無職だと、アパートの賃貸契約をすることはできないのでしょうか?
はたまた、アパートの賃貸契約時は定職があったとしても、その後無職になってしまった場合、契約更新は難しくなってしまうのでしょうか?
この記事では、アパートの賃貸契約や契約更新時に無職である場合の疑問や、一連の対応方法について解説していきます。
無職でもアパートの賃貸契約はできる?
無職だと、アパートの賃貸契約はできないのでしょうか?
結論から申し上げますと、不可能ではありません。
しかし、当然ながら、定職がなく継続して家賃の支払いが見込めない場合は貸主側からするとリスクがあるので、審査に通りにくくなると言われています。
一般的に、貸主側が審査のときに入居希望者を判断する材料として、下記のことをチェックします。
・勤務先
・支払い能力
・連帯保証人
・人柄
・過去に家賃等の滞納がないか
貸主側にはそれぞれ判断基準がありますから、それをすべてクリアしないと審査に通りにくいとも言えるでしょう。
それでは、どうしたら無職でも賃貸契約は可能になるのでしょうか。
まず、貸主側に対して、以下のようなことを示す必要があります。
・契約更新の目安となる家賃2年分以上の貯蓄があることを証明する
(家賃が5万円の物件であれば120万円以上、7万円の物件であれば168万円以上など)
・収入が安定している連帯保証人をたてる
(基本的に2親等以内の親族で、両親・兄弟・祖父母)
・入居したい理由を明確にする
このように、賃貸契約時に無職であっても審査が通って無事契約できることもあります。
上記のことを満たしていても契約が難しい場合は、一時的でもいいのでアルバイトしてみるのも一つの手です。
アルバイトをしていることで、無職よりは契約に対するハードルは多少低くなるのではないでしょうか。
また、家賃が相場より安めだったり、駅から遠くて契約者がなかなか現れない物件であれば無職でも契約しやすいケースもあるようです。
無職かつ連帯保証人がたてられない場合はどうする?
何らかの事情で、無職かつ連帯保証人をたてられない方もいらっしゃるでしょう。
そのような場合、アパートの賃貸契約はできないのでしょうか。
無職で連帯保証人もいないとなると難しいようにも思えますが、「家賃保証会社」を利用することで賃貸契約を結ぶこともできるのです。
家賃保証会社は、家賃の支払いが滞ったときに、借主の代わりに家賃分を立て替えて貸主に支払ってくれます。
つまり、連帯保証人と同じような位置づけとなります。
ただし、家賃保証会社へは保証料を支払う必要があります。
保証料の相場は、その会社ごとで異なります。
また、契約更新時には「更新料」を1年につき1万円支払う支払うケースが多いようです。
家賃保証会社は貸主側から指定されるのが一般的ですので、自ら探して契約したい場合は、事前に貸主側に相談する必要があります。
家賃保証会社はあくまでも「賃料」を保証するだけなので、金銭以外の問題が起きたときなど家賃保証会社が介入する必要がありません。
そのため、どの物件でも利用できるとは限らず、貸主によっては必ず連帯保証人をたててほしいというケースもあります。
無職でアパートの賃貸契約を希望する際は入居したい理由を明確に!
無職で賃貸契約を結びたい場合は、入居したい理由を明確にする必要があります。
人によっては、言いたくない理由のこともあるでしょう。
しかし、理由を隠そうとしたりごまかそうとすると、心象の悪さは否めません。
入居審査の際には、職業などのほかに、人柄も見られています。
そのため、「この入居希望者は正直に話さないから、この先信頼関係を持つことができない」と、審査が通りにくくなるとも言えます。
ですから、自分にとってはあまり他人に言いたくないことでも、正直に話すことをおすすめします。
例えば、
・無職になってしまったのでこれまでより安い家賃の物件を借りたい
・このアパート近辺で転職活動をしたい
などです。
アパートの賃貸契約には敷金や礼金をはじめ多くの費用がかかりますから、貸主側も無職かつ明確な理由を述べられない人には貸したくないのが本音です。
そのため、特に無職の方は入居したい理由をきちんとお話しするようにしましょう。
それでは次に、契約更新時に無職の場合についてご説明していきます。
アパートの契約更新時に無職の場合はどうなる?
アパートの賃貸契約時に定職についていたとしても、契約更新時に無職である場合もあるかと思います。
無職だと、契約更新できないのではないかと心配される方もいらっしゃるかもしれませんが、ほとんどのケースでは問題なく契約更新できることが多いです。
と言いますのも、多くの賃貸契約では「普通借家契約」を結んでいます。
(普通借家契約については後述いたします。)
そのため、貸主は正当な事由がない限り契約を解除することができないことになっているので、契約更新時に無職でも問題ないことが多いのです。
また、契約更新時までの家賃を一度も滞りなく支払っている場合は、無職でもあっさりと契約更新できることも多いようです。
例え無職だとしても、貸主側からすると家賃を継続して支払ってもらえることが第一なのです。
無職でも契約更新できるなら無職だと伝える必要はない?
無職でも問題なくアパートの契約更新ができるのであれば、貸主に対して無職になってしまった旨を伝えなくても問題はないのでしょうか。
賃貸契約によっては、職業等の変更時には通知義務が生じる場合があります。
そのため、無職になったことを伝えずにいると規約違反ととられてしまう可能性もあります。
また、貸主側からすると心象もよくありません。
場合によっては、契約書に記入した全勤務先に在籍確認されることもありえます。
ですから、契約中になんらかの変更があった場合には、賃貸契約書に記載のある通りに行動することをおすすめします。
先ほども申し上げましたように、家賃を継続して支払っていれば問題になることはそうないですから、下手に隠さず、正直に伝えるようにしましょう。
無職でも契約更新可能!普通借家契約とは?
普通借家契約とは、「借地借家法」の中で定められている契約方法のことです。
一般的な賃貸契約に適用されている契約方法となります。
普通借家契約の期間は1年以上とされていますが、一般的には2年とすることが多いです。
この契約では、借主が継続して居住することを望んでいる場合は、正当な事由がない限り貸主は契約を解除することができないと定められています。
「正当な事由」とは、家賃の滞納が多かったり、部屋の使い方が非常に悪いなどです。
また、借主と貸主の信頼関係が崩れてしまっているような場合も「正当な事由」に当てはまります。
他には、アパートが古く、建て直しが必要だというような場合も契約を解除できる理由となります。
つまり、「無職」というだけでは契約解除されないということになるのです。
賃貸契約時に審査に通り、契約更新時まで滞りなく家賃を支払っていれば問題ないことが多いでしょう。
無職でも賃貸契約や契約更新は可能!
無職だと、アパートを借りたくても借りられないのではないかと思うかもしれません。
しかし、場合によっては無職でも賃貸契約は可能です。
また、契約更新時に無職になってしまった場合も、普通借家契約の定めにより、基本的には問題なく契約更新することができます。
ただし、どちらの場合も貸主に対して誠実に対応することが大切です。
そのため、賃貸契約時には「無職だけどアパートを借りたい理由」、契約更新時には「無職になってしまった事実」を正直に伝えるようにしましょう。