一戸建ての購入を決めたら知っておきたい中古一戸建ての価値

一戸建ての購入は人生における大きな買い物のひとつと言えます。

一戸建ては新築にするのか、中古にするのかという点も、購入の際に迷うポイントです。

近年では、中古一戸建てを購入する人が増え、中古市場が活性化してきています。

資産価値の面で不利なイメージがある中古一戸建てですが、様々なメリットもあります。

中古一戸建てのメリットやデメリットを資産価値からの観点と併せて考察していきます。

一戸建ての資産価値の変わり方

一戸建てを購入した場合、新築のときからどのように資産価値は変わっていくのでしょうか。

一戸建ての資産価値は、土地と建物の価格の合計になります。

一戸建ての建物部分の価値は、新築直後から下落し始めて、築10年で約半分の資産価値になります。

更に築15年では、新築時の2割程度まで資産価値が下がると言われています。

築20年になると、建物の資産価値はほぼゼロになってしまいます。

つまり20年経った中古一戸建ての資産価値は、土地の価値だけということになります。

これは、日本では一般的な木造住宅の耐用年数が22年と言われているからです。

木造なのか鉄骨造なのかによっても、耐用年数は変わります。

しかし、どんなにきれいに保っていてまだまだ住み続けられる建物であっても、売却の際に20年以上経っていれば資産価値はほぼゼロと評価されます。

近年では建築技術も上がってきて、長期優良住宅なども増えてきたため、これからは一戸建ての資産価値も見直されていく方向に向かっていくでしょう。

中古一戸建て購入のメリット

日本では、一戸建て購入と言えば新築、条件に合う新築がなかった場合には中古にするという新築第一のイメージがありました。

それが、近年ではあえて中古一戸建てを購入する人が増えていて、中古市場が活性化しています。

それは、中古一戸建てにもメリットがあるからなのですが、どのようなメリットがあるのでしょうか。

まず、新築一戸建てよりも安い価格で購入できるという点が挙げられます。

新築と同じ価格を出すのであれば、中古の方が価格が抑えられる分、広さや立地などよりよい条件で購入できる可能性が高くなります。

また、建物の価格が低いので、その分のお金をリフォームにかけることができます。

更に、既に中古の価格で購入するため、土地の価値が下がらない限りは購入後の資産価値が新築ほど大きく下がることがないのもメリットの一つです。

その他のメリットは、中古一戸建ての場合は、家の中や外観、周囲の環境や住人を事前に確認することができることが挙げられます。

そういったメリットが、中古一戸建てを購入する人が増えている理由です。

知っておきたい中古一戸建てのデメリット

中古一戸建てのメリットを挙げてきましたが、デメリットもあります。

中古一戸建てを安い価格で購入できても、リフォームせずにそのまま住んでいると、老朽化による修繕が必要になりお金が思ったよりかかってしまうことがある点が挙げられます。

また、住宅設備も古いので、不具合が出て交換しなければならなかったり、新しい設備を入れたくても構造上入れられないこともあります。

中古一戸建ては、住宅ローンでも問題が出てくることがあります。

一戸建てでも木造は特に、20年経つと資産価値がほぼゼロになると言われています。

そのため、20年以上経っている中古一戸建ては住宅ローン控除を受けられない可能性があります。

住宅ローンの面から考えると、耐震性も気になります。

1981年に建築基準法が大きく改正され、耐震基準も変わりました。

1981年以前の耐震基準を旧耐震基準、意向を新耐震基準と言い、どちらの耐震基準で建てられたのかで、税金や住宅ローンにも影響があります。

同時に安全の面から考えても、耐震性は重要なので、その耐震性や構造などを事前に調べる必要があります。

そういった新築ではかからない手間がかかってしまうことも、中古一戸建てを購入する際のデメリットであると言えます。

中古一戸建てを購入するときの見極めポイント

中古一戸建ての購入には、メリットもデメリットもあります。

それを知ったうえで、後悔しない中古一戸建ての見極めポイントをご紹介します。

まず、最初に確認が必要なのが、家が建てられたときの設計図、リフォーム履歴の図面や書類の有無です。

この図面がないと、中古一戸建てのきちんとした資産価値がわからないからです。

続いて、内見に行った際には、外壁に大きなひび割れがないか、基礎と家の継ぎ目に亀裂が入っていないかをチェックします。

そして、木造一戸建てでは特に水漏れや雨漏りは後々シロアリ被害や、木材の腐食など重大な問題となってくる可能性があります。

そこで、配管、天井裏、床下に湿り気や水漏れがないかを必ずチェックします。

外構や内装など細かい点もチェックする必要がありますが、まずこの図面の有無、基礎や構造部分のひび割れ、水漏れが中古一戸建ての重要な見極めポイントとなります。

水漏れや、家の周りの状態を知るためにも、できることならば雨の日に内見をすることをおすすめします。

中古一戸建ての資産価値を左右する立地条件

中古一戸建てを購入する際には、建物の資産価値は低い場合が多く、ほとんどが土地の価値になります。

つまり、その土地の立地などの条件によって、購入した中古一戸建ての資産価値は大きく左右されることになります。

土地の資産価値を高くするには、駅から近いことがまず挙げられますが、駅から徒歩数分の一戸建ては数も少なく見つけるのは困難です。

ただ、マンションとは異なり、一戸建てを購入する人の中には、駅からの距離よりも周辺環境などを重視する人が一定数います。

そこで重要になるのが、バス停までの距離と、スーパーやコンビニ、金融機関、クリニックなどの商業施設や学校など教育施設への距離です。

一戸建ての場合は車を使用する可能性も高いため、駐車スペースの形状や前面道路の状態なども重要なポイントとなります。

その他には、都市計画法で決められている用途地域の中のどの地域に入るのかも将来的な資産価値を左右します。

基本的に低層の住居専用の地域では、周辺環境が大きく変化する心配はあまりありませんが、高層ビルなどが建てられる地域であれば、すぐ隣に高層マンションなどが建つ可能性があります。

それ以外にも、嫌悪施設と呼ばれる施設が建つ可能性がある地域もあります。

そうなると、土地の資産価値が大きく下がってしまうことが考えられます。

購入した一戸建ての資産価値を残すためにも、用途地域は調べておく必要があります。

一戸建ての資産価値を維持するために

前述してきたように、一戸建ては20年ほどで建物の資産価値はゼロになると言われてきました。

20年ではまだ住宅ローンが残っている場合もあり、せっかく家を購入するのであれば、少しでも資産価値を高く維持したいところです。

そこで知っておきたいのが、2009年に施工された「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」です。

この「長期優良住宅」とは、長く住み続けられる劣化の少ない質の良い住宅のことで、認定されると税金などで優遇されます。

認定の判断基準は、以下の9つのポイントを全て満たしていることが条件になります。

「耐震性」「省エネ性」「バリアフリー」「劣化対策」「間取り可変性」「居住環境」「住戸面積」「維持管理・更新の容易性」「維持保全計画」の9つです。

こういった基準を維持するために、定期的に点検や修繕をする必要があります。

しかし、長期優良住宅としての機能を維持することで、中古一戸建てとなっても、今までの一般的な一戸建てに比べると資産価値を高く維持できる可能性が高くなります。

この長期優良住宅の制度は、新築に限らず、中古を長く住み続けられる質の良い家にリフォームするための基準も設けられています。

これから購入する一戸建てて、今住んでいる一戸建ての資産価値を維持するためにも、この長期優良住宅をぜひ調べてみてください。

中古一戸建てのメリットデメリットを知って後悔しない住宅購入を!

中古一戸建てのメリットとデメリット、その中古一戸建てがよい物件なのかどうかの見極めポイントなどを挙げてきました。

中古一戸建ては新築に比べると築年数なども様々で、数も多いため、良い物件かどうかを見極めることが大切です。

また、建物は資産価値が下がっていることが多いので、土地の価値は資産価値の面から考えても重要なポイントになります。

どのような中古一戸建てなのか、建物や土地もしっかりと調べて、後悔のないマイホームを購入してください。