日本でマイホームを購入すると言うと、多くの人が新築を思い浮かべるのではないでしょうか。
しかし、欧米では中古物件の方が流通量が多く、新築物件の流通量が多いのは先進国では日本だけだと言われています。
しかしながら、昨今では日本においても中古市場は盛んになりつつあり、安く中古物件を購入しリノベーションするという手法が人気を集めています。
そこで当記事では、中古物件でも「マンション」に的を絞って、中古マンションのメリット・デメリット、購入する際の注意点等をご説明していきます。
中古マンションのメリット
中古マンションの大きなメリットの一つは、価格の安さです。
当たり前ですが、新築は何もかもが新しいですから価格は一様にして高くなりがちです。
しかし、中古であれば新築と同じような立地や設備条件だとしても、価格はだいぶ安くなります。
その価格差の分を自分たちの好きなようにリノベーションできるというのもメリットでしょう。
また、新築マンションであれば実際に購入する住戸を完成前に内見することが難しいケースが多いですが、中古マンションであれば購入前に内見することが可能です。
そのため、マンション購入後の生活を想像しやすくもあります。
さらには、新築マンションと比較すると中古マンションの方が物件数が多いので、たくさんの中から選べるというメリットもあります。
中古マンションのデメリット
中古マンションには、メリットもあればデメリットもあります。
まずは耐震性です。
1981年以前に建築されたマンションを購入する際は、建築基準に満たしていない場合があるので注意が必要です。
また、築年数が経っているほど、外観が古びた印象になることも否めません。
さらには、特に水回りに関しては想像以上に傷んでいるという場合もあります。
中古マンションには生活音に関してもデメリットがあります。
築年数が古いマンションが建築された時代は、現代ほどプライバシーが重視されていませんでした。
そのため、生活音などの騒音に対する防音性能が不十分な場合があるのです。
例えば、壁や天井、床などの上下左右の住戸と接する面が薄かったり、サッシ周りに隙間があったりします。
そうすると、騒音問題だけではなく、断熱性を考えてもデメリットでもあるのです。
中古マンションを購入してリノベーション
中古マンションにデメリットがあるのは確かですが、そのデメリットはリノベーションで改善することができる場合もあります。
(言わずもがな、マンションの外観をリフォームするのは難しいです。)
例えば、薄い壁や天井、床などは断熱処理や防音処理することができます。
水回りに関しても、綺麗にすることができるでしょう。
ただし、水回りに関しては、自由に位置を移動できないという問題がありますので注意しましょう。
また、構造上、取り払えない壁がある場合もありますので、マンション購入前にどのような内装にしたいのか考えておくことをおすすめします。
新築マンションであれば、設備や内装は決められた仕様の中から選択することがほとんどです。
しかし、中古マンションをリノベーションすれば、自分たちの好きな設備や内装にすることができるのが大きなポイントです。
中古マンション購入時の注意点
中古マンション購入時には、いくつか注意していただきたい点があります。
まずは、「中古マンションのデメリット」でも一番に挙げた「耐震性」についてです。
先ほども申し上げましたように、1981年以前に建てられたマンションは一定の耐震基準を満たしていない場合があります。
そのため、耐震基準を重視されたい方は1981年以降に建築されたマンションを中心に探すことをおすすめします。
また、新築・中古どちらにも言えることですが、ハザードマップでマンション周辺の洪水や津波、液状化のリスクについてしっかりと調べておくようにしましょう。
さらに、近い将来にマンションの修繕工事の計画がないかチェックしましょう。
マンションには、新築時につくられた「長期修繕計画書」という修繕工事などの計画が記載されているものがあります。
長期修繕計画書は、不動産会社を通じて入手できることかと思います。
もしも、大規模修繕工事が近々行われるということであれば、その費用負担が生じるということにもなります。
大規模修繕工事費用は案外多くかかることも多いですから、忘れずに確認することをおすすめします。
中古マンション購入時は税金面でも注意が必要!
中古マンション購入時は、税金面でも注意が必要になります。
中古物件購入時は、場合によって税金控除が適用されないこともあります。
特に、「住宅借入金等特別控除」についてはしっかりと把握しておくことをおすすめします。
住宅借入金等特別控除とは、住宅ローンを利用してマイホームを購入・増改築した場合に所得税から一定の金額が控除されるというものです。
この制度が適用になるには、下記の条件を満たさなくてはなりません。
・購入してから6か月以内に居住する
・購入した家の床面積の1/2以上が居住スペースである
・耐火建築物であれば築25年以内、耐火建築物でなければ築20年以内
・控除を受ける際の年間所得は3,000万円以下
・設定する住宅ローンは10年以上の返済期間のもの
・床面積が50m²以上
・マンションに耐震性能があること
住宅借入金特別控除の他に、登録免許税での特例や住宅ローンの抵当権設定で優遇税率が適用されることもあります。
また、不動産取得税における特例を受ける場合にも一定の条件を満たす必要があります。
ここで詳しくご説明することは割愛しますが、マンション購入時はこれらの税金面についてよく確認するようにしましょう。
資産価値にも大きな違いが!
不動産を購入する場合、将来の資産価値についてもよく考えたうえで購入に踏み切るという方も多いです。
それでは、どのような中古マンションに資産価値があると言えるのでしょうか。
まず、立地がいいことが挙げられます。
例えば、主要駅から近い、都心にアクセスがいい、商業施設や医療機関、学校などが近場にあるなどです。
立地がよければ、築年数が古いマンションでも価格がそこまで下落しないこともあります。
ただし、将来的になくなってしまいそうな小規模な商業施設や診療所が多い立地の場合は、その限りではありません。
また、マンションの管理体制が整っていることも大きなポイントです。
建物は経年劣化していきますので、それに応じて適したメンテナンスが必要になります。
管理体制がしっかりと整っているマンションであれば、メンテナンスをしっかりと行っていることが多いです。
また、長期修繕計画がきちんとたてられていることにより、修繕費用を計画的に積み立てる仕組みも整えられているのです。
もちろん、マンションの価格は築年数によっても変動します。
しかし、どのような建物も劣化していきますので、資産価値の観点から考えると築年数より立地など劣化しづらいものの方が重要ということがお分かりいただけるかと思います。
税金面や資産価値も踏まえ中古マンションを購入しよう
中古マンションの購入には、メリットもあればデメリットもあります。
また、中古マンション購入の際は税金面や資産価値の面においても注意していただきたい点がいくつかあります。
特に、税金面に関しては複雑ですので、しっかりと下調べすることをおすすめします。
また、マンションは立地などの条件の違いにより資産価値が大きく変わります。
「中古なのに綺麗!」というだけではなく、資産価値などを踏まえて中古マンションの購入を検討することをおすすめします。