不動産登記を申請するには、管轄の法務局の窓口に書類などを提出することが一般的といえるでしょう。
しかしもし、その提出した書類に不備があれば、補正の指示が出されることもあるようです。
この記事では不動産登記における補正について、そしてこの補正には期限があるのかについてご説明していきます。
不動産登記における補正とは
不動産登記を申請する際は、管轄の法務局へ行き、必要書類などを提出することが一般的な申請方法といえるでしょう。
ところが、申請に必要な書類を提出すれば登記完了というわけではなく、提出後、それらの書類は法務局の職員(登記官)によってチェックされます。
書類に問題がなければ申請は受理され、登記申請の手続きは完了することでしょう。
ただし原則的に、申請書類に誤りなどの不備がある場合には、登記はできないとされています。
しかし、その不備が即日中に直せるものなどであれば、登記申請人がその箇所を訂正し次第、登記できることもあるようです。
この、登記申請人が申請書類の不備を直すことを、不動産登記における「補正」というわけです。
不備を直すよう指示するのは書類をチェックした登記官で、基本的には電話などで連絡が来ることが多いそうです。
ではどんな不備によって、補正をしなくてはならないのでしょうか。
これについては次の項でご説明し、後ほど補正に期限があるのかについてもお話しします。
どんな不備で補正の指示が出されるの?
ではどのような不備で、登記申請書類に補正の指示が出されるかをここでご説明していきましょう。
特に多いとされている不備としては、下記のものが挙げられます。
・申請書類の誤字、記入漏れ
・印鑑による押し忘れや薄い、欠けているといった不備
・必要な添付書類が不足
・登録免許税の計算ミス
もしこのような即日直せる不備が生じている場合には、登記官から補正の指示が出されるかもしれません。
そのため、申請書類に記載する電話番号は、日中に連絡がつながりやすい電話番号を記載することが望ましいといえるでしょう。
それでは実際に不動産登記の申請書類に不備があり、補正の指示が出された場合いつまでに行わなければならないのでしょうか。
この補正の期限については、次の項でくわしくお話ししていきます。
補正の期限はあるの?
不動産登記をするために管轄の法務局で書類を提出した後に、不備があれば登記官から補正の連絡が来ることがあります。
では、この補正に期限はあるのでしょうか。
期限はもちろんあり、補正の連絡が来たときに、登記官から「いつまでに」といわれるでしょう。
ですから、その指示された期日までに補正を行わなければなりません。
登記の補正期限については不動産登記法第25条にも「不備があった場合には原則登記の申請を却下するが、その不備が補正できる場合は、登記官が定めた期日までに登記申請人が補正をすれば可とする」という内容が記載されています。
そのため、補正指示の連絡を受けたら、いつまでに補正をするのかをよく確認しておくことが重要です。
期限内に行えば登記可!不動産登記の補正方法とは
登記官から補正の連絡が来たら期限も伝えられますから、その期限までに行わなければなりません。
どのように補正をするかというと、まずは法務局に行くことからはじまります。
そして、担当の登記官によって不備の訂正を指示されると思いますので、それに従って訂正しましょう。
訂正する際には訂正印が必要となるのですが、注意しなければいけないことがあります。
提出した登記申請書には押印がされているかと思うのですが、訂正印はこの印鑑と同じ印鑑でなくてはならないのです。
そのため補正をしに法務局へ行く際は、登記申請書類に使用した印鑑を持参することを忘れずにしてください。
また、法務局は利用時間が決まっていますので、時間にも注意する必要があります。
土日・祝日は利用できませんから、平日の8:30~17:15の間に行けるようにスケジュールを調整してくださいね。
ここまでは法務局の窓口で登記申請した場合でお伝えしてきましたが、登記はほかの方法でも申請することが可能です。
ほかの方法で申請した場合の補正方法はどうなのでしょうか。
次の項でお伝えしていきます。
ほかの方法で登記申請した場合の補正方法
ここでは登記申請の方法別に、補正方法をご説明していきます。
●オンライン申請
登記申請はオンラインでも可能な場合もあり、専用のシステムを使って行います。
申請をオンラインで行うと、補正の連絡を受けるのも、実際に補正を行うのもオンラインです。
※事案によっては、登記官から電話で連絡が入ることもあるようです。
こちらの場合も期限が定められますので、期限内に補正を行うようにしましょう。
●郵送申請
登記申請は法務局にわざわざ行かなくても、郵送で申請をすることもできます。
この場合で補正の連絡を受けたら、窓口での申請同様、管轄の法務局へ行き、補正することとなります。
補正が必要な書類を郵送することはできませんから、必ず法務局の窓口で補正を行うようにしてください。
●専門家に依頼して申請
中には、登記申請を専門家に依頼して行う方もいるかと思います。
専門家が代理申請した場合、補正ももちろん専門家が行います。
そのため、登記申請人が法務局へ行く必要もなければ、補正を行う必要もありません。
期限内に補正を行わない場合は取下げや却下となることも…
ここまで、不動産登記における補正についてお話をしてきました。
原則不備があれば却下とされる登記申請も、誤字や記入漏れであれば期限内に補正すれば可とされます。
しかし期限内に登記申請人が補正をしなかったり、重大な不備がありすぐに補正することが困難であったりした場合には、登記官はその登記申請を却下せざるを得なくなります。
そうなれば、法務局は登記申請人に対して、申請の取下げをするように促すこともあるようです。
そして実際に申請人が、登記の申請を撤回することを登記の「取下げ」といいます。
取下げの手続きには、「取下書」に必要事項を記載し、法務局の窓口に提出をします。
このとき補正同様、登記申請書で押印した印鑑と同じ印鑑が必要となりますので用意しておきましょう。
取下げの手続きが完了すると、登記の申請がなかったものとなるので、提出していた書類がすべて返還されます。
書類が返却されれば、また一からそろえることがなくなるので、再度登記申請する際にスムーズに行うことができるでしょう。
万が一、取下げの手続きもしなければ、登記申請は却下されることになります。
却下されると、提出した書類は当然返却されませんから、再び登記申請をする際は一から書類を集めることになるでしょう。
何にせよ、補正などなくスムーズに登記をするには、不備なく書類を作成することが重要といえますから、申請書類は慎重に作成するようにしましょう。
補正などのないように!慎重に申請書類は作成しよう
登記申請の書類に不備があれば、登記官から補正の指示が出されることもあります。
その場合は連絡された期日までに、法務局へ行き補正をしなくてはなりません。
もしオンラインで登記申請した場合は、補正もオンラインで行いますのでご注意ください。
ただし重大な不備などがある場合には、補正ではなく取下げもしくは却下となることもありますので、スムーズに登記ができるためにも、申請書類の作成は慎重に行うようにしましょう。