最近の賃貸マンションでは、最初からエアコンが備え付けられている物件が多くなりました。
しかし、中には「エアコンが付いていない」、または「元から付いていたエアコンが故障してしまった」ということもあるかもしれません。
猛暑となる夏場をエアコンなしで乗り切るのは辛く、体調を崩さないためにも避けたいものです。
では、賃貸マンションにエアコンを取り付けるには、どのような段階を踏んだら良いのでしょうか。
賃貸物件の場合、借りている部屋であるため、勝手に取り付けてしまうことのないようにしましょう。
賃貸マンション入居前!エアコンに関するチェックが重要
賃貸マンションにお住みになる場合、どのような点を重視しますか。
家賃、間取り、駅近、築年数…。
きっとさまざまなこだわりの条件があることでしょう。
その中でも重視していただきたいのがエアコンに関するチェックです。
この項では賃貸マンション入居前に、見落としたくないエアコンに関するチェック次項についてお話しします。
●エアコンの有無
最近の賃貸マンションでは、エアコンが設備してあることがほとんどです。
エアコンが付いていないという場合の注意点については、後ほど詳しくお話しします。
●エアコンが「設備」であるか「残置物」か
設備として付いているエアコンであれば良いのですが、前に住んでいた方の残置物である場合には注意が必要です。
そのような場合、故障や修理・撤去費用は入居者ご自身が負担しなくてはならない場合もあります。
●エアコンの設置場所
資料に「設備:エアコン」と記載されている物件でも、ひとつの部屋にしか設置していないこともあります。
特に、部屋数が多いファミリー物件などは、全ての部屋にエアコンが取り付けてあるのか、ない部屋があるのかも忘れずに確認しましょう。
●エアコンが古い
極端に古いエアコンは、効きが悪かったり電気代がかさむ傾向があります。
何年物のエアコンであるかも大切なチェックポイントです。
賃貸マンションにエアコンがないのはなぜ?理由を確認しておこう
前項でご紹介した、賃貸マンションのエアコンに関するチェック次項では、エアコンの有無についても触れました。
もしエアコンがない場合、その理由を知ることも大切です。
「住んでからエアコンを設置しよう」と考えていても、さまざまな理由から、エアコン自体が取り付けできない場合もあります。
・室外機を置くスペースが確保できない
・配管を通す穴が壁にあいていない
・エアコン用の電源がない
このような理由からエアコンが取り付けできないとなると、一筋縄ではいきません。
構造上の問題でどうしてもエアコンが設置できないとなると、暑い夏をエアコンなしで乗り切らなくてはいけなくなるため、住んでからの生活に大きな影響を及ぼします。
また、エアコンを取り付けるための工事が必要な場合には、壁に穴をあける大掛かりなものになるかもしれません。
エアコンがない物件は「なぜ、ないのか」「取り付け可能であるか」を確認しましょう。
賃貸マンションにエアコンを取り付けたい!まずはじめにすることとは?
前項に引き続き、賃貸マンションにエアコンがなく、新たに設置したいケースについてお話しします。
エアコンを新たに設置する場合、比較的簡単な作業でエアコンが取り付けられるケースもありますが、部屋の壁に配管用の穴があいていなくて、大掛かりな工事が必要になるケースもあります。
そのため、勝手にエアコン設置の工事を行うことは避けるべきです。
あくまでも賃貸物件であり、家の持ち主は大家さんまたは管理会社です。
まずは大家さんや管理会社へエアコンを取り付けたい旨を伝え、エアコン設置工事の許可を得ることが最優先となります。
また、「リビングにははじめからエアコンが付いているから、ほかの部屋にも取り付けて大丈夫」という考えもNGです。
勝手に取り付けてしまうと後々トラブルに発展する可能性があります。
繰り返しになりますが、大家さんや管理会社に断りなく勝手にエアコンを取り付けることは、基本的にルール違反となります。
エアコン取り付けの許可がもらえたら確認すること!
この項では、大家さん、または管理会社からエアコン取り付けの許可がもらえた場合のことをお話しします。
エアコン取り付けの許可がもらえるとホッとするかと思いますが、その費用についてはしっかり確認しておきましょう。
主に確認するべき費用の内容としては、「修繕費用」と「取り付け費用」です。
賃貸マンションを退去する際、原則として借主に原状回復の義務があります。
原状回復とは、物件につけた傷や損傷を実費で補修することです。
エアコン設置の許可をいただければ問題ないかとは思いますが、退去時に壁の配管穴やビス穴などの補修は必要かどうか、修繕費用はかからないか、ということも念のため確認しておきましょう。
また、エアコンの取り付け費用を誰が負担するかということも重要な確認事項です。
場合によっては、大家さんまたは管理会社が負担をしてくれることもあります。
特に、まだ入居前の物件探しの段階であれば、そのようなラッキーなケースも時々耳にします。
賃貸マンションに元から付いていたエアコンが故障してしまったら?
さて、ここでは賃貸マンションに元から取り付けてあったエアコンが動かない、冷えないなどのトラブルが発生した場合についてお話しします。
このようにエアコンの故障が疑われる場合、どのように対処したら良いのでしょうか。
まずは、リモコンの電池切れ、フィルターの汚れ、室外機まわりなどに問題がないかチェックしましょう。
それでも解決しない場合は、大家さんや管理会社へ連絡をします。
大家さんや管理会社で、指定の修理業者に修理依頼するケースや、在庫のエアコンがあるケース、設備故障の保険に加入しているケースなど、対処法が決まっているかもしれません。
そのため、ご自身で修理をすることはNGであり、例え修理費用を請求してもすんなりと通らないかもしれません。
また、修理費用の負担は、大家さんまたは管理会社であるケースもあれば、入居者であるケースもあります。
例えば、日常のフィルターの掃除などは入居者の義務になります。
それを怠ったことが原因で故障してしまった場合には、修理費用が請求される場合もあります。
自己負担で新たに取り付けたエアコンは退去時に撤去するべき?
最後に、自己負担で取り付けたエアコンについてお話しします。
賃貸マンションを退去するとき、エアコンの撤去についてはよく問題になることです。
「引越し先には既にエアコンがある」などといった場合、これまで使っていたエアコンはできれば置いていきたいと考えるかもしれません。
また、「エアコンを置いていった方が、大家さんや次に住む方も嬉しいのでは」と思うかもしれません。
前述しましたが、入居者が取り付けた設備を置いていくことを「残置」と言います。
残置されたエアコンは「残置物」ではなく「設備」としての扱いになることもあり、大家さんや管理会社の負担で故障の際の修理をしたり、新品のものに替えるケースもあります。
また、設備でなく残置物として次の入居者の方へ説明した場合、「必要ないから撤去してほしい」ということになるかもしれません。
そして、賃貸マンション全体でエアコン「無」と「有」の物件があると、家賃が同じであることがクレームの原因になることもあります。
このようなトラブルを避けるためにも、エアコンを残置することが好まれないこともあります。
ケースバイケースですが、「エアコンは置いていって当たり前」とは考えないようにしたほうがいいでしょう。
これまでにもお話ししてきたように、原則としては原状回復が義務となります。
ご自身で取り付けたものは、ご自身で取り外し撤去する必要があります。
契約書にも、このような内容が記載されていることがあるので、まずは確認してみましょう。
また、不明な点などがあった場合には、必ず大家さんや管理会社へ確認し、適切な方法を選択しましょう。
賃貸マンションのエアコン問題は要注意!
賃貸マンションのエアコン問題はなにかとトラブルになりがちです。
入居前であれば、エアコンの有無に加え、その状態を確かめることが大切です。
また、エアコン無の物件が気に入った場合には、エアコン取り付けが可能であるか、また費用は誰が負担するかを確認しましょう。
後々のトラブルを避けるためにも、迷ったら大家さんまたは管理会社へ相談をし、適切な選択をするようにしましょう。