ピアノは、子供の習い事として長年人気がありますよね。
大人になっても趣味として続けられますし、ピアノで音楽の基礎を学ぶことで他の楽器に応用することもできます。
そのピアノをマンションで練習するとなると、その音が近所迷惑になっていないか気になりますね。
ピアノの音が原因で騒音トラブルに発展しないよう、マンションでできる防音対策をご紹介します。
ピアノの音はマンションで騒音になりやすい
ピアノは長い間、男女問わず人気の習い事で、既に習っている子供やこれからピアノを習わせたいと思っている保護者は多いのではないでしょうか。
どのような習い事でも同じですが、家でも練習をすることは大切なことです。
しかし、ピアノを家で練習する場合、その音が近所迷惑になっていないか気になりますね。
特にマンションは、周りの世帯と隣接していますから、ピアノの音に限らず騒音トラブルが起こりやすいです。
音の伝わり方は、「空気伝播音」と「固体伝播音」に分類されます。
空気伝播音は、空気を媒体として耳に聞こえる音のことです。
人の話し声やテレビの音がこれにあたります。
一方、固体伝播音は、衝撃が床や壁に振動を起こし、その振動が音なって表れるものです。
足音や水の流れる音などはこの固体伝播音にあたり、特にマンションで騒音になりやすいのは、固体伝播音です。
このように、音の伝わり方には2種類ありますが、ピアノは空気伝播音・固体伝播音どちらの音も発生させます。
弦が鳴ることで発生する音自体は空気伝播音ですが、鍵盤をたたく音やペダルを踏む音は固体伝播音となります。
周りの世帯の迷惑にならないためにも、防音対策はしっかりと行うべきでしょう。
ここからは、マンションでできるピアノの防音対策をご紹介します。
「防音マット」はマンションでのピアノ練習に必須のアイテム
まず最初にご紹介するピアノの防音対策は、「防音マットを敷く」という方法です。
防音マットを敷くと、下の階に伝わるピアノの固体伝播音だけではなく、足音などの振動音も軽減させてくれます。
フローリングがマンションの構造に直張りになっている場合には、特に防音マットが必要でしょう。
厚手のカーペットなどを敷くことでも、多少は振動を軽減させる効果はありますが、ピアノを練習する場合にはやはり防音マットが良いでしょう。
ウレタン、ゴム、グラスウール、フェルトなどその素材はさまざまで、いくつかの素材を組み合わせたマットなどもあります。
おすすめは、はさみやカッターで切ることができるタイプのものです。
切ることができれば、柱や部屋の形に合わせて端までマットを敷き詰めることができます。
また、ピアノの販売店ではピアノ専用の防音マットを取り扱っている場合もあります。
部屋全体に敷き詰めるのではなく、アップライトピアノ、グランドピアノそれぞれの形に合った防音マットとなっています。
マンションでピアノを弾くなら「防音カーテン」で防音対策
次にご紹介するマンションのピアノの防音対策は、「防音カーテンを使う」という方法です。
ピアノの高音は、防音カーテンで防ぎやすい音の一つです。
ピアノの固体伝播音を防ぐことは難しいですが、空気伝播音には効果があります。
防音カーテンは、「遮音」タイプのものと「吸音」タイプのものに分類されます。
遮音タイプのカーテンは、外からの音を防ぐのに適していて、一方吸音タイプのカーテンは、音が周りに聞こえるのを防ぐのに適しています。
ご自分の家庭のピアノの音が近所迷惑にならないようにするためには、吸音カーテンを取り付けると良いでしょう。
取り付ける際には、その取り付け方にもポイントがあります。
それは、ギャザーを付けずにカーテンを取り付けるということです。
ギャザーを寄せてしまうと、窓とカーテンの間に隙間ができてしまいますので、防音の効果が薄れてしまいます。
隙間ができないように取り付けていきましょう。
また、カーテンボックスを使うとより効果的に防音対策することができます。
「防音室」は快適にピアノの練習ができる防音対策
「防音室」を使うという防音対策の方法もあります。
防音マットや防音カーテンなどの手軽にできる防音対策と比べると、かなりの費用がかかりますが、その分音漏れを気にせず思う存分にピアノを弾くことができます。
マンションに防音室を設置する方法としては、防音のユニットルームを設置する方法と、マンションの一室を防音室にリフォームする方法があります。
まず、防音ユニットルームですが、これは防音性の高いパネルやドアでできた移動式の小さな部屋で、これをマンションに運び込み、部屋の中に部屋があるという状態にします。
リフォームと違い、マンションの壁や床を直接傷つけることはないので、賃貸にお住まいの方にもおすすめです。
アップライトピアノを置くためには、約2畳程度の広さの防音室が必要になるでしょう。
価格はかなり幅がありますが、数十万円からとなっています。
一方、マンションの一室を防音室にリフォームするという方法ですが、こちらは本格的なリフォームになりますので、工事期間も費用も相当かかります。
工期は数週間以上は必要で、費用は数百万円からとなっています。
大掛かりな工事となりますが、広々とした空間でピアノを始めとする楽器を楽しむことができます。
また、防音室にリフォームすることで、ピアノの練習だけでなく、ホームシアターとしても活用する人もいるようです。
ピアノ可のマンションに住むという防音対策
マンションでできるピアノの防音対策についていくつかご紹介してきましたが、それでも「完全に」音を出さないようにするというのはかなり難しいでしょう。
近所迷惑を考えながらのピアノの練習では、ストレスを感じることがあるかもしれません。
また、大人であれば近所迷惑を考え、分別を持ってピアノを弾きますが、子供の場合必ずしもそうとは限りません。
子供に思いっきりピアノを弾かせてあげたいと考えた場合には、「楽器可」の物件に引っ越すことを検討してみてはいかがでしょうか。
楽器可の物件は、通常の物件に比べて防音対策が施されている場合が多いので、比較的楽器が弾きやすい環境になります。
また、同じマンションに入居している方も楽器を演奏する人が多いわけですから、近隣住民との騒音トラブルも起こりにくでしょう。
防音性が高い物件であるということは、生活音も聞こえにくくなっていますから、生活音に関する騒音トラブルも少ない傾向があります。
マンションに住まないという選択肢
子供に思いっきりピアノを弾かせてあげられる環境としては、一戸建てに住むという選択肢もあります。
マンションに比べると、周りの世帯と隣接していませんから、固体伝播音が聞こえてしまう可能性が低くなるでしょう。
また、ピアノの音だけでなく、足音など子供が走ったりはしゃいだりする音に敏感になりすぎる必要がなくなります。
ただし、一軒家であればピアノの音に全く配慮しなくても良いというわけではありません。
ピアノを弾く時間帯を考える、窓を開けているときにピアノを弾かないなど、近隣住民に配慮する姿勢も大切です。
隣の家との距離が近い場合には、先述したような防音対策をすることをおすすめします。
また、一戸建ての場合には、固体伝播音の対策よりも空気伝播音の対策が重要なことが多いです。
窓やドアの防音を重要視していきましょう。
ピアノの防音対策は必ず行おう!
マンションでできるピアノの防音対策をご紹介してきました。
ピアノの防音は、とても手軽にできるものから、かなり大掛かりなものまでさまざまな対策があります。
やはりマンションでは防音対策は念入りに行う必要があります。
ご自身の住環境に合わせて防音対策をし、ピアノの音が近所迷惑にならないよう注意していきましょう。