賃貸物件を借りる際、気になるのが家賃の支払いでしょう。
そのタイミングが、前払いなのか後払いなのか気になりますよね。
前払いと後払い、家賃の支払いはどちらの方法が多いのか、その理由についてもお話ししていきます。
この記事では、家賃の支払いが前払い、後払いにまつわることを中心にお伝えしていきます。
家賃の前払いと後払いについて
賃貸物件の家賃の支払いのタイミングですが、前払いと後払いという2通りの方法があります。
前払いとは、翌月分の家賃を当月支払うことです。
後払いとは、当月分の家賃を当月支払うことです。
民法614条には、動産、建物、宅地の賃料は毎月末に支払わなければならないと記載されています。
家賃は後払いが原則となっていますが、契約自由の原則により賃貸契約書の内容が優先される場合が多いとされています。
そのことから現在、賃貸物件の家賃においては、圧倒的に「前払い」が多いようです。
ただ、前払いしかないのではなく、後払いとしている不動産会社もあります。
どちらか知りたい場合は、賃貸契約書を確認するようにしましょう。
家賃の前払いが後払いより多いのはなぜ?
家賃の支払いについて、前払いが後払いより圧倒的に多いとお伝えしました。
家賃を前払いとしている物件は、9割ほどといわれるくらい多いのです。
これは、大家さんが、当月になる前に家賃が入金されているほうが安心ということや、確実に回収するという考えから、そのようにされているようです。
後払いの場合、当月になるまで入金されませんから、大家さんにとっては少々不安要素となります。
これらのことから、万が一のトラブルを防ぐため、前払いとしている大家さんが多いようです。
賃貸契約書の内容を確認し、支払項目の部分に「翌月分の家賃を前月●日までに支払う」という文言が記載されていれば、前払いとなります。
一方、「当月分の家賃を当月●日までに支払う」という文言がある場合は、後払いとなります。
なお、支払時期の記載がされていない場合は、民法614条に従い後払いとなります。
しっかりと賃貸契約書に目を通して、借りる物件の支払いのタイミングがどちらなのかを把握しておきましょう。
家賃の「後払い」は可能?
家賃は前払いが後払いより多いとされていますが、借主側の都合により、どうしても後払いがいいという場合もあるでしょう。
その場合、後払いを選べるのか気になりますよね。
後払いは、不可能というわけではなく、大家さんに相談することで対応していただける場合もあるようです。
しかし、最初から後払いを受け付けるということではなく、大家さんとある程度のお付き合いがある上で、信頼関係がある場合に相談にのっていただけるようです。
大家さんにとっても後払いはリスクがありますから、後払いにしたいという明確な理由を伝えて、理解してもらわなければなりません。
やはり、前払いが多い中で、後払いの方法にするのは難しいといえるでしょう。
特に最初から後払いをしたいという借主にとっては、他の方法を考えなくてはなりません。
その場合、後払いの物件を検討するのもいいかもしれません。
家賃が後払いの上、礼金、保証金、更新料、仲介手数料がかからない物件もあります。
ただ、入居資格や希望の土地で見つかるかという点がありますので選択肢の一つにしてみてはいがかでしょうか。
次項では、最初から後払いにしたい場合、自分でできる方法についてお伝えしていきます。
後払いは可能?!自分でできる方法とは?
前払いの家賃を後払いで支払いたいと思う方も少なからずいるのではないでしょうか。
前項でお伝えした方法は、大家さんとの信頼関係がなければ相談しにくいことですし、希望の物件が見つかるとも限りません。
つまり、最初から前払いの家賃を後払いにしたいというのはとてもハードルが高いといえます。
その場合、家賃の後払いは不可能と思ってしまいますが、自分でできる方法で後払いにすることが可能です。
それは、クレジットカードを利用することです。
現在、賃貸物件を借りる際、初期費用や家賃をクレジットカード払いを可とする不動産会社も増えてきています。
クレジットカード払い可能な物件は増加の傾向にあり、今後も増えていくことでしょう。
そのクレジットカード払いにすることで、前払いの家賃が、実際に引き落としされるのは翌月、もしくは翌々月になります。
ですから、後払いという方法をとらなくても、実質後払いということになります。
次項では、家賃をクレジットカード払いにすることについての注意点をお伝えします。
前払いが実質後払いとなるクレジットカードのメリットとデメリット
家賃をクレジットカード払いにできる物件は増加傾向にありますが、限られているのも事実です。
クレジットカードに対応することで、大家さんはクレジットカード会社に手数料を支払うことになります。
つまり、その手数料がかかる分、家賃に手数料が上乗せされる場合もあります。
その場合、家賃が高く設定されることがあります。
また、使えるカード会社が限られている場合もありますから注意が必要になります。
上記の部分がデメリットと考えられることです。
では、メリットをご紹介しましょう。
前項でお伝えしました通り、前払いである家賃が翌月の引き落としとなることで、実質後払いにすることができます。
公共料金の支払いも対応しているクレジットカードで、家賃もクレジットカード払いにするとポイントやマイルをためることができます。
また、初期費用などまとまったお金がなくても契約できることや、家計に合わせて支払方法を選択することも可能です。
しっかりと管理したうえで、クレジットカードを活用するようにしましょう。
前払いの家賃は退去時にどうなる?
退去が決まった際、前払いとなっている家賃はどうなるのでしょうか。
退去時は契約書に記載された期間にもよりますが、多くの場合1ヶ月から2ヶ月前には退去の連絡をしなければならない場合が多いようです。
前払いの場合、退去月の家賃はすでに支払っているので退去月には支払いはありません。
そのことから、次の物件にうつる際、家賃の支払いが重ならないので、金銭的な負担を軽くできるのが前払いのメリットともいえます。
また、賃貸借契約書には「1ヶ月に満たない期間の賃料は、1ヶ月を30日として日割り計算した額とする」と記載されていることが多いです。
その場合は、月の途中で退去となる場合は日割り計算となり、差額が返金されます。
ただ、賃貸契約書に「日割り計算はしない」という記載がある場合は、賃貸契約書通り、退去日に関わらず、1ヶ月分の家賃を支払うことになります。
このような問題は、後払いの家賃より前払いの家賃に多いトラブルとされています。
退去前は事前に管理会社に連絡を入れ、賃貸契約書の確認もしておきましょう。
家賃は後払いより前払いが多い!
お伝えしました通り、賃貸物件の家賃は、前払いが多いです。
なお、後払いは大家さんとのお付き合いや信頼関係にもよりますが、可能な場合もあります。
また、前払いの家賃でもクレジットカードを利用すれば、実質翌月以降の後払いにすることができます。
前払い家賃は初期費用がかかる一方、退去月は支払いがないか日割りの差額が返金されることもありますから退去時は金銭的な負担を軽くすることができるでしょう。