一戸建てを新築すると、行わなくてはいけないものが「登記」です。
しかし、はじめて新築した方の多くは登記をしたことがないと思いますので、登記がどのようなものかわからないという方もいることでしょう。
そこでこの記事では、新築時に必須といえる登記についてお話ししていきます。
どのタイミングで行えばいいのかもお伝えしますので、ぜひ参考にしてみてください。
新築したら必須!登記って何?
家やアパートなどを新築すると行わなくてはいけないものが「登記」です。
では、この登記とはどのようなものなのでしょうか。
登記を行うタイミングについてお話をする前に、まずは登記についてみていきましょう。
登記とは、ある物やあることの権利関係などを、社会に公示するための制度をいいます。
登記にはさまざまな種類があり、家の新築に行う登記は「不動産登記」です。
不動産登記を行うことで、土地や建物がどこに所在し、どのくらいの大きさで、誰が所有しているのかなどを、国の正式な帳簿に記載してもらえます。
もし仮に登記を済ませていないと、新築した家の所有者が自分だということを示すことができなくなってしまいます。
最悪の場合、まったく知らない別の誰かが登記手続きをし、その人が自分の家の所有者だと帳簿に記載されてしまうこともあり得ます。
そうなれば、自分が所有者だということを証明できなくなってしまいますので、新築時には登記することは必須といえるのです。
新築に必要な登記はどんなものがある?①
自分がこの家の所有者だと証明するためにも、登記は重要です。
それでは新築時には、どんな登記が必要になってくるのでしょうか。
後ほど登記を行うタイミングについてお伝えしますので、ここでは新築時に必要な登記についてお伝えしていきます。
1、土地の所有権移転登記(土地も一緒に購入した場合)
2、建物の表題登記
3、建物の所有権保存登記
4、土地/建物の抵当権設定登記(住宅ローンを組んだ場合)
これらが、家の新築時に必要といえる主な登記です。
それぞれを簡単にご説明していきます。
まず一つめの「土地の所有権移転登記」は、土地の所有権を売り主から自分に移転するための登記手続きです。
家を新築するための土地を購入したとき、この登記も行わなくてはなりません。
新築に必要な登記はどんなものがある?②
次に、二つめの「建物の表題登記」という登記についてご説明します。
これは、一般的に新築した家などが完成したタイミングで行う登記といわれており、建物の表題部を新たにつくる登記のことです。
つまり、どこにどんな建物が建っているかを証明するための登記が、この建物の表題登記なのです。
家が完成したとしても、この登記が行われないままですと、登記簿上にはその土地には建物がないことになってしまいます。
自分の家が建っていることを明らかにするためにも、この登記を行わなくてはなりません。
三つめにご説明するのは、「建物の所有権保存登記」です。
この登記は、所有権の登記がされていない不動産に対して、自分が最初の所有者だと登記記録の甲区欄に名前を入れる手続きをいいます。
簡単にご説明すると、この建物の所有者は自分だということを証明するための登記です。
新築した家の所有者が自分であることを示すためにも、この登記は大切ですので、先ほどの表題登記同様、行わなくてはいけないものです。
最後は、「土地/建物の抵当権設定登記」についてご説明しましょう。
まず抵当権とは、住宅ローンなどでお金を借りたときに、それを返せなくなった際土地や建物を担保とする権利をいいます。
そして、この権利を公的に明確にするための登記が、抵当権設定登記なのです。
そのため、もし家を新築したときに住住宅ローンを組んだ場合は、この登記が必須となります。
タイミングはいつ?登記を行う順番①
前項までに、家を新築したときに必須といえる、登記についてご説明しました。
ここでは、これらの登記をどのタイミングで行うべきかをお伝えしていきます。
登記のタイミングは土地の購入方法によっても違いがありますので、まずは土地と家の代金をまとめて支払う場合でみていきます。
この場合はまず、建物の表題登記を行います。
先ほどもお話ししましたが、表題登記を行うタイミングは家が完成したときです。
そのため、家が完成した時点で建物の表題登記の手続きに入りましょう。
遅くても、建築後1ヶ月以内に行うようにしてください。
そしてその1週間後くらいに、土地の所有権登記と建物の所有権保存登記を行います。
住宅ローンを利用する場合は、住宅ローンの融資の日付よりも前に、土地/建物の抵当権設定登記を行います。
融資の実行はしたのに、抵当権設定登記がされていなくては銀行側も困ってしまいますので、融資の日付よりも前に登記の手続きを済ませておきましょう。
タイミングはいつ?登記を行う順番②
つぎに、先に土地を購入した後で、新築した家の登記を行う場合をみていきましょう。
この場合、まず土地の購入日に、土地の所有権移転登記を行います。
もし、住宅ローンを組む場合は、土地の抵当権設定登記も済ませておきます。
そして、家の建築工事がはじまり、完成したタイミングで建物の表題登記の手続きを行いましょう。
その1週間後くらいには、建物の所有権保存登記を行います。
家の建築費に住宅ローンを組む場合は、建物の抵当権設定登記も行います。
先ほどご説明したように、融資の日付よりも前に手続きを済ませておくようにしましょう。
また、購入した土地に古屋が建っていた場合、これを解体したのちに家を新築する場合もあるでしょう。
このとき、注意しなければいけないのが、古屋の登記が残っている場合です。
もし古屋の登記が残っている場合、建物の表題登記の前に、建物滅失登記を行わなければなりません。
こちらも頭に入れておくとよいでしょう。
住所変更のタイミングも重要!
家を新築した場合、登記と一緒に、住所変更の手続きを済ませておかねばなりません。
そして、住所変更を行うタイミングも重要ですので、ここでお伝えしていきます。
家を新築し引渡しまで完了すれば、この新居にいよいよ住みはじめることになりますよね。
このとき、今まで住んでいた住所から新居の住所に変更しなければなりません。
しかしこの住所変更を、先ほどお話しした登記と一緒に済ませておくと便利です。
どのタイミングで行うかというと、建物の表題登記と所有権保存登記の間で行っておくのです。
というのも、表題登記は住所が旧住所のままでも問題はないのですが、所有権保存登記は住所が変われば変更の手続きをしなければなりません。
そのため、所有権保存登記後に住所変更を行えば、住民票だけでなく、この登記の住所変更もしなければならなくなるのです。
登記事項の変更には費用もかかりますから、できればあまりお金をかけたくはありませんよね。
ですが、表題登記と所有権保存登記の間で住所変更を行っておけば、変更した住所が保存登記に記録されますので、あとから変更することもありません。
費用だけでなく手間も省けますから、住所変更は所有権保存登記の前に済ませておくことがおすすめです。
家を新築したら登記を忘れずに行おう!
家を新築したら、その家や土地が誰のものであるかなどを明らかにするためにも、登記を忘れずに行っておくことが大切です。
新築時には主に4つの登記が必須といえますので、いつ行うかを頭にいれておくとよいでしょう。
また、そのときに住所変更も済ませておくと便利ですので、こちらも登記の手続きと一緒に済ませておくようにしましょう。