地目が原野!家を建てて宅地にすることはできる?登記と現況

「家を建てたい」と考えて、いろいろと調べていくと、地目によっては家を建てることができないということを小耳にはさむかもしれません。

地目は、法務局で登記事項証明書を発行してもらえば知ることができます。

課税地目を知りたいなら固定資産税納税通知書に書かれているでしょう。

では、調べた地目が「宅地」ではなく「原野」だとしたら、そこに家を建てることはできるのでしょうか。

家を建てることが難しい土地というのは、どのような土地のことなのでしょうか。

スポンサーリンク

関連のおすすめ記事

借地契約書がない場合

借地契約においては、書面で契約書が残っていないというケースがあります。原契約は数十年前に交わ...

仲介手数料を節約!土地の売買は個人で行い希望価格で売却

土地を売ろうと計画している方の中には、仲介手数料を節約したいと考える方もいるでしょう。も...

地目変更の費用はどれくらい?費用を抑える方法はあるの?

「住宅を新築する」などの際に、地目変更を行わなければならない場合があります。これは登記の...

境界線にフェンスを立てる際の注意事項!高さに制限はある?

念願のマイホームを手に入れた時に気になるのが、隣家との境界線ではないでしょうか。建売住宅...

地目変更登記をしたい!手続きなどを分かりやすくご紹介!

土地の登記簿を見ると「地目」の記載があります。地目とは、登記簿上の土地の種類を示し、土地の利...

隣地境界線の塀はブロックとフェンスでシンプルなデザインに

家を新築すると同時に、外構も考えなくてはなりません。家のデザインに合わせてどのような外構デザ...

地目が「ため池」の土地の売買で注意すべきことは何か?

土地を売買するときに、現地を自分の目で確かめることはとても重要です。しかし、その土地を見ただ...

土地の価格が知りたい?実勢価格(時価)の調べ方とは?

不動産売買をしたい場合や、支払う税金を知りたいときなどに土地の価格を調べることがあるでしょう。...

土地の分筆登記の費用の相場は?安く抑える方法も解説

土地の分筆を考えている人にとって、最も気になることの1つが、費用に関することでしょう。一体土...

地目が畑の農地を相続した場合「駐車場」として活用するには

地目が畑などの農地を相続したときに、自分に農業を継ぐつもりがなく、駐車場にして活用しようとした場...

地目が畑の土地を売買するにはどのような手続きが必要なのか

「農地を相続したが農業を続ける気がない」「高齢で農業が続けられない」など、農業従事者の後継者不足...

誰でもできる?!土地を個人売買するための流れと注意点

不動産をお持ちの方は、不動産を売却するタイミングが大切です。土地や家屋、マンションなどの不動...

気になる地番の調べ方!無料で調べるための3つの方法!

不動産の登記で必要になる地番ですが、日頃お使いの住所とは違うことも多く、どのように調べたらいいか...

盛土をくわしくご紹介!締固める目的は不同沈下を防ぐため?

家を建てる前に盛土をすすめられ、「土を持ってきて盛って締固める」という説明をされたものの、その目...

「地主の承諾書」に承諾しても問題ないのか?

地主をやっていると「地主の承諾書」という書面を見る機会があるかもしれません。今回はこの書面に...

スポンサーリンク

原野とは?登記された地目と現況が違うこともある

宅地ではない原野に家を建てられるかどうかを見ていく前に、原野というのはどのような地目なのかご紹介します。

原野の定義としては、「耕作をせず、雑草やかん木類の生育する土地」です。

農地には向いていないなどの理由から、雑草や「かん木」が生えるままになっていて、長い間放っておかれている土地を指します。

かん木、というのは背丈が低い木のことです。

成長しきっても高さが3m以下の木で、幹が細く、根元のほうから枝分かれしている木を指します。

高い木がたくさん生えていれば、「山林」ということになります。

また、耕作をしていないという点もポイントです。

地目を理解する時に気を付けておきたいのは、登記上の地目と現況の地目が違う可能性があるということです。

建物が建っていても、登記上の地目は「原野」や「雑種地」のままだったり、登記上の地目が「原野」でも実際には耕作していることがあります。

したがって、前述した原野の定義については、登記をする際に判断するための情報、もしくは現況を調査する際に見分けるための情報だということです。

宅地でなくても家は建てられる(ただし例外も)

さきほど、建物が建っていても登記上の地目が「原野」になっていることもあるとお伝えしたように、登記上の地目も現況も「原野」なら、「宅地」でなくても家を建てることは可能です。

家を建てられない、もしくは建てるのが難しいのは「田」「畑」などの農地です。

農地に家を建てるには農地法による制限があり、農地転用の許可が必要になりますが、区域によっては申請しても認められないことがあります。

そのため、勝手に家を建てることはおすすめしません。

農地法は、農業従事者のために、生産力の増進や地位の安定を目的として定められた法律ですが、土地活用という視点から見ると制限があることに注意しましょう。

また、くわしくは後述しますが、原野と登記されていてもその土地で耕作しているのであれば、農地法の規制が適用される場合があります。

さらに、市街化調整区域や工業専用地域、農振法などもあり、それぞれに該当すると地目にかかわらず家を建てることは難しくなります。

宅地以外でも家を建てられるけど農地には注意!地盤改良も必要?

家を建てることができる土地というのは、「原野」「宅地」「山林」「雑種地」です。

登記上の地目も、現況も、農地以外の用途で使われていることが重要になります。

農地でも、農地転用や農振法の除外などの手続きをすることで建物を建てることができる場合もありますが、専門家への依頼費用などがかかってきますので、時間と手間がかかるでしょう。

また、家を建てるには地盤を強くしなければなりません。

宅地に建てられていた家を建て替えるような場合は、すでに地盤が建物を支持できる状態になっているので問題ありません。

しかし、そうでない場合は地盤を調べ、改良し、固めることが必要かもしれません。

原野なら、雑草やかん木をすべて除去してみると、草木が生えやすい柔らかい地盤があらわれる可能性もあります。

原野に家を建てる!地目変更はしなければいけない?

地目が「原野」と登記されているにもかかわらず、農地法の適用を受けることがあるとお伝えしました。

それは、農地法によって、「農地=耕作の目的に供される土地」と定められているからです。

地目というのは、市役所の担当職員などにより現況調査が行われることで固定資産税に反映されます。

地目変更は、原則として土地の所有者本人(もしくは依頼された専門家)が行うことになっていますので、登記は「原野」のままでも、「農地」とされていることがあるのです。

くわしくは、お住まいの地域の農業委員会事務局へお問い合わせください。

では次に、原野に家を建てた後に「宅地」に地目変更をすべきなのかということを取り上げます。

実は、土地の用途が変わっていても、正しく登記されていないことは多々あります。

しかし、地目変更を行わないのは、厳密には違法行為となります。

登記法164条によると、下記の登記を一ヶ月以内に行わない場合、10万円以下の過料に処すると定められています。

・地目変更登記
・建物表題登記
・減失登記
・土地表題登記
・地積更生登記

ただし、過料というのは罰金とは違い刑罰ではありませんし、お金を支払った事例はないようです。

家を建てるためにローンを組むと、金融機関から「地目変更をお願いします」と言われることもあり、その際には強制的に登記を行うことになるでしょう。

原野から宅地へ!法務局で地目変更の手続き

過料と罰金の大きな違いは、刑罰であるか否かで、過料の場合は前科は付きません。

とはいえ、登記を正しく行わないことで今後、より思い罰が定められる可能性もあります。

きちんと登記はするようにしましょう。

また、農地になっていない原野に家を建てて宅地に地目変更したい場合は、管轄の法務局で手続きを行います。

全国どこの法務局でもいいというわけではないので注意してください。

地目変更の手続きには、以下の書類が必要になります。

・土地の案内図
・登記申請書
・公図の写し

登記には正確性が求められますので、司法書士などの専門家に依頼して行うことがありますが、自分でも行うことができます。

補正がなければ申請後1週間ほどで完了するでしょう。

地目変更登記に必要になる費用は、自分だけで行えば、必要書類を集めるためのお金、交通費などの実費だけで済みます。

しかし、専門家に依頼すれば報酬分の費用が発生します。

土地の現況・登記・都市計画法を確認して土地活用!気を付けたい詐欺の手口

ここまでの要点をまとめますと、以下のようになります。

〇現況でも登記上でも地目が原野なら、家を建てることができる

〇「田」や「畑」などの農地として登記されている場合は、難しい手続きが必要になる(建てられないこともある)

〇「原野」と登記されていても、現況が農地なら手続きが必要になり、家が建てられないこともある

〇原野のように見えても、耕作をやめてから長い年月が経過していても、農地として登記されていれば簡単に家を建てることはできない

〇地目にかかわらず、市街化調整区域・工業専用地域には家を建てられない

〇原野に家を建てたら、「宅地」に地目変更するべきだが、していないケースもある

家を建てようと思ったら、土地の現況と、どのように登記されているのかを調べることが必要です。

市街化調整区域、工業専用地域、農振法についても調べることをおすすめします。

最後に、原野に関する詐欺が増えてきていることにも触れておきます。

「原野商法」という古典的な詐欺の手口がありますが、その被害にあって原野を所有している人を、再び騙す詐欺が発生しています。

原野などの価値の低い土地を、「都市開発が進んでいるから」というような嘘で騙して売りつける詐欺ですが、それ以外の手口もあります。

原野を高値で買い取ると持ち掛けて、「そのためには一度別の土地を買っていただき、それをこちらで買い戻します」「税金対策のためにお金を預かります」と騙すこともあります。

また、「土地を売るためには調査しなければ」と言い、測量すると見せかけてお金を騙し取る手口もあります。

こうした原野商法に注意が必要です。

地目以外にもチェックしておきたいことがある

地目の定義を調べて土地を見ると、「どう見ても原野」と思うような見た目でも、登記は畑になっていることがあります。

また、登記上は原野となっていても耕作をしていて農地法による農地となることもあります。

都市計画法、農振法などで、家を建てられなかったり、地盤に問題があると費用が多くかかるため、家を建てられる土地かどうかは、登記上の地目だけで判断することはできないでしょう。