マンション名義を夫婦共有にするメリットや注意点とは?

夫婦でマンションを購入するのに住宅ローンをどちらかが単独で契約した場合、単独名義での登記を行います。

一方で、夫婦共同で住宅ローンを契約する場合には、お互いが負担した分の割合で名義を分け合う「共有名義」での登記が必要です。

「共有名義」で登記を行うと、節税や控除など、色々な恩恵を受けられます。

しかし、将来的に注意しなければならないポイントもあります。

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マンションを購入する資金力が増加する!

マンションを購入する時、多くの人は住宅ローンを利用して金融機関から購入資金を借入れます。

住宅ローンの融資可能額は、金融機関や保証会社によって審査され決定します。

この時、契約者の収入や経済状況、信用情報等が審査の項目として使用されます。

夫、妻どちらかが単独で住宅ローンを組む場合は契約者の収入のみが審査の材料として扱われます。

しかし夫婦共有で住宅ローンを申し込むと、夫と妻双方の収入を合算した額で審査を受けられます。

また、夫婦がそれぞれ住宅ローンを組んで、2つの住宅ローンを使用することも可能です。

もちろん住宅ローンの審査は、収入だけで決まるわけではありませんが、年収が多ければ融資可能額は増加する可能性が高くなるでしょう。

このように夫婦の収入合算で住宅ローンを使用した場合や夫婦それぞれがローンを組んだ場合には、住宅ローン負担額の割合によって共有名義の持ち分が決定します。

ちなみに、妻が専業主婦である場合、収入が無いとみなされるので合算して住宅ローンを受けることはできません。

しかし、妻の婚前の貯金などを頭金の支払いに使用すれば、全体的な資金力を底上げすることが可能です。

この場合にも、マンションは共有名義で登記を行い、妻の持ち分は「支払った頭金額」の分となります。

共有名義ならマンション購入の住宅ローン控除が双方に適用される!

住宅ローンを組んで不動産を購入すると「住宅ローン控除」というものが最低10年間受けられるようになります。

これは、住宅ローンの年末残高を基に算出された一定の金額が、所得税・住民税から減税される制度です。

控除される金額は年末の住宅ローン残高のおよそ1%程度で、上限額は一般住宅の場合は年間40万円、優良住宅の場合は年間50万円です。

単独名義で住宅ローンを組んだ場合、この控除を受けられるのは契約者だけです。

しかし、マンションの住宅ローンを夫婦で組んで、共有名義で不動産を所有すれば、夫妻どちらとも住宅ローン控除を受けられるようになります。

ただし、住宅ローン控除を双方が受けるには夫、妻がそれぞれ別の契約で住宅ローンを利用する必要があります。

収入合算で一つの住宅ローンを契約する場合には、どちらかがどちらかの「連帯債務者」となって契約しなければなりません。

また、一方が「連帯保証人」になるだけでは住宅ローン控除を使用できないので注意しましょう。

マンションの名義を共有にすると夫婦間の相続税が節税できる!

マンションを購入する際に夫一人で住宅ローンを契約し、単独名義で不動産を所有したとしましょう。

このケースで夫が妻より先に死去した場合、妻は夫が持つ不動産を相続することになります。

この時、相続税の計算では「マンションの評価額」全てが課税対象となってしまいます。

例えば、その時点での評価額が5000万円だった場合には、5000万円分の不動産に対する相続税を支払わなければならないのです。

一方で、夫婦で半分ずつ持ち分を所有し共有名義にしていた場合、課税対象は夫の持ち分である2500万円だけとなります。

マンションを購入した時点で、どちらかが死去したその先のことを考えるのは、現実感が無いかもしれません。

しかし、相続問題というのは将来的に必ず降りかかってくるものです。

いざという時に必要以上の税金を支払うことにならないためにも、共有名義での持ち分割合はよく話し合って決めましょう。

離婚時には夫婦共有名義ならではのデメリットがある

夫婦が共有名義でマンションを所有した場合、デメリットが発生しやすいのが離婚する時です。

一般的に夫婦が離婚する場合、婚姻生活中に発生した財産を平等に分ける「財産分与」が行われます。

どちらかに非がある場合などは慰謝料と財産分与が相殺されるケースもありますが、今回は「どちらにも非が無く平等に財産を分ける」場合におけるデメリットを解説します。

預貯金や家電製品などの財産は、お互いが納得いく配分で分けやすい財産です。

話し合いが上手くいけば、大きなトラブルも起こらずに分け合うことができるでしょう。

しかし、マンションなどの不動産の場合、お互いの希望が合致しないこともあります。

例えば、夫は売却して現金に換えて分け合いたいと思っていても、妻はそのマンションに住み続けたいと思っていたとしましょう。

マンションが夫の個人名義だった場合には、妻の許可がなくてもマンションを売却することも可能ですが、共有名義にしていた場合、売却には妻の許可が必要となります。

共有名義で不動産を所有していた場合、離婚時の財産分与の希望がすれ違うと、思わぬトラブルの原因になってしまうのです。

相続時に所有者が増えて複雑化する場合がある

夫婦間に子供がいるならば、共有名義でマンションを持っていても、いずれそのマンションを受け継ぐのは子供なので相続が複雑になることはありません。

しかし、夫婦に子供がいない場合には夫、妻それぞれに親や兄弟、甥姪などの法定相続人が発生します。

夫が先に死去した場合、本来、夫と妻二人だけの共有名義だったマンションが、夫の法定相続人である兄弟や親戚と妻の複数人による共有名義となってしまうのです。

共有者が増えれば、マンションの扱いでトラブルが起こったり、売却時に全員の許可をもらわなければならなかったりと、相続が非常に複雑化してしまいます。

子供を持たない夫婦でマンションを持つ場合、自分達の法定相続人が誰になるのかを確認して、万が一どちらかが先に死去した場合、マンションをどうするのか話し合っておきましょう。

法定相続人にもその旨を伝え、相続時の火種を作らないでおくことも大切です。

夫婦間で贈与税が発生するケースに注意しよう

マンションの名義を夫婦共有にした時、見逃してはいけないのが「贈与税」の問題です。

もちろん、お互いに自分の負担額分を持ち分として所有している限り、贈与税が発生することはありません。

しかし、いくつかのポイントを押さえておかなければ、夫婦間でも贈与税が発生してしまうケースがあるのです。

例えば、1億円のマンションに対して夫と妻がそれぞれ5000万づつ住宅ローンを契約し、共有名義で不動産登記しているとしましょう。

共働きでお互いに住宅ローンを返済している内は問題ないのですが、妻が仕事を辞めて専業主婦になった場合などには注意が必要です。

こういった場合、妻が退職し収入が無くなった段階で、ローンの返済は「夫の収入」から行われているということになります。

この状況は「妻が夫に不動産の名義を贈与した」と見なされ、ローン残金分に贈与税が加算されてしまう可能性があるのです。

もちろん、これは夫が失業や休職して妻のみが働いている状況になっても同じです。

将来的にどちらかが仕事を辞めたり、休職したりする可能性がある場合には、贈与税に関してもよく注意して名義の割合を決めましょう。

メリット・デメリットを把握して夫婦共有名義の準備をしよう

夫婦でマンションの名義を共有することは、購入時の資金力が上がったり、節税対策が受けられたりとメリットが沢山ある行為です。

しかし一方で、相続や離婚の時には思わぬトラブルになる可能性もあります。

ネガティブな将来について考えるのは気が進まないかもしれませんが、万が一の時に嫌な気持ちを味合わないためにも、自分達の家庭状況と起こるかもしれない問題を把握して、それに対する準備をしておきましょう。