわけではないので、費用対効果を考えると撤去は必要ないでしょう。
②造成する土地までの距離と道幅
地盤改良に使用するための土がある場所から造成する土地まで距離があると、コストがその分かかります。
それだけではなく、その土地に到着するまでに通る道が狭ければ工事車両が通ることができません。
そうすると、小さ目の車で土を複数回運ぶことになるため、その分コストアップしてしまいます。
最低でも道幅が4mはないと、追加で費用がかかってしまう可能性が高いです。
地目が田の土地を造成する際の注意点②
③地盤改良工事の見積もりは複数社からもらう
家を建てるときもそうですが、見積もりは複数社からもらうようにしましょう。
複数社から見積もりをもらうことで、造成にかかる費用がどれぐらいなのか相場観を掴むことができます。
それだけではなく、より安価な業者で工事してもらうことができます。
④不動産業者に取られるマージン
田んぼを造成しようとするとき、不動産業者に依頼すると中間マージンを取られてしまいます。
不動産業者は地盤改良工事の業者に依頼するだけなのですが、そこに手数料を上乗せして、工事費用を請求してくるのです。
その手数料は一般的に工事費用の10%と言われているので、もしも工事費用が100万円かかるとしたら、不動産業者に10万円ものお金を支払うことになってしまいます。
不動産業者経由で依頼した方が安心という方は別ですが、今やインターネットでも地盤改良工事の業者は簡単に探すことができるので、余計な費用を支払わないようにするには自分で動くことも必要です。
地目が田の土地は一般的に軟弱な土地が多いため、ほとんどのケースで地盤改良工事が必要になることでしょう。
地盤改良工事には案外費用がかかりますので、少しでも削れるところは削りたいものです。
地目が田の土地でも家は建てられる!
地目が田である土地は、もともとは田んぼだったことが多いでしょう。
もともと田んぼとして使用されていた土地であれば地盤が軟弱なのではと心配になりますが、しっかりとした地盤調査や地盤改良工事を行うことで、問題なく家を建てることができます。
ただし、地盤改良を行う際はここでお話しした注意点を忘れないようにしてくださいね。