土地や建物を所有すると、不動産登記をすることが必須ですね。
そんな不動産登記には大切な情報がたくさん記載されているわけですが、これが一般公開されていることはご存知でしょうか。
そしてこれは誰でも閲覧することが可能なのです。
この記事では、不動産登記が一般公開されている理由とともに、閲覧する方法や手数料についてお話をしていきます。
不動産登記とは?
土地や建物を所有した経験がある方ですと、不動産登記をしたかもしれませんね。
ではこの不動産登記がどのようなものかを、まずここでご説明していきましょう。
不動産登記とは、みなさんの大切な財産でもある土地や建物などの不動産ひとつひとつの情報を、コンピューターに記録することをいいます。
どのような情報を記録するかというと、
・不動産の所在
・不動産の面積
・不動産の所有者の住所
・不動産の所有者の氏名
などです。
これらの情報は、法務局の登記官が実際に見たり調べたりしたうえで、正しいかどうかを判断されてから記録されるようです。
コンピューター上に記録されるとはいえ、不動産の所有者の住所・氏名までも記録されるわけですから、情報漏えいだけは避けたいと思う方もいるかもしれません。
しかし、この不動産登記は一般公開されているので、誰でも閲覧することができるのです。
その理由については次項でお伝えし、後ほど不動産登記を閲覧する際の手数料についてもお話しします。
なぜ不動産登記は一般公開されているの?
なぜ不動産登記が一般公開されているかというと、不動産登記は先ほどの事項のほかに所有権や抵当権といった、さまざまな権利関係も記録されています。
その不動産の権利関係などの状況を、不動産登記を一般公開することで、自分だけでなく第三者も知ることができます。
そうなれば不動産を取得するなどの際、「まったく無関係の人の担保になっていた!」といったこともありませんから、安心して取引を行うことができますよね。
つまり、不動産取引の安全性と円滑をはかる役割をはたすために、不動産登記は一般公開されているわけです。
とはいえ、実際に不動産登記を閲覧するということは、日常生活の中ではめったに起きることはないでしょう。
ですから、どのように閲覧するのか分からない方も多々いるかと思います。
そこで次の項から、不動産登記を閲覧したい場合の方法についてお話をしていきます。
閲覧時に手数料がかかるのかも後ほどお話ししますので、参考にしてください。
不動産登記を閲覧する方法
それではここから、不動産登記を閲覧したい場合、どのようにすれば良いのかをお伝えしていきましょう。
不動産登記を閲覧したい場合、最も一般的といえるのが「法務局へ訪問し閲覧する」方法です。
ここで注意すべきことが、どこの法務局でも良いということではないことです。
不動産登記を法務局で閲覧するには、確認したい不動産の管轄となる法務局でなくてはなりません。
管轄の法務局を調べたうえで閲覧しに行きましょう。
そして管轄の法務局に行けば自由に登記を見られるというわけではなく、「登記事項要約書」を請求する手続きが必要となります。
登記事項要約書には、
・不動産の表示に関する事項(所在や地番、面積など)
・現在の所有者の住所、氏名、申請書受付けの日付など
・所有権などの現在効力のある権利関係など
以上が主に記載されています。
法務局の窓口付近に「登記事項要約書・閲覧申請書」が置かれていると思いますので、こちらの書類の必要事項を記入していきます。
記入後、窓口で申し込みをし受理されれば、対象の登記を閲覧ができるようになります。
その際気になるのが手数料ですね。
登記を閲覧するのに手数料がかかるのかどうかは、次項でお話しします。
登記事項要約書を閲覧するには手数料がかかる?
不動産登記を法務局で閲覧する際、手数料がかかるのかどうかは気になるところでしょう。
当然といえるかもしれませんが、登記の閲覧には手数料が必要です。
いくらかかるというと、1通につき450円とされています。
手数料は先ほどの「登記事項要約書・閲覧申請書」を窓口に提出する際に一緒に渡すことになりますが、この支払い方法は現金払いではありません。
現金ではなく収入印紙を渡すことになりますので、450円分の収入印紙を購入しておかなくてはなりません。
法務局によっては印紙売り場がある場合もありますが、ない場合は郵便局などで購入しておかなくてはなりませんのでご注意ください。
とはいえ、あくまでも閲覧しかできませんし、登記事項要約書には全ての情報が記載されているわけではありません。
特に権利関係でいえば、「現在効力のある権利関係」しか記載されていませんから、過去の権利関係まで知りたい場合は要約書だけでは難しいといえます。
過去の情報までを知りたい場合は、「登記事項証明書」を請求することをおすすめします。
過去の情報も知りたいなら登記事項証明書!手数料はいくら?
登記事項要約書にはすべての情報が記載されているわけではありません。
現在だけでなく過去の権利関係などの情報を知りたい場合はこの要約書では難しいです。
その場合には、「登記事項証明書」を請求しましょう。
登記事項証明書は、登記事項要約書の内容にプラスして、過去の情報まで記載がされています。
例えば、「過去に誰が所有していた不動産なのか」や「過去にどのような登記をしてどう変化したのか」などの情報までも確認することができるのです。
もちろんこちらの証明書を請求する場合も手数料がかかります。
登記事項証明書を法務局の窓口で請求する場合、1通あたり600円の手数料がかかるので、登記事項要約書よりも少し費用はかかります。
請求の手続きは、登記事項要約書を閲覧する場合とほとんど同じです。
「登記事項証明書・交付請求書」に必要事項を記入し、手数料分の収入印紙と一緒に窓口に提出すればOKです。
登記事項証明書の場合は、正確な地番や家屋番号がわかれば、管轄の法務局でなくても請求することができるそうです。
法務局に行かなくてもOK?オンライン閲覧なら手数料も節約に
一般公開されている不動産登記を閲覧するための方法として、「登記事項要約書」もしくは「登記事項証明書」を法務局で閲覧することをお話ししてきました。
しかし中にはなかなか法務局に行くことができない方もいることでしょう。
近年は登記がオンライン化されはじめたこともあり、法務局に行かなくても不動産登記を閲覧することができるのです。
全部事項であれば一般財団法人民事法務協会の「登記情報提供サービス」を利用すると、不動産登記をオンラインで閲覧することが可能です
全部事項の手数料は335円ほどですが、法務局で閲覧するよりも安く済むので、登記情報を確認したい方でしたらオンライン閲覧はおすすめといえます。
所有者事項のみだけ知りたい場合は145円で閲覧できますので、かなりの手数料を抑えるのにつながりますね。
ただしいつでも閲覧できるというわけではなく、平日の8時30分から21時までが利用時間のようですので、時間に注意して閲覧するようにしてください。
また、登記事項要約書はオンライン請求ができません
法務局だけでなくオンラインでも閲覧可!閲覧時は利用時間に注意しよう
不動産取引の安全性と円滑をはかる役割をするために、不動産登記は一般公開されています。
不動産登記を閲覧するには、最も一般的といえるのが法務局で登記事項要約書を閲覧することですが、近年はオンラインでも閲覧ができるようになりました。
ここでご紹介したものですと手数料も安く済ませられるのでおすすめですが、サービスの利用時間が決まっているので、利用する際は時間に注意して閲覧するようにしてください。