diyの経験が無く、モルタルに塗りたいところがあるけれど、できるか不安で躊躇している方もいるかもしれません。
この記事では、モルタルを作る方法を詳細にご紹介しています。
また、モルタルの活用法や、リフォームの場合の相場、モルタルの歴史など、モルタルづくしでまとめました。
セメントと砂、水だけでできるモルタルの魅力に迫っていきましょう!
モルタルとコンクリートの違い!「セメント+砂+水」に+α
まず、モルタルとコンクリートの違いについて簡単にご説明します。
〇モルタル
セメントと砂、水を混ぜて、よく練ったものです。
コンクリートに比べてつるっとした見た目で、無機質なおしゃれさが漂います。
「コンクリートを打ちたい」と思っているイメージがモルタルのことだった、ということも多いようです。
駐車場のような強度が必要な場所には、ひび割れしやすいため、あまり使われませんが、玄関や床に使用されることが多いです。
また、陥没などの補修、レンガの接着の際にも使われます。
セメントと砂があらかじめ混ざっていて、水を加えるだけの商品も販売されています。
しかし、広範囲を塗る場合は、コスパを考えるとこのような商品はおすすめできません。
〇コンクリート
セメントに砂と水を混ぜるところまではモルタルと同じですが、そこに砂利(バラス)を加えて混ぜます。
モルタルよりも強度に優れていますが、ザラザラした質感になります。
ちなみに、セメントと水だけでできたものは「セメントペースト」といいます。
さらに細かく説明すると、セメントとは石灰石や粘土でできた灰色の粉になります。
たくさんの種類にわかれ、混合セメント、エコセメント、ポルトランドセメントなどがあります。
ホームセンターで材料を入手!セメント・砂以外にゲットするものは?
モルタルを塗りたいと思ったら、お近くのホームセンターを訪ねてみましょう。
モルタルに必要なセメント、砂、ハケ、バケツなども揃っています。
袋詰めされて売っているものもあれば、自分で好きな量を袋に詰めて量り売りで買うものもあります。
ちなみに材料の配合は、セメント1に対して、砂が3になります。
この配合率を守り、セメントと砂、それぞれの量を状況に応じて増減して、購入してください。
そして、モルタルを練り合わせるケースも必要です。
ご自宅に、使っていない収納ケースがあればそれでもいいですが、できるだけ強度があるケースがのぞましいです。
ホームセンターで探してみてください。
また、たくさん混ぜる場合は、金属製のクワがないと作業ができません。
(少しだけなら、スコップなどでも十分です。)
それでは、気になるモルタルの作り方ですが、まずポイントになるのは、セメントと砂を混ぜる工程です。
セメントと砂と水を一気に混ぜるわけではなく、丁寧に一つずつ混ぜていく作業になります。
くわしくは次項からご説明していきます。
モルタルの作り方!ポイントはセメントと砂を混ぜる工程にアリ
それでは、モルタルを作っていきましょう。
かなり砂ぼこりが舞いますので、気になる方はマスクをつけて行ってください。
ゴム手袋も必須と考えていいでしょう。
まず、ケース(船とも呼ばれる)に砂を入れてからセメントを入れて、クワを使って砂の上に、だいたい均一に乗せていきます。
そこから混ぜていくわけですが、「ざっくりと切るように」混ぜるのがコツです。
全体を混ぜてからサイドに山を作るように寄せていき、それを薄く切るようにクワで削って、また逆サイドに山を作ります。
それを4回くらい繰り返すと、色ムラもなく、きれいに混ざっていくと思います。
なるべく少しずつ少しずつ切るようにして混ぜます。
ここで頑張れば、均等な強度でひび割れしにくいモルタルに仕上がります。
完全に混ぜることができたら、中央部分を少しくぼませて、バケツで水を流し入れます。
ここで、ドバっと入れすぎないようにしてください。
慣れている方なら、ある程度たくさんの水を入れてもまとまりますが、初心者は少しずつ入れるほうがいいでしょう。
水を入れては混ぜ、入れては混ぜを繰り返します。
山を作っては崩すようなイメージで混ぜるといいですね。
最後の方は混ざりにくくなるため、バケツよりも小さめの容器で少しずつ水を加えます。
これで、ドロドロとしたモルタルの出来上がりです。
モルタルの作り方のポイント
だいたいの作業工程をご説明しましたが、上手に作るためのコツや仕上げの作業もありますので、いくつか挙げていきます。
・スコップでセメントと砂を混ぜるなら、先が平らなもののほうが混ざりやすいです
・温度を意識して、水の量を調整しましょう
・仕上がりの目安は、スコップですくったときに流れ落ちずについている状態くらいです
実際にはケースバイケースで、柔らかさは若干違ってきます。
・作業後はすぐに道具を洗い流してください
セメントは排水溝に流すと固まって詰まるおそれがあるため、庭に穴を掘って埋めるか、清掃センターなどに捨てに行きましょう。
・モルタル接着増強剤を使うと便利な場合があります
補修する目的で塗るときや、コンクリートの仕上げとして塗る場合、モルタル接着増強剤を塗ってからモルタルを塗っていったほうが剥がれにくくなります。
モルタル自体にも、接着増強剤を練り込んでおくと、さらによいでしょう。
モルタルの用途は幅広い!いつから使われているの?
セメントと砂を混ぜて、自分でモルタルを作る場合は、どうしてもムラが起きてしまいます。
職人が慣れた手つきで行うのとはわけが違いますので、体力があって根気強い方でないと難しいかもしれません。
一方、工場で作られたモルタルは「プレミックスモルタル」といい、強度が強く質が良いのが特徴です。
しかし、お値段は高く、まだまだ現場でモルタルを混ぜているところが多いようです。
コンクリートよりは弱いですが、外壁やベランダ、土間、セメント瓦にも活躍します。
また、がけ崩れの防止にも使われていることがあります。
ここでは、そんなモルタルの歴史にも触れておきましょう。
モルタルなどの、セメントを利用した壁は、ピラミッドの時代から存在しています。
あの「万里の長城」や、古代ギリシャの建造物にも使用されていました。
日本で建築物に活用され始めたのは明治時代で、高価なアイテムとして扱われていて、市民には手が届かないものでした。
しかし、徐々に強度と防火性の高い住宅に注目が集まり、昭和25年に「外壁を防火使用にする」という法律が定められてから、普及が進んでいったのです。
住宅が「ハイカラ」になり、タイル調のサイディングに人気が集まった時代は、モルタルの壁も多くの方に選ばれました。
モルタルでリフォーム!費用の相場・業者選び
最後に、モルタル床などにリフォームしたい場合の業者選びについてアドバイスして、締めくくります。
まずは費用ですが、1㎡につき、1,500~4,000円程度を見ておけば大丈夫でしょう。
セメントの種類や下地などによっても、この料金は変わってきます。
できれば、滑り止めになるノンスリップ材や断熱対策も施してもらうといいでしょう。
追加料金もあまりかかりません。
業者を選ぶ際には、モルタルのデメリットもしっかり説明できる、信用できるところを選んでください。
また、腕の良さも仕上がりを大きく左右します。
満足のいくリフォームを完成させるために、業者選びにはこだわったほうがいいでしょう。
耐火性の他、耐震性や耐久性にも、ある程度の安心感が見込めるモルタルは、防災意識が高まる現代においても役立つものだと思います。
セメントと砂を混ぜたそのままの色味である無機質なグレーだけではなく、他のカラー展開もできますし、個性的な模様を加えることもできます。
魅力たっぷりなモルタルで、マイホームの印象を変えてみるのはいかがでしょうか。
モルタルdiyはおすすめ!
モルタルの作り方や、リフォームのことについてお伝えしました。
床に施工する場合は、洋室にも和室にも合いますし、個性的なインテリアが楽しめます。
土間や玄関に塗る場合にも、比較的安価に材料を揃えられて便利です。
外壁に活用するケースでは、燃えにくく、熱を加えても有毒ガスは発生しませんし、地震がおきても木造と比べて強度があり、倒壊する危険性が低くなります。
また、インテリアや小物を作るためにモルタルdiyを試す方もいらっしゃいます。
いろいろな用途のあるモルタルをぜひ、取り入れてみてください。