新築住宅に憧れるものの、いったい何にいくらかかるのかというのはなかなかイメージできないものですよね。
決められた予算の範囲内で建てるためにも、何にどれくらいお金がかかってしまうのかを把握するのが重要です。
新築の注文住宅でかかる費用とその内訳をそれぞれご紹介しますので、参考にしてください。
新築住宅にかかる費用は大きく分けて3つ!
実は新築の建物には、建物本体の費用のほかにも、様々な費用がかかります。
まずはどんな費用がかかるのか、内訳を確認しましょう。
新築住宅にかかる費用としては、大きく「①本体工事費用」「②付帯工事費用」「③諸費用」の3つに分けられます。
まずは、「①本体工事費用」です。
その名の通り、建物本体の工事費用になります。
一般的に、総費用の7割程度と言われています。
予算が3000万だった場合、建物にかけられる値段はおよそ2100万ということになります。
つまり、予算が3000万だからと3000万の新築住宅を購入してしまうと、完全に予算オーバーとなってしまうのです。
チラシや広告などに載っている金額は、大体がこの本体工事費用だけの価格となります。
予算をオーバーしすぎない為にも、他にかかる金額をしっかりと見積もることが重要です。
その土地の状況によってかかる付帯工事費用の内訳
次に、「②付帯工事費用」をみていきましょう。
建物本体以外にかかってくる費用となります。
一般的に、総費用の2割程度と言われています。
まずは、新築住宅には必須となる水道管やガス管、通信回線などの引き込み工事などが挙げられます。
その他にも色々とあるので確認していきましょう。
はじめに、その土地の状況によってかかってくる費用です。
・解体工事
古家などがある土地や建て替えの場合などは、上物を解体するための費用がかかります。
・造成工事
敷地の状況により、高低差がある場合には土留めをしたり、整地したりするための費用がかかります。
・地盤改良工事
地盤調査の結果、地盤の強度が不足していると判断された場合に必要となる費用です。
それぞれの状況によりかかってくる費用は異なりますが、その内訳もすべて新居の為の必要な費用となります。
長く安心してマイホームに暮らすためにも、それぞれの状況にあった工事を専門家にしっかりと相談して適切に行っていきましょう。
新築住宅の室内外でかかる付帯工事費用の内訳
次に、主に室内でのインテリアに関連する付帯工事費用を確認しましょう。
・照明器具工事費
リビングや寝室などの室内の照明器具は、通常本体工事費用には含まれません。
照明はインテリアを大きく印象付ける一つの要素となりますので、新築の住居に合った照明器具をそれぞれ設置していきましょう。
その他にも、エアコンなどの空調設置工事などの電設関連の費用も考えておきましょう。
・カーテン工事費
カーテンやカーテンレールの設置費用です。
新居のすべての部屋に設置するのは意外と費用がかかりますので、事前にある程度の予算を組んでおくのがおすすめです。
最後に、建物の外側であるエクステリアに関連する付帯工事費用を確認しましょう。
・外構工事
フェンスや駐車場、アプローチなどの外構にかかる費用です。
その他、施工内容によっては植栽工事などもかかってきます。
・庭の造園費
植栽工事など、庭を作るためにかかる費用です。
業者に全て依頼するのではなく、できる部分は自分の手でやっていくことで費用を抑えることができます。
・屋外の電気工事費
屋外の照明や配線、給排水の設置などに関する費用です。
あると便利な屋外のコンセントは、設計時には意外と見落としがちなポイントなので、ぜひ検討してみてください。
以上、「②付帯工事費用」の内訳を確認してきました。
建物が完成して実際に生活する際に必要な工事ばかりですので、実際に生活するイメージを持って、必要なものを組み込んでいきましょう。
諸費用とは、新築住宅に関わる税金など
「③諸費用」とは、新築住宅に関わる各種税金や、保険料などの支払いのことです。
一般的に、総費用の1割程度と言われています。
それぞれは住宅ローンではまかなうことができないため、基本的には現金で用意しておくことが必要となります。
まずは、税金に関しての内訳を確認しておきましょう。
・登録免許税
新築住宅が完成したら1か月以内に、どのような建物であるのかを申請する「建物表題登記」を行わなければなりません。
また、その建物が誰のものかを明らかにするための「所有権保存登記」も行います。
住宅ローンを組む際には、担保として土地や建物を設定する「抵当権設定登記」も行う必要があります。
それぞれの手続きで司法書士や土地家屋調査士などに依頼する場合には、その報酬費用も必要となります。
・印紙税
住宅を作る際、作成した契約書に貼るのが収入印紙です。
建築会社と交わす「建築工事請負契約書」や住宅ローンの金融機関と交わす「金融消費貸借契約書」などを作成する場合に印紙税が課せられます。
契約金額によって、それぞれ印紙税額が変わってきます。
・不動産取得税
土地や建物などの不動産を取得した時に課せられます。
固定資産税の評価額によって、税額が変わってきます。
税金に関しては、その時々によって要件を満たした場合に受けられる軽減措置などもあります。
負担を少なくするためにも、要件に当てはまる場合には申告の手続きを忘れないようにしましょう。
新築住宅に関わる様々な手続き費用
諸費用の中には、住宅ローンに関する手続きの費用も含まれています。
以下、住宅ローン手続きに関する費用の内訳です。
・事務手数料
・保証料
・団体信用生命保険料
・抵当権登録設定免許税
・印紙税
・司法書士報酬
住宅ローンの契約締結にかかる費用は、それぞれの金融機関や条件などによって異なってきます。
また、住宅ローンが実行されるまでの期間に「つなぎ融資」を利用することもあるでしょう。
不動産会社の営業マンや銀行の窓口で、実際にいくらくらいかかるのかを直接問い合わせてみましょう。
続いて、新築住宅に関連した保険についての費用です。
・火災保険、地震保険
住宅ローン融資を受ける際には、多くの金融機関で加入が義務付けられています。
ローンを利用していなくとも、万が一の備えとして火災保険の加入は必ず検討してほしい事項です。
保険の対象、補償の内容をどうするのかによって保険料が変わってきます。
地震で受けた損害は火災保険ではカバーできないので、地震保険の加入についてもご家族でよく相談してみましょう。
新築の際にかかる細かい費用の内訳は?
その他にも、実は細々とした費用が生じます。
それぞれの内訳を簡単にご紹介しますので、確認していきましょう。
・地鎮祭費用
初穂料(神主への謝礼)、神主さんのお車代、お供え物、お弁当代など、おおよそ5万円~10万円ほどかかるようです。
神社によって必要な物などが異なるので、神主さんと相談して準備をしていきましょう。
・上棟式費用
職人さんへのご祝儀、お供え物、宴会や餅まきなどの準備が必要で、状況によって費用は様々ですが、10万円~30万円ほどかかるようです。
その土地の風習などによって必要な費用やマナーも異なってきますので、住む地域の習わしなどよく確認するのがおすすめです。
・近隣への挨拶費用
両隣と向こう3軒と裏3軒、つまり隣接する家には必ず挨拶に行きましょう。
工事車両の出入りや騒音などで迷惑をかけるため、新築工事の着工前に挨拶に回るのがおすすめですが、住宅会社によっては着工の挨拶回りを住宅会社主体で行ってくれるところもあるので、その際には準備は不要です。
そして、新築の家へ引っ越した時には必ず挨拶回りを行います。
タオルや洗剤などの日用品やお菓子などに熨斗を付けた手土産を用意しましょう。
隣近所とともに、自治会長さんや地区の班長さんへも挨拶をしておくとよいでしょう。
・引っ越し費用
時期や荷物の量・移動距離など条件によって料金は異なってきます。
特に3月~4月の繁忙期には一気に割高となるため、注意が必要です。
新築にかかる費用は、事前に内訳を把握して準備していこう!
新築住宅を建てる時には、建物本体の他にもさまざまな費用がかかります。
建物以外にかかる費用は総予算のおよそ3割といわれており、意外と大きい金額です。
後から予算オーバーとなって大変な思いをしないためにも、決められた予算の中で必要な費用の内訳を把握することが重要です。
しっかりと費用の内訳を把握し、どこにどれくらいお金をかけられるのかを知っておくことで、自分達の納得する住まいを実現させていきましょう。