マイホームを建てた数年後に、増築やリフォーム(改築)をすることもあるでしょう。
増築や改築をした後にも、登記をしなくてはなりません。
この記事では、増築後に行う登記についてお話をしていきましょう。
さらに、登記の手続きの流れや必要書類についても解説していきます。
増築した後にも登記は必須?
マイホームを新築した際には、不動産登記を行うことが一般的です。
不動産登記といっても種類はさまざまあり、どのような目的かによって行う登記に違いがあります。
例えば、マイホーム新築の際は「建物表題登記」を行います。
それにあたり住宅ローンで融資を受けた際は「所有権保存登記」や「抵当権設定登記」も必要となるでしょう。
このように、目的によってどの登記を行うかが分かれます。
また、マイホームを建てて数年経ったときに、増築やリフォーム(改築)などを行うこともあるかと思います。
増築などをした後にも登記をしなくてはならないのか、疑問に思う方もいるかもしれませんが、もちろん登記することが「必須」といえます。
なぜなら、増築などをすることによって、新築時の登記事項と現況が違ってしまうからです。
登記事項と現況は一致させなくてはなりませんので、新築時と同様、登記事項に変更が出た場合も、増築完成後から1か月以内に登記をする必要があります。
これを「建物表題変更登記」と言います。
後ほど、増築後に行う登記の手続きの流れや必要書類についてもお話ししますが、次の項では建物表題変更登記について詳しくご説明します。
増築後に行う「建物表題変更登記」とは?
新築時には登記を行っていることと思いますが、増築をした場合も登記は必須といえます。
前の項でもお伝えしたとおり、増築後に行う登記は「建物表題変更登記」です。
これは新築時に登記した、建物表題登記の登記事項に変更が出た場合に行う登記です。
ちなみに建物表題登記とは、建物がどういう状況なのかを示す登記といわれています。
そのため、建物表題登記では以下の内容が記録されます。
・建物の所在
・建物の家屋番号
・建物の種類
・建物の構造
・建物の床面積
・建物の原因および登記の日付
・建物の所有者の住所、氏名
しかし、増築をしたことで上記の登記事項に変更が出ることもあるでしょう。
先ほどもお話ししましたように、登記事項と現況は一致させなくてはなりませんから、変更が出た場合は増築完成後から1か月以内に、建物表題登記の変更手続きをしなければなりません。
これが「建物表題変更登記」となるわけです。
ほかの登記同様、建物表題変更登記をする際にも、必要書類を用意しなければなりません。
必要書類についてお話をする前に、この登記手続きの流れを見ておきましょう。
増築したら必須!建物表題変更登記の手続きの流れ
ここで、建物表題変更登記の手続きの流れを簡単に見ていきましょう。
①増築工事が完了
②建物の資料調査
申請する建物の資料を調べていきます。
③登記簿と図面の調査
管轄の法務局に出向き、登記簿や図面などの調査を行います。
④現地を調査
増築後の構造や形状、配置などの調査を行います。
⑤必要書類や図面を作成
調査を結果を参考にして書類や図面の作成し、押印も忘れずしておきましょう。
⑥登記申請
必要書類を用意し終えたら、申請書も作成しておきます。
そして、管轄の法務局に出向き、建物表題変更登記の申請をします。
⑦登記簿の変更が完了
申請が無事に済めば、建物表題登記の変更が完了され、登記簿に記載されている登記事項も変更されていることでしょう。
このような流れで、建物表題変更登記の手続きをすすめます。
建物表題変更登記の必要書類はどんなものがある?
増築後に必須といえる建物表題変更登記の手続きの流れについてお話をしたところで、ここからはこの登記を申請する際に必要な書類についてお話をしていきます。
増築後の建物表題変更登記の必要書類は、大きく3つ挙げられます。
1つずつご紹介していきます。
●建物表題変更登記の申請書
建物表題変更登記の際も、申請書を作成します。
・登記の目的
・添付書類の記載
・日付
・申請人の住所、氏名
・代理人の住所、氏名(代理人に依頼する場合)
・建物の所在地
・家屋番号
・建物の種類、構造、床面積、登記原因およびその日付
などを記載します。
法務局のHPに申請書の様式や記載例がありますので、作成する際の参考にしてみてください。
●確認申請書副本一式
建物の図面や、各階の平面図などの図面が綴じられている書類です。
3つ目は次項でお伝えします。
必要書類の1つ「所有権証明書」!用意できない場合は?
もう1つ、建物表題変更登記を申請する際の必要書類がありますので、ご紹介します。
●所有権証明書
増築の事実があり、なお且つ増築部分の所有者の特定ができれば、建物表題変更登記を行うことができます。
そのため、増築部分の所有権を明らかにすることが重要といえます。
所有権を証明する書類として、下記の書類を用意しておきます。
・建物の検査済証、建築確認済証
これらは別々になっていることもあれば、一緒に綴じられていることもありますので、よく確認してください。
・工事完了引渡し証明書
工事を請け負った会社が発行してくれます
施工業者の資格証明書と印鑑証明書も一緒に添付します。
「建築確認済証」「検査済証」「工事完了引渡証明書」の内2点以上の証明書が必要ですが、用意できない場合は、以下の書類でも可能です。
・固定資産税評価証明書
建物の所在地の市区町村役場で取得可能ですが、増築からまだ日が浅いうちはない場合もありますのでご注意ください。
・工事請負契約書および工事代金の領収証
それでも万が一、これらの書類を申請時に添付できない場合は、「上申書」を作成しなくてはなりません。
作成後、実印を押印し、印鑑証明書の添付も必要となりますので、用意してください。
登記を依頼する場合はもう1つ必要書類がある!
原則、登記は申請者本人が行うこととされていますが、必ずしも申請者本人がやらなくてはいけないというわけではありません。
配偶者や親族に行なってもらっても、問題はないのです。
しかし、登記をするうえで必要といえる知識は多く、自分や親族が登記に関してあまり知識がないようでしたら、専門家にお願いするのが一般的といえるかもしれません。
実際新築時にも、専門家に登記申請を依頼した方も多いことでしょう。
新築時同様、増築後の登記申請も専門家にお願いする場合は、必要書類がもう1つあります。
それは「委任状」です。
新築時にも用意した方でしたら覚えているかもしれませんが、
・代理人に委任する旨
・登記の目的
・登記原因、登記する日付
・登記申請人の住所、氏名
・代理人の住所、氏名
・不動産の表示(所在、地番、地目、地積など)
などの必要事項を記載して、作成します。
委任状の記載例は法務局のHPなどでも紹介されていますので、参考にしてみてください。
ここでご紹介した必要書類を用意したうえで、増築後の登記申請もスムーズに行いましょう。
増築時にも登記は必須!必要書類はそろえておこう
家の新築時に登記を行なうように、増築後にも登記は必須です。
増築の場合は、「建物表題変更登記」を行うことになります。
この記事では、建物表題変更登記の手続きの流れや必要な書類についてお話ししましたので、増築時には参考にしてみてください。
もし専門家に登記をお願いする場合には、委任状の作成も忘れずにしてくださいね。