「網戸を閉めているのになぜか虫が入ってくる」というときは、窓ガラスと網戸の枠や、網戸と窓枠が接する部分に、隙間ができている場合があります。
閉めているつもりでも、隙間があれば虫の侵入は防げません。
隙間の原因は、窓の開け方が間違っている場合や、網戸本体に問題がある場合があります。
ここでは窓と網戸に隙間ができる原因と対処法についてご紹介します。
窓の正しい開け方を知っていますか?
何気なく開けている窓には、実は正しい開け方があります。
一般的に設置されている引き違い窓は、左側の窓ガラスが室外側、右側の窓ガラスが室内側になっています。
この構造上、網戸は右側に設置して使用するように作られていて、窓を開けた時に、窓ガラス枠と網戸の枠が重なり、隙間を作らないよう考えられているのです。
つまり、網戸の効果を存分に発揮するには、構造に従って、右側に網戸を置いて、右側の窓を開けるのが正しい開け方となります。
左側に網戸を置いて、左側の窓を開けても、全開するのであれば隙間はできないのですが、中途半端な開け方をすると、窓枠と網戸の枠が重ならないので隙間ができます。
そのため、網戸をしていても小さな虫が入ってきてしまうのです。
「網戸は右側へ」と、覚えておくと良いでしょう。
開け方以外の隙間を作る原因!戸車とは?
窓の開け方が正しくても、網戸本体に問題があって小さな虫が入ってくる場合があります。
網戸の網が破れていれば、誰しもすぐに気付くでしょうが、普段の生活の中では気付きにくい部品が原因となっている場合もあるのです。
網戸は、枠と網以外にも、強風などによって網戸が落下してしまうのを防ぐための「はずれ止め」や、網戸がレールをスムーズに動くための車輪状の部品が使われています。
その車輪状の部品が「戸車」です。
戸車は、網戸の高さを調節したいときにも活躍してくれる部品です。
戸車は、設置された当初はサッシとの隙間ができないよう調節されていますが、木造住宅の経年劣化による縮みにより、隙間を作ってしまう場合があります。
このようなときには、戸車の高さを調節することで隙間をなくすことができます。
網戸下の側面に付いている、2つのネジを確認します。
上のネジは戸車を固定しているネジなので触らないようにしましょう。
下のネジが調整ネジなので、このネジをドライバーで回すことで高さの調節が可能です。
時計回りに回すことで戸車は上がり、反時計回りに回すと戸車は下がるので、サッシとの間に隙間ができなくなるよう調整します。
また、戸車自体が劣化し、すり減ったり壊れてしまっている場合は、戸車そのものを交換する必要があります。
開け方だけじゃない!網戸のゆがみが原因かも
正しい窓の開け方をしていても、隙間ができてしまう原因として、戸車についてお話しましたが、原因は他の部品である場合もあります。
隙間の原因として考えられるのは、網戸の枠のゆがみです。
網戸の枠は、衝撃に弱く、ゆがんでしまう原因は様々あります。
・長年の開閉の衝撃によるネジの緩み
・経年劣化による部品の消耗や破損
・DIYで網戸を張り替えたことによる弊害
・物や子どもが網戸に衝突した場合の衝撃
ゆがんでしまうことが予測できる原因もあれば、「そんなことで」と思うような原因もあります。
網戸の枠は、窓ガラスの枠と比べると、格段に弱いことは覚えておきましょう。
ゆがんでしまった網戸は、先にお話した戸車を調整することで解消される場合もあります。
しかし、衝突による衝撃などでゆがんでしまった場合は、アルミ製の枠そのものがゆがんでしまっていることもあるので、調整しても変わらないときには網戸自体を交換しなければいけません。
隙間はないのに虫が!網戸の網を見直してみよう
目につきやすいくらいの大きさの虫ではなく、とても小さな虫が入ってくることもあるでしょう。
とても小さな虫に関しては、間違った開け方によってできた隙間からではなく、網戸の網の目から入ってきている場合があります。
一般的な住宅の窓に設置されている網戸は、網の目の大きさが約1.15mmの、18メッシュというサイズが使われています。
蚊の大きさであれば到底この網の目は通れないのですが、もっと小さな虫であれば、網の目を通って入ってきてしまうことがあるのです。
小さな虫を良く見かけるようであれば、網の目がもっと細かいサイズの網に張り替えてしまうのも一つの方法です。
ホームセンターでも様々なサイズの網が販売されています。
しかし網の目が細かければ良いというものでもなく、細か過ぎると風が通りにくくなるというデメリットもあります。
購入するときには気を付けましょう。
また、「夏の間だけ網の目を細かくしたい」「張り替えまでするのは面倒」という人には、網戸カバーがおすすめです。
マジックテープのようなもので、網戸に貼り付けて使えるものが多く、使い方は簡単です。
種類によっては、紫外線をガードしてくれたり、目隠しになるものもあるので、試してみてください。
窓にも網戸にも有効な隙間テープ
木造住宅であったり、築年数が経過した物件の場合、窓や網戸に限らず、玄関ドアや内ドアなど、隙間のある場所が気になる人は少なくありません。
簡単に、コストをかけずに、隙間対策をするには隙間テープがおすすめです。
隙間のある場所によって、ウレタン製やゴム製、モヘアタイプなど、いろいろな種類の隙間テープから選ぶことができます。
窓や網戸に隙間テープを取り入れるときにも、隙間のある場所によって適した隙間テープは違います。
例えば窓同士、窓と網戸の間の隙間には、モヘアタイプの隙間テープがおすすめです。
窓を閉めたときに接する窓枠との隙間には、ウレタン製の隙間テープでも良いのですが、開閉の際にこすれる部分にウレタン製のを貼ると、窓が開けにくくなる場合があります。
その点モヘアテープは心配ありません。
まずは窓の右側に網戸をして、右の窓ガラスを開けるといった正しい開け方をして、隙間がある場所を確認してください。
隙間がある場所が分かったら、適した素材の隙間テープを購入し、貼りましょう。
意外と知らない!賃貸物件の窓に設置された網戸は設備?消耗品?
賃貸物件に住んでいて、窓に設置された網戸の張り替えが必要になった時、管理会社や大家に連絡をし、費用を負担してもらうのが普通のように思うでしょう。
しかし網戸に関しては、場合によっては借主が負担しなければならない場合があります。
乱暴な開け方をしたり、借主の過失によって起こった問題ではなくてもです。
網戸は、窓と同じように建物の一部で、設備であると思いがちですが、契約時に消耗品に含まれている場合があります。
設備に経年劣化などで問題が起きた場合は、貸主が補修費用を負担するのですが、消耗品に関しては、契約上借主が補修費用を負担するとされています。
一般的な消耗品とは、電球であったり、水道のパッキンなどです。
そのため契約上網戸が消耗品になっているか、設備になっているかによって、張り替えなどの費用負担を誰がするのか変わってきます。
特に契約書に記載がない場合は、管理会社や大家に問い合わせる必要がありますが、網戸に関しては決まりごとがないため、貸主の考え方に左右されます。
良くあるのは、居住中の張り替え費用は借主負担、退去後の張り替え費用は貸主が負担するケースです。
居住年数による場合もあるので、まずは設備なのか消耗品なのかを確認し、管理会社や大家に相談してください。
窓と網戸の隙間をなくして快適なお部屋に
虫が部屋の中に侵入する原因として多い、窓や網戸の隙間は、網戸の部品の劣化によるものも多いですが、これは修理や交換をすることで対処できます。
問題は、網戸には何も問題がないのに、窓の正しい開け方を知らないために生じてしまう隙間です。
窓や網戸のメンテナンスをしつつ、日頃から正しい窓の開け方をするだけで、隙間を最小限にすることができるでしょう。
少しの隙間なら隙間テープのような商品を取り入れるのもおすすめです。
隙間をなくして、快適なお部屋を手に入れてください。